駆け出しのフリーランスなら誰でも、仕事の依頼があれば興奮で舞い上がってしまいがちです。

けれども、どんなときでも大事なのは、自分自身と、依頼主であるクライアント双方の権利や責任についてよく考えることです。

契約書を交わしておけば、あなたの評判や安全の保護に役立ちますし、それはクライアントについても同じことが言えます。契約書は法的拘束力のある文書なので、万一訴訟になっても、あなたを守ってくれるでしょう。

契約書を作成すると聞くと、少し腰が引けてしまうかもしれませんが、作成すべき理由はたくさんあるのです。

1. 担当業務の内容

プロジェクトが新たに始まるとき、契約書の担当業務欄には、あなたとクライアントの双方がそれぞれ担当する業務が記入されます。

そして、実際に仕事がはじまってからも、必要に応じて確認することができます。こうしておけば、報酬が支払われる対象業務について、山のように誤解が生じる事態を防げますし、自分がどの業務を行う権限があるのかも把握が可能です。

たとえば、ライターであるあなたが、リサーチ、キャンペーンメールの作成、文書の編集、あるいはSNSの企画を担当する場合は、それが契約書の担当業務欄に列記されていなければなりません。

担当ではない仕事までやらされる羽目にならないようにするためにも、この担当業務欄は重要です。

また、クライアントが校閲を1~2度やってほしいと思っているのだとすれば、そのことも認識しておいたほうがいいでしょう。

2. 支払い条件

支払い条件をきちんと書き留めて記録しておかないと、あとで困ったことになるかもしれません。プロジェクト完了後に、クライアントの気まぐれで支払い額が変わることがないようにしましょう。

その仕事は、定額で引き受けるつもりですか?

時給制はありますか?各業務が終わるごとに報酬を受け取るほうがいいですか?支払いのタイミングは、1週間、2週間、あるいは1カ月ごとですか?前払金はありますか?クライアントの支払いが遅れたときの延滞金は?

報酬が銀行口座に直接振り込まれるよりも、クライアントに請求書を送りたい場合は、請求書発行システムが必要になります。

支払いについての詳細をまとめる際には、あなたとクライアントの双方で、支払い条件に合意しておきましょう。単発の仕事の場合は、納期も含める必要があります。

そうしておけば、プロジェクトが完了したときに、報酬をめぐって混乱が生じることはありません。

クライアントは値下げを打診できないので、あなたが薄給に泣かされることもありません。こうするのが、両者にとっていいやり方なのです。

3. 秘密保持契約

特定の情報が一般に公開されることを望まないクライアントも、なかにはいます。そのようなクライアントから仕事を依頼された場合は、秘密保持契約を結ぶことになります。

そのクライアントはあなたに、会社の資金繰りやビジネス戦略といった重要情報を見せるかもしれません。その企業は、ある国では合法でも、別の国ではそうではない商品を売りたいと思っているかもしれません。こうしたことはすべて、口外してはいけないのです。

この秘密保持契約は、非開示契約などのフリーライター契約とは分けられるケースもあります。機密情報を見せられても、ライバル会社にそれを漏らして有利になるようなことはしてはいけません。

アメリカにお住まいで、起業家や企業のためのこれらの契約についてくわしく知りたい方は、米国証券取引委員会の公式サイトをご確認ください。

4. フリーランスにとっての著作権法

フリーランサーの世界では、著作権法は混乱の種になりがちです。よって、著作権に関する項目も契約書に加えておくと、あとで余計な混乱を招かずに済むでしょう。

「もともとの著作権がライターに属するプロジェクト」に取り組む場合でも、いったん著作物がクライアントの手にわたったら事情は変わり、著作権はクライアント側に移る可能性があります。フォトグラファーやデザイナーも注意が必要です。

依頼された原稿を書き上げたあとに、クライアントが、必要に応じて若干の編集を加える権利を要求してくるかもしれません。このような点についても、著作権の欄で明確にしておきましょう。

アメリカにお住まいで、著作権についてくわしく知りたい方は、米国著作権局の公式サイトで詳細をご確認ください。たとえば、自分が納品したウェブサイトのコピーライティングや記事を、自分のポートフォリオに加えたいという場合も、まずは許可を求めたほうがいいでしょう。

5. フリーランス保険

契約書には、保険に関する条項も加えておいたほうがいいでしょう。フリーライターとして仕事を引き受けるときには、何か問題が起きた場合に備えて、保険が必要になります。

契約書に含めることで、あなたがリスクを軽視していないこと、何か損害が生じた場合のバックアッププランを用意していることが、クライアントに伝わります。

事業保険会社のGet Dinghyによれば、クライアントが何らかのクレームを行おうとした場合、あなたが法的手段に訴えなければならないケースもあるそうです。そうなれば、裁判費用を用意する必要があります。

金銭面で問題を抱えているクライアントなら、支払い能力がないかもしれません。従って、保険に関する条件を契約書に書き加えるときには、あなたの弁護人とその仕事内容を明記し、あなたがカバーできる補償金や各種料金も記載しましょう。

機器などに発生した損害をカバーする一般財物保険も、記載しておいたほうがいいでしょう。また、あなたの権利を盛り込んだ契約書を交わす際には、そこにあなたとクライアント双方の電子署名も入れておくことを強くおすすめします。

こうしておけば、あなたが事前に対策を講じていることがクライアントに伝わりますし、あなたが多額の出費を強いられることになっても安心です。

フリーランス契約の重要性

ここで紹介したような合意内容を契約書にきちんと記載しておかないと、クライアントが契約内容に反する行為を押し付けてきた場合に、支払いに関する問題や法的な問題、損害賠償に関する問題などが生じるおそれがあります。

けれども、契約書があれば、クライアントとの泥沼の法廷闘争をはじめとするさまざまなリスクから、あなたを守ってくれる可能性があります。

契約書は、自らを守るひとつの対策として非常におすすめです。充実したフリーランス生活を送るためにも、権利を行使するか否かは別にして、さまざまなことに備えておくことは役に立つのです。

フリーランスで年収を倍にするには、この5ステップを遂行せよ | ライフハッカー[日本版]

フリーランスで年収を倍にするには、この5ステップを遂行せよ | ライフハッカー[日本版]

Source: YouTube, Get Dinghy, SEC