普通の人は、人生の約26年間を睡眠に費やします。

そう考えると、マットレスの手入れはおろそかにできません。

しかし、マットレスは、シーツやたくさんの枕に隠れて見えないので、忘れられがちです。

問題無く使えている限り、マットレスを手入れしようと考えることすらないかもしれません。

ワンランク上の睡眠を取るために、一般的に数万円もマットレスに費やすのですから、他の大きな買い物と同様、適切なケアとクリーニングが必要です。

しかし、知らず知らずのうちに、マットレスの寿命を縮めるようなことをしてしまっている人も多いのではないでしょうか。

ここでは、マットレスを長持ちさせるために避けたほうが良いことをご紹介します。

1. マットレスプロテクターを使用しない

マットレスについた汗や食べこぼし、シミなどの汚れは、そのままにしておくとマットレスの中でカビやバクテリアが繁殖する原因となりますが、マットレスプロテクターがあると、これを防げます。

また、繊維の中にいるダニによるアレルギー反応からも肌を守ってくれます。

以前のプロテクターは安価なプラスチック製で、体温をためてしまいがちでしたが、現在では防水性と通気性を備えた多くの製品が販売されています。

2. マットレスを定期的に回転させることがない

Sleep Foundationによると、「マットレスの圧がかかる部分(腰や肩のあたりが典型的です)は、他の部分より早くたるんでしまう傾向がある」ので、マットレスを定期的に回転させて使用すると、「1年以上長持ちする可能性があります」。

マットレスを回転させる頻度については、取扱説明書に明確な指示がありますが、メモリーフォーム、ラテックス、最近のスプリングマットレスの場合、年に1~2回が目安です。

最近のマットレスは片面タイプのものが多いので、その場合は昔ながらの裏返しをせずに、マットレスの上部をベッドの足元まで回転させてください(回転させてはいけないマットレスは、体の特定の部分を重点的にサポートする「ゾーンコンフォートシステム」が採用されているものだけです)。

3. マットレスに掃除機をかけない

誤解を恐れずに言えば、掃除していないマットレスはおぞましいものです。

唾液、汗、古い角質、そして何百万匹ものダニ(睡眠中の人間の皮膚を食べ、アレルゲンとなる糞を落として死に、その死骸をマットレスの繊維に残していきます)で、バクテリアを繁殖させる墓場になっています(残念ながら一部のダニはマットレスプロテクターを通過してしまいます)。

3カ月に1度、掃除機の布団掃除用アタッチメントを使って、マットレスの上面と側面に侵入したダニを取り除きましょう。

4. ベッドの上で飛び跳ねる

子どもに「ベッドの上で飛び跳ねるのはやめなさい!」と怒鳴る親は、単に子どもの楽しみを禁じているわけではありません。

ちゃんと正当な理由があります。

(特に窓やシーリングファンが近くにあると)大怪我につながるだけでなく、重圧でマットレスが集中的にがたがた揺さぶられると、マットレスの内部構造にダメージを与え、でこぼこができる原因になります。

また、内部のスプリングが弱ったり、ベッドフレームを傷つけたりすることもあります。

ですから、ベッドの上で飛び跳ねることを禁じる親は100%正しいと言えます。

5. シーツを頻繁に洗濯しない

シーツには、汗やペットのフケ、汚れなどが付着しており、最終的にはマットレスの中に入ってしまいます。

シーツをできたら毎週、少なくとも2週間に1度は洗濯すれば、マットレスを清潔に保つことができます。

毛布や布団カバーも忘れずに洗ってください。

6. マットレスに日光を当てない

マットレスは生きるために太陽光を必要とする植物とは違いますが、たまには日光浴させると実益があります。

マットレスを完全に殺菌することはできませんが、日光はカビ臭さを取り除く天然の消臭剤であり、紫外線はカビやバクテリアを殺す効果があります。

また、日光浴をすると、かなりの数のダニが死滅します。ただし、マットレスに外気の湿気がこもる前に、取り込んでください。

7. マットレスに合わないベッドフレームを使用する

購入するマットレスの種類によっては、それを支えるフレームを見直す必要があります。

従来のマットレスでは、ボックススプリングとすのこを使ったベッドフレームで十分でしたが、最近の高密度で重量のあるメモリーフォームマットレスだと、もっとしっかりとした頑丈な構造のプラットフォーム式ベッドフレームが必要です。

メーカーのガイドラインに従って、マットレスの寿命を適切にサポートしましょう。

8. ガレージ(または地下室)でマットレスを保管する

今は使わないマットレスをいつか使うかもしれないので取っておくなら、地下室に入れるのは避けましょう。

掃除機をかけた後、マットレス用の保護カバーをかけて、室温管理された環境で平らにして保管してください。

ガレージや湿気の多い地下室で立てた状態にしておくと、湿気、カビの発生、虫の侵入、中わたやコイルの移動などの影響を受け、クッションが損傷して取り返しがつきません。

寝られないマットレスになってしまいます(信じてください、私の実体験です)。


Source: Dreams, Sleep Foundation