こんな状況を想像してみてください。
週4日勤務を希望して提案した、新しいスケジュールが承認されました。最初のうちは、その達成感に興奮しきりです。
「やった! 週4日勤務を勝ちとった。これで休みが1日増えて、もう少しゆっくりできるチャンスが手に入ったぞ」
しかしやがて、幻滅が忍び込んできます。
どうして仕事が全部終わらないのだろう? どうしてミーティングにばかり出ているような気がするのだろう? 休みが1日増えるはずだったのに、結局週5日も働いてしまったことが、一体何回あっただろう?
そんな状況に心当たりがあるのなら、あなたに必要なのは「5日分のミーティングとタスク」を4日分の時間に収まるよう、うまく調整する手助けかもしれません。
自分の背負う責任が多すぎて、「短くなった1週間に詰め込みきれない」「仕事を片付ける時間がない」と感じている人もいるでしょう。
自分の時間を戦略的に投資して、自分の望む労働時間内で最大限に生産性を高めるにはどうすればいいのでしょうか。筆者は時間管理コーチとして、クライアントがその方法を考える手助けをしています。
この記事では、週に4日の勤務時間をミーティングに出るだけで終わらせないためのヒントのうち、とっておきの5つを紹介します。
ステップ1:勤務時間を明確にする
まずは、自分の望む勤務時間に応じて、目標をはっきり決めましょう。
週5日8時間勤務から、週4日10時間勤務に切り替えたのなら、おそらく仕事の範囲はそれほど大きく変わらないでしょう。
でも、週4日勤務にする狙いが、1週間の勤務時間をそれまでの80%に抑えることにあるのなら、スケジュールの変更に加えて、仕事量の変更も視野に入ってきます。1週間のスケジュールが短縮されるなら、勤務時間だけでなく、仕事の量も変えなければいけません。
その両方を変えるためには、自分の背負っている責任の一部を下ろす必要があるかもしれません。あるいは、もっとゆっくりしたペースで仕事をできるよう、勤務時間の変更にあたって上司からの期待値を下げるのも1つの手でしょう。
ステップ2:特定の時間帯はミーティングをブロックする
週4日10時間の勤務なら、少なくとも1日の最初と最後を「ブロック」し、相手が誰であれ、ミーティングを入れない時間にすることをおすすめします。
たとえば、「朝8~9時と夕方5~6時をブロックする」という具合です。そうすると、仕事を片付ける時間がとれるだけでなく、起きたばかりの人や、丸1日働いて疲れ果てた人と、ミーティングする可能性も低くなります。
もう1つの効果的な戦略は、1週間のうち、仕事を始める日の前半を「準備」時間、週の最後の勤務日の後半を「総括」時間としてブロックするやり方。たとえば、月曜日の午前11時までを準備時間、木曜日の午後4時以降を総括時間とするわけです。
とはいえ、自分でこなす仕事の予定表のなかに大きなプロジェクトがあることがわかっている場合は、さらにほかの時間もブロックする必要があるでしょう。
たとえば、火曜と木曜の午後に1時間か2時間ほどブロックし、ミーティングで細切れにされないようにして、集中的に仕事をするのがいいかもしれません。
勤務時間を短くする場合であれ、単に日数だけを減らす場合であれ、この緩衝時間があれば、ゆったりと1週間を開始し、週を終える時も、やり残したことがたくさんあると感じずにすむかもしれません。
ステップ3:「ルーティンになっているミーティング」を減らす
週4日勤務への移行は、「ルーティンになっているミーティング」から一歩離れてその内容を見直し、「このミーティングは、本当に私のスケジュールに入れる必要があるのか?」と自問する絶好の機会です。
特に、あなたが出席しているミーティングのなかでも、次のことを見直してみると良いでしょう。
- 毎週新しい情報があまり話し合われていないもの。
- 得ることや与えることがあまりないもの。
- チームから複数名が出席していて、人を削る余地があるもの。
こうしたミーティングを自分のスケジュールから完全に省けるかどうか、確認してみましょう。
それができない場合は、ミーティングの時間を短くしたり、頻度を減らしたりすることを検討しましょう。毎週60分のミーティングを隔週30分に短縮すれば、1カ月に費やされる時間は、4時間からわずか1時間に減ります。そうすれば空き時間が増え、自分自身の仕事を片付ける時間ができるはずです。
また、ルーティンのミーティングのスケジュールに関して多少の発言権を持っているなら、複数のミーティングをまとめて1日の特定の時間帯に集中させれば、ほかの時間帯が自然とあき、仕事を片付けやすくなるはずです。
ステップ4:場当たり的なミーティングを拒否する
場当たり的なミーティングのなかには、途方もない価値を生むものもあります。時には、電話や、廊下での数分の話し合いが、メールの山よりも問題解決に役立つこともあるでしょう。
とはいえ、そうした即興のミーティングのなかには、あまり必要性が高くなく、1日を非生産的な細切れの時間に分割してしまうものもあります。
私の場合は、できる限りその手のミーティングをせずにすむようにしています。極々短いおしゃべりでも、積もり積もってかなりの時間になることを知っているからです。
誰かから、特に社外の人からメールが来て、「何がしかを説明したいからミーティングを設定してほしい」と頼まれたら、まずは、さらなる詳細を求める返事を送ります。
たいていの場合、その返答として送られてきたメールは、自分の都合の良い時間に、1分もかけずにざっと目を通せます。ほかの難しい仕事に集中できたはずの時間を割いて、15分もかけて話し合う必要はありません。
私の考えや意見を聞きたいからミーティングを設定してほしいと頼まれた時にも、同じ方針をとっています。
つい最近、あるテーマに関して私の見解を聞きたいので、30分のミーティングを設定してくれないかと依頼されました。私は次のように返信しました。
「ご連絡ありがとうございます。お伝えしたい見解はそれほどたくさんありませんので、ミーティングの時間を設定することに、あまり意味があるとは思えません。
とはいえ、すぐに思い浮かぶのは…」
そのあと、いくつか簡単な文を書いて、するべきことをやり終えました。
この戦略をできるかぎり活用して、影響の大きいミーティングだけに出席するようにしましょう。
ステップ5:ミーティングを効率的に運営する
久しぶりにオフィスに戻った時は特にそうですが、ミーティングの際に少し時間をとって、お互いの近況報告をするのは楽しいものです。
確かに、ミーティングを1分残らず、効率の権化のような時間にする必要はありませんが、ミーティングを効率的かつ効果的なかたちで運営するのはよいことです。
具体的には、目的を理解したうえでミーティングに出席し、重要ポイントから逸脱せず、ミーティングの終わりまでに、次のステップを明確化します。
また、話し合われた内容を書類に残して実行に移せるように、誰かが議事録をとり、グループ内で共有することも効果的です。
上手くやれば、週4日勤務は、本当の意味での週4日勤務になります。つまり、意味のないミーティングが週4日続き、そのせいで「オフの日」には、できなかった仕事がつめこまれてしまうことがなくなります。
ここで紹介した戦略は、そのスケジュールを実現するのに役立つはずです。
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Originally published by FastCompany [原文]
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