健康的な生活を送るためには、適度な運動とはどの程度なのでしょうか。幸いにも主要な健康機関で意見が一致しています。

1回30分、週5回やるのがいい

世界保健機関、米国疾病予防センター、米国心臓協会の三機関が、有酸素運動について次のようなガイドラインを出しているのです。

  • ウォーキングなど、中程度の運動を週150分。できれば1回30分を5回に分けるのが理想。
  • ランニングなど、激しい運動を週に75分。25分を3回が理想。
  • 10分未満の運動は1回にカウントせず、できるだけ1週間のうちにまんべんなく分散させる(つまり、1回で90分やっても十分ではない)。

近所を散策するのが好きなら、1つ目の方法がよさそうです。

ハードなトレーニングが好きで、スポーツウェアの洗濯が億劫なら2つ目の方法がいいでしょう。

もちろん、それらを混ぜても構いません。たとえばこんな感じです。

  • 平日の通勤で片道15分間の道のりを行き帰り歩く(5 x 30分=150分の中程度の運動)
  • 月水金で1回3~5キロ程度走る(3 x 25分=75分の激しい運動)
  • 90分間のサイクリングクラスに週1で参加し、その他の3日に食後の散歩をする(1 x 90分=90分の激しい運動、プラス3 x 15=45分の中程度の運動)
  • 月曜日は30分自転車で出かけ、水曜日には45分のウォーターエアロビクス教室、土曜日には短いハイキング、土曜日の1時間は芝刈り(30+45+30+60=165分の中程度の運動)

「中程度」と「激しい」の判断に迷ったら、英国国民保健サービスのリストをご覧ください。

厚生労働省も以下のような見解を示しています。

長期的には10分程度の歩行を1日に数回行なう程度でも健康上の効果が期待できる。家事、庭仕事、通勤のための歩行などの日常生活活動、余暇に行なう趣味・レジャー活動や運動・スポーツなど、全ての身体活動が健康に欠かせないものと考えられるようになっている。

激しい運動がしたい人のメニュー

そんなんじゃ物足りないという、活発なあなたに朗報です! WHOは、あなたみたいな人向けに第2の目標を定めています。シンプルに、前述の目標を2倍にしたものです。

つまり、激しい運動を1週間に150分することを目指してください。

  • 月と木に90分間の激しいクラスを入れる
  • 平日毎日5キロ走る
  • 週に3回、1時間の武道クラスに通う

中程度の運動なら、毎朝の朝食前に1時間歩くという、元気なおじいちゃんおばあちゃんが大好きな活動はいかがでしょうか(一応補足すると、ここで紹介している運動量の基準は、65歳までの人向けです)。

気になるのが上側の制限。運動のやり過ぎということはないのでしょうか?

公衆衛生の観点からは、どんなにやってもやり過ぎることはないようです(同様に、どんなに少なくても、やらないよりはマシです)。

とはいえ、あなた個人で考えたときに、身体の限界を超えてやり過ぎてしまうことは考えられます。

たとえば、それまで散歩程度しかしていなかったのに、急にマラソントレーニングをはじめるのは危険です。

あるいは、マラソントレーニングをすでにはじめていて、あまりにも疲労を感じているなら、すぐに休んだほうがよさそうです。

筋力、柔軟などの高強度の運動

ここまでは動き続けることで心拍数を高める有酸素運動について紹介しましたが、ほかにも重要な運動はあります。

前述のWHOほかの組織は、週に2回の「高強度筋力強化運動」をすすめています。

1セット何回を何セットという種類の運動です(最初は8〜10回を3セットするのがおすすめです)。

筋肉に負担をかけられれば何でも構いません。

負荷としては、10回目が1回目よりもかなりキツイというのが目安です。

ウェイトリフティングトレーニングチューブを使ったエクササイズのほか、腕立て伏せのように自重を使ったエクササイズもあります。

週に3回ランニングをしていてまだ時間があるなら、残りの週2日をランニングにあてずに、筋トレにチャレンジしてみましょう。米国スポーツ医学会ではさらに、忘れがちな2つの運動をすすめています。

  • 週に2、3回のストレッチ。各筋肉グループにつき60秒が理想。10から30秒を数回でもよい。
  • 週に2、3回、視覚と手の協調などの神経筋トレーニング。バランスや協調、自分の足取りに注意を払うなどがこのカテゴリーに含まれる。

これらは2つとも、他の運動と組み合わせて行なうことができます。

たとえばストレッチは、メインの運動が終わったあとの整理運動として、あるいは逆に準備運動として行なうといいでしょう。

ランジのようにバランスと協調を要する機能運動は、神経筋トレーニングをしていることになります。

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Source: NHS, American College of Sports Medicine, 厚生労働省