どのようなプロジェクトであっても、成功するためには、チームの共同作業や意思疎通を促進するツールが不可欠です。プロジェクトに携わるメンバーがリモートワークをしているのであれば、その重要性はさらに増すでしょう。

そうしたツールは、生産性を向上させ、従業員同士の結びつきを促すと同時に、誰もが時と場所を選ばず、必要な情報にアクセスすることを可能にしてくれます

とはいえ、使用しているツールの数が多すぎると、ストレスになりかねません。毎日の始業時に数多くのツールをあれこれチェックして、絶えず情報を共有する必要があるならなおさらです。

今回は、コラボレーションツールをよりうまく活用するためのヒントとおすすめのツールを紹介していきましょう。

ツールの数が多すぎてはいけない理由

チームでプロジェクトに取り組む際に、あまりにも多くのコラボレーションツールを導入してしまうと、生産性向上の助けになるどころではなくなります。むしろ、次のような事態を招きかねません。

  • タスクを完了するよりも、複数のプラットフォーム上にある情報を追いかけることに多くの時間が割かれ、生産性が低下します。
  • メンバー同士の意思疎通が見過ごされ、プロジェクトに遅れが生じます。
  • 複数のコラボレーションツールに慣れるまでに時間を要する人がいると、共同作業がうまく捗らなくなります。
  • 必要な情報にアクセスしにくくなります
  • さまざまなコラボレーションツールを並行して利用していると、短時間でツールを次々と切り替えることになり、効率が落ちるおそれがあります。
  • コラボレーションツールの多くは機能が重複しているのに、使用料金が個別に発生するので、コストの無駄になります。

コラボレーションツールは、チームの共同作業に欠かせません。では、こうした問題をどうやって回避すればいいのでしょうか。

多数なツールによる混乱を防ぐヒントとおすすめツール

1.チームと会社のニーズを優先順位付けする

同僚とPCを囲む人
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まず肝に銘じておきたいのですが、共同作業がうまく進むか否かは、テクノロジーの問題ではありません。それよりも大事なのは、共同作業に参加するのは誰か、チーム共通の目標を達成するためにメンバー同士はどうやって意思疎通を図るのか、ということです。コラボレーションツールならびにコミュニケーションツールは、そのやりとりを可能にし、促すためのものです。

従って、会社のニーズは何か、チームとして構築していきたい社内文化は何かを検討するところから始めるべきです。さらに、チームが日常的にどのようなタスクを手がけるのか、メンバー同士がコミュニケーションを取るうえで最適な方法は何かを、正確に予測しなくてはなりません。

たとえば、柔軟な勤務体制を敷いているなかで、信頼関係を深めつつ、自由を促進したい場合は、非同期型のコミュニケーションと共同作業を可能にするTwist」や「Yac」のようなデジタルソリューションがベストです。こうしたツールは、生産性が最も高い時間帯に集中力を維持できるよう、メンバーをサポートしてくれます。

一方、チームメンバーの大半が外を飛び回って働いており、リアルタイムでの意思疎通を重視するのであれば、同期型コミュニケーションを促進し、デスクトップとモバイル端末の両方からアクセスが可能な「Slack」などが最適かもしれません。

ニーズや、目指す社内文化を正確に把握すれば、自分たちの働き方に見合ったツールを絞り込みやすくなります。広く普及しているというだけでツールを選んでしまうと、会社の文化や運営システムを知らず知らずのうちに変えることになり、無益な成果へとつながりかねません

2.オフィス・スイートを活用する

会社のニーズを把握したら、使用するコラボレーションツールの数を減らすために、オールインワン・タイプか多用途のプラットフォームを検討するところから始めてみてはどうでしょうか。オフィス・スイートと呼ばれるそうしたプラットフォームには、ビジネスに必要な各種機能が数多く盛り込まれています。

オフィス・スイートは、すべてを一体化できるよう特別に設計されており、さまざまなアプリに備わった基本的機能が、ひとつのプラットフォームに集約されています。そのため、情報にアクセスする際に、プログラムをいくつも開く手間がいりません。

時間とお金が節約できますし、誰もが最新情報を見逃すことなく、仕事を完了しやすくなります。オフィス・スイートは、最先端機能を特に必要としておらず、むしろシンプルかつ明快で、作業を円滑化できるソリューションを求めている中小企業には理想的です。

オフィス・スイートなら、メッセージの送受信や通話、文章作成、タスクの割り振りはもちろん、プロジェクトの立案も、すべて1カ所でできます。

ワークフローの効率化に役立つ機能を数多く利用できるおすすめのオフィス・スイートには、「Spike」や「Samepage」などがあります。こうしたツールを1つ利用すれば、すべての作業を1カ所にまとめることが可能です。

3.統合できる最適なツールを選ぶ

コミュニケーションの統合のイメージ
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仮に、あなたの会社は特定の業種に特化しており、使用している多目的プラットフォームについては、「とりあえず何でもできるけれど、これといった優れた点がない」と感じていたとしましょう。その場合は、個々の機能を簡単に統合できる最適なソリューションを見つけることを検討すべきです。

主な目的がプロジェクト管理だとすれば、タスクの生成やタスクの割り振り、頼りになる検索機能、ダッシュボードの複数表示、プロジェクトの進捗状況報告、プロジェクトのテンプレートなどが揃ったツールを検討しようと考えるかもしれません。

しかし、それと同時に、ほかのツールとの統合が可能なプロジェクト管理ソリューションも考慮すべきです。例を挙げるなら、「Hive」「monday.com」「Wrike」などです。このように、特定の目的に応じたツールを複数使ってそれらを統合すれば、さらに高い成果を達成できます。

そのうえ、こうしたツールはユーザーフレンドリーで、どんな人にとってもわかりやすいので、すぐに使いこなせるようになるでしょう。

4.情報を一元管理できるナレッジベースを構築する

上述したように、コラボレーションツールを多く使いすぎることの主な欠点には、利用する従業員が貴重な時間を無駄にせざるを得なくなることが挙げられます。情報にアクセスしたり、すでに何度も回答をもらっている疑問点について同僚を繰り返し困らせたりするために、あっちのプラットフォーム、こっちのプラットフォームと、あれこれ開かなくてはならないわけです。

こうした事態を避けるために、基本情報を丸ごと、一元管理できるひとつのナレッジベースに保存し、いつでもどこからでも簡単にアクセスできるようにする手があります。「Tettra」のような社内用Wikiツールを使えば、全社方針から、業務などのイロハを説明するチュートリアル、製品の具体情報に至る何もかもをひとまとめにできます。権限がある人なら誰でも、ファイルの追加や編集が可能で、従業員の情報共有を支え、直感的に操作できるプラットフォームになります

チームメンバーはみな、このナレッジベースに直行すれば、情報や疑問への回答、抱えている問題の解決策を見つけ出せるというわけです。

効率アップを助けてくれるコミュニケーション/コラボレーションツールを見つけよう

コミュニケーションツールやコラボレーションツールがたくさんありすぎて混乱し、悩んでいるのであれば、ここで紹介した解決策をぜひ検討してみてください。

ビジネスに最適な共同作業用デジタルソリューションや戦略を利用すれば、生産性の向上や、長い目で見たコスト削減、全般的な業績向上に向けた一歩を踏み出せます。

あなた自身とあなたの企業が成長を遂げ、求められることが増えたら、プロセスをいつでも見直して、変化するニーズに応じることができるでしょう。

Image: Shutterstock/Source: twist, yac, slack, spike, Samepage, Tettra/Original Article: How to Avoid the Overuse of Communication and Collaboration Tools by MakeUseOf