朝の習慣(Morning routines)」は、数十年前からたくさんの人々の関心を集めています。

朝の習慣は、1日のペースをつくり、生産的なスケジュールや日課に着手して、早朝のエネルギーを活用するのに役立ちます。

ですが、1日のパフォーマンスにとっては、夜の習慣(evening routines)も同じように重要です。

適切な習慣を身につければ、心を落ち着かせ、ストレスを解消し、夜の睡眠で回復感を得ることができます。特に、睡眠への効果には大きな価値があります。

健康的な睡眠を充分にとることは、身体の回復や心の健康に非常に重要です。

ビル・ゲイツが実践している2つの習慣

では、夜の習慣を成功させるための極意とは何でしょうか? 朝の習慣と同じように、それはその人次第です。

ただ、ビル・ゲイツ氏の場合は長年にわたって2つのことを実践し続けています。それがビジネスリーダーとして、また慈善家として、何十年も成功を収める基盤になっています。

1. 食器を洗う

食器洗いにどんな効果があるのでしょうか? それは、ビジネスリーダーの忙しい毎日に不足しがちな、瞑想的な落ち着きを与えてくれることです。

想像してみてください。頭の中で絶え間なく分析し、計画することから離れ、機械的な作業に没頭するひと時が得られるのです。洗って、すすいで、乾かして、それをただ繰り返す。まさに「禅の心」です。

2. 読書をする

読書が優れた習慣である理由はたくさんあります。

たとえば、(それぞれ異なる新しいキャラクターと向き合うことで)共感力が高まる重要な知識を蓄積できる異なる視点を認識できるといったことが挙げられます。

そして、寝る前の読書は特に効果的です。『Journal of College Teaching & Learning』誌に掲載された研究によると、わずか30分の読書が血圧を下げ精神的苦痛を和らげる効果を示したそうです。

寝る前の習慣が「明日」をより良い日にする

こうした2つのシンプルな活動を試してみると、効果的な夜の習慣とは、翌朝の仕事に備えて用事を詰め込むことではない、ということがわかってきます。

そんなことをすれば、頭が興奮して落ち着かず、(少なくとも良質な)睡眠をとるのがすごく難しくなってしまいます。

それよりも、優しくリセットすることが大切です。どんなに情熱的に仕事にとり組んでいたとしても、そこから頭を切り離す時間をもつべきです。

食器洗いのような機械的な作業や瞑想は、不安や興奮よりも落ち着きや明晰さが勝る、禅に近い状態をつくるのに役立ちます。

また、夜に読書をすると、思考が普段とは違う方向に向かうため、創造性や想像力が刺激されます。特に、普段とは違う話題や作家、ジャンルに手をのばしてみるのが効果的です。

これは、思考の抑制ではなく「精神の放浪」を促し、ビジネスの成長に重要な、既成概念にとらわれないイノベーションにつながります

もし、朝の習慣が苦手だったり続けられなかったりする場合は、代わりに夜の習慣を試してみてください。私のおすすめは、今回紹介した2つのシンプルな行動からはじめることです。

Source: verywellmind, National Heart, Lung, and Blood Institute, Business Insider US (1, 2), ResearchGate, MAYO CLINIC

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