フォームローラーは万能ではありませんが、エクササイズの前後に取り入れると役立ちます。
主に以下の2つの使い方があります。
1. 筋トレ前のストレッチ代わりに
ストレッチというと、30秒間ポジションを保って筋肉が少し痛くなるぐらいまで伸ばすタイプを思い浮かべるかもしれません。
それは静的ストレッチです。静的ストレッチは必須ではなく(多くのアスリートが取り入れてはいますが)、マイナス面もあります。
ストレッチしすぎると筋肉を痛める可能性があり、トレーニングの直前にストレッチすると最大の筋力が出せなくなるというという証拠もあります。
その代わりに、動的ストレッチを好む人が増えています。動的ストレッチでは自分の望む無理のない可動域で体を動かします。
たとえば、位置を変えずにバットキックしながら走るというのは、静的な大腿四頭筋ストレッチの動的バージョンです。
3番目のオプションは、実際にストレッチする代わりに、ストレッチしたい部位をフォームロールすることです。筋肉が動かされるので、動的ストレッチと同じような目的が果たせます。
研究では、運動前に行なうと可動域が向上することが示されています。ですから、筋トレの際に筋肉が硬いと感じところがあるなら、筋トレ前にその部位をフォームロールすれば良いでしょう。
2. 筋トレの合間や後のマッサージに
フォームローラーで筋肉をもむのはセルフマッサージの一種です。
トレーニングの後にフォームローラーでマッサージしたり、休日に無理せず体を動かす方法として取り入れている人は大勢います。
科学的には、マッサージが「回復」や筋肉痛を和らげる効果があるのか、またどう作用しているのかはまだはっきりと解明されていません。
マッサージは「乳酸を排出」したり、他の毒素を排出したりはしませんが、マッサージによって、損傷した筋肉が少しだけ早く修復されるという意見を支持する研究もいくつかあります。
もっと大事なのは、マッサージは気持ちが良いということです。
筋肉に凝りやトリガーポイント(発痛点)があると感じていたり、フォームローラーを使うと気持ちが良くなるなら、それだけでフォームローラーを使う十分な理由になります。
フォームローラーを使ったマッサージ方法
ローラーを床に置き、部位をその上に置いて使用します。(臀筋をフォームロールしたい場合は、その上に座ります。)
そして、手と足、または手足の大部分を床につけて、前後に動いて、フォームシリンダーの上を転がります。
重力によって圧力がかかるので、手足で体重を支えると軽めのマッサージになります。フォームローラーにもっと体重をかけると、マッサージは強くなります。
大きめで柔らかいローラーでは弱めで、小さくて硬いローラーやテクスチャーのあるローラーなら、「痛気持ちよさ」が強くなります。
筋トレ前の可動性アップと筋トレ後のマッサージは取り入れられたら良いのですが、必須ではありません。
フォームロールをしないほうが自分にとって気持ちが良いなら、体の声に耳を傾けましょう。
――2020年11月9日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
訳:ぬえよしこ