ほとんどの人は、日頃から自分のことを他人に表現するように言われることはあまりないと言っていいでしょう。
しかし、適切な仕事を得るということになれば、面接官からは自分の能力と自分がチームにもたらすことができる価値について自信を持って話すことを期待されます。
面接官が直接「あなたについて教えてください」と尋ねる場合でも、「同僚はあなたのことをどのように表現しますか」「あなたの最大の強みは何ですか」といった別の質問の仕方を選ぶ場合でも、最終的な目的は同じです。
つまり、人となりをより深く理解し、その職にふさわしい人物かどうかを判断することです。
面接の際、ほとんど初対面の人に対して自分の一番の資質について話すことに違和感を覚えるかもしれませんが、自信を持って自分のことを話せるよう準備しておくことが大切です。
なぜなら、もし自分が自分自身の能力に自信を持っていないのであれば、なぜ採用を考えている雇用主が当人を雇うことに自信を持てるでしょうか。
しかし、面接の際は自信と横柄さは紙一重です。その違いは、コミュニケーションの取り方、そして自分を表現する言葉の選び方にかかっています。
一番避けたいことは、履歴書を書く際に専門家が使わないようにと注意しているような、使われ過ぎている流行り言葉で自分を表現してしまったがために、うぬぼれている、あるいは信用できないという印象を与えてしまうことです。
以下に挙げるのが、面接の際に求職者が自分を表現するのに使う、一番よくある使われ過ぎの言葉と、その代わりに自分の価値を伝え、面接官を納得させるために言うべき言葉です。
仕事熱心
正直になってみましょう。仕事の面接で「やる気がない」と言う人がいるでしょうか。もちろんいません。この資質を持っていることは雇用主にとって確かに魅力的ではありますが、単にそう言うだけではそれが本当だと証明することはできません。
面接官に「私は仕事熱心です」と言う代わりに、「自分の能力」を見せることで勤労意欲があることを納得させましょう。
自分の仕事上の「自慢話コレクション」を引っ張り出して、したことのある大きな貢献や達成した目標、成し遂げた成果など、仕事熱心であることが以前の雇用主にいかに良い結果をもたらしたかを示すような、最近の事例を探してみましょう。
そのうえで、次の面接でこうした仕事の成果を要約できるように、STARメソッドを使って準備しておきましょう。
チームプレーヤー
チームプレーヤーであるということが本当はどういう意味なのか、少し考えてみましょう。単に人と仲良くすることや、集団で働くことができるということではありません。
真のチームプレーヤーは、必要な時には妥協し、他人を尊重して、チームメンバーのニーズに耳を傾け、解決策を考えたり目標を達成したりするために協力できるのです。
面接の過程で、自分がチームプレーヤーであることを示す方法はたくさんあります。グループの取り組みで達成したことを説明している場合は、すべてを自分の手柄にはしないことです。プロジェクトの成功に自分の貢献が不可欠であったとしても、称賛に値するところにはその功績を認めましょう。
たとえば、会社の問題を解決するためのすばらしいアイデアを自分が思いついた場合、自分の提案を実現するためにチームとどのように協力したか、アイデアを進める前にどのようにほかの同僚から意見を求めたかに必ず触れましょう。
適切なところでは「私」ではなく「私たち」という代名詞を使うことを忘れないだけでも、チームプレーの精神を持っていることを示すことができます。
さらに、アクティブリスニングのスキルを使い、質問に明確に答える簡潔な応答がすぐにできるよう面接官の質問内容を十分に理解するようにしましょう。
活動的で情熱的
面接で自分を活動的、あるいは情熱的と表現したい場合は、この鉄則に従いましょう。言葉で言うのではなく、見せるのです。
ポジティブなエネルギーに満ち溢れ、自分の考えを伝えることにわくわくして面接に臨めば、仕事に情熱を持っていることを面接官に言葉で言う必要はありません。態度や振る舞いがそれを物語ってくれるからです。
面接の際は、活動的な性格と仕事に対する情熱の両方を確実に表現できるよう、面接の準備に力を入れましょう。自信を持って面接室に入り、この仕事の何に魅力を感じるのかを説明できるように、その企業や職種について調べましょう。
また、面接室で最高の自分を発揮するには、面接までの数時間で自分の活力のレベルを上げる必要があるのか、緊張を少し解放する必要があるのかを判断することも重要です。
面接前のルーティンをつくると、非常に役に立つ場合があります。これには、瞑想する、お気に入りの音楽に合わせて踊る、カフェイン入りの飲み物を飲む、あるいは不安を軽減するためにはβブロッカーの天然成分を含む食品を、活力のレベルを高めるためには複合糖質やタンパク質を含む食品を食べるなどの対応が考えられます。
適応力・柔軟性がある
確かに、雇用主はこれまで以上に、職場で新しい課題に適応できる人材を採用したいと考えています。実際、採用担当者らに対し、パンデミック(世界的大流行)以降に重要性が増したスキルをTopResumeが訊ねたところ、「適応力と柔軟性」が最も高く評価される資質となりました。
「私は適応力があります」と言う代わりに、パンデミックの間にいかに自分の頭で考え、創造的な解決策をもたらしたかを説明することで、職場でどんなことがあっても対応できる力があるということを面接官にわかってもらいましょう。
たとえば、新入社員をオンラインで受け入れる方法を考えたり、オンライン環境で会社のサービスの変更に奔走したり、四半期の半ばでチーム目標を方向転換しながらもそれを達成したり、そうしたことに対応しなければならなかったことでしょう。
いかに困難に真正面から立ち向かうことができたか、その具体例を示すことで、自分がチームにもたらすことのできる柔軟性と適応力が雇用主に高く評価されます。
創造力に富む・新しい物事に積極的
自分を「創造力に富む」「新しい物事に積極的」と表現すると、よく言えば安っぽい、悪く言えば不愉快な印象を与えることがありますが、実際のところ、こうしたスキルは特定の職務では重要な要件です。
創造力や新しい物事に積極的な気質を、雇用主が評価する言葉で表現するためには、自分の創造力や革新的なアイデアがこれまでの職務にどのように関わってきたかを考えてみましょう。
クリエイティブな仕事(アーティスト、デザイナー、プロダクトマネージャー、ライター、広告主など)を目指している人は、オンラインポートフォリオやブログを更新して最新のプロジェクトを掲載し、そのリンクを履歴書の上部とLinkedInのプロフィールに記載するようにしましょう。
クリエイティブなプロセスの何が楽しいのか、最新のプロジェクトで自分の創造力をどのように活かしたのか、そのプロジェクトの成果は何だったのかを話せるよう準備しておきましょう。
求めている職種にクリエイティブな問題解決スキルが必要となる場合(最近はこれも多くの雇用主の最優先事項です)、なぜ新しい課題に取り組むのが好きなのかを説明し、問題解決やスキルの学習、会社に利益をもたらす目標達成のために、常識にとらわれずに考えなければならなかった最近の事例を共有できるよう、準備を整えておきましょう。
履歴書やLinkedInのプロフィールに一般的な流行り言葉を詰め込むと、採用を考えている雇用主に不快感を与えることがありますが、面接の際にそれを復唱するのはそれよりもはるかにまずいことです。
そうはせず、自分の資質や価値を示すようなエピソードを添えて、採用責任者に認められるような言葉で自分のスキルを表現する練習を行ないましょう。
Source: ToPResume(1, 2, 3, 4), TopInterview
Originally published by Fast Company [原文]
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