採用されていたら今ごろは…。

Microsoft(マイクロソフト)共同創業者のビル・ゲイツが、LinkedInに1974年当時の履歴書を公開しましたね。「新卒でも中退でもこの48年前の履歴書に比べたらずっとマシだと思うよ」という励ましの言葉に、就活生の間では大反響です。

プロのリクルーターから見るとダメなところが多くて、「だれもビル・ゲイツは採用できないんだな…」というあきらめの声も広がっていますよ。

就活でのダメポイント

Fortuneが履歴書代筆のプロや採用コーチに取材してみたら、次のようなところが就活ではマイナスになると指摘されたそうですよ?

1. プライベートな情報が多すぎる

「身長5フィート10インチ(約178cm)、体重130ポンド(約59kg)、扶養家族なし」とかは、この職種の採用には関係ないので書かないほうが無難。

2. 動詞の種類が少ない

英文レジュメでは受動態より能動態で書くほうがやる気をアピールできます。ゲイツ青年は、「designed」は能動態だけど「involved with」が受動態。また、次の文章で同じ動詞を繰り返し使っていて洗練度が今1つ。

3. 左上の一番目立つところに意味不明な名刺が貼られている

まあ、3については、人材会社が貼ったものなので、ゲイツ青年が悪いわけじゃないんですけどね。

採用側から見た注目ポイント

一方Inc.は、人事採用担当の視点から見た7つのポイントをまとめています。

1. フォーマットがひどい

レジュメの3分の1が身体的特徴などに割かれている。書体も最悪。

2. 志望動機が限定的

「システムアナリストかシステムプログラマー」志望とあり、採用側はおろか本人にも本当のポテンシャルが見えていない。

3. 年棒が書かれている

年棒1万2000ドルは今の物価に直すと7万2000ドル(約985万円)で、大学1年の給与としては破格です。それ以上のオファーを引き出せればいいけど、高すぎると採用見送りになる可能性のほうが高そう。

4. XYZフォーミュラは完全無視

Googleの採用担当は「Accomplished[X]as measured by[Y], by doing[Z]」というXYZのフォーマットに則さないレジュメは選考からはじくことで有名。ゲイツ青年はそんな書き方は一切していません。Googleが生まれる前のものだからっていうのもあるけど、本当の資質は文章だけじゃわからないよね…。

5. 1ページで十分

これだけはゲイツの履歴書は短いところがいいって褒められていました。

6. 肝心なところが書かれてない

学校のスケジューリングプログラムをハックしたことや1万ドルで売ったことなんかは省かれています。

7. レジュメ送付は人材会社まかせ

履歴書は自分で直接提出するのではなく、人材会社が送付を代行していた。当時は郵送。

こうして見てくると、自分もビル・ゲイツ雇える気が全然しません…。

執筆:satomi/Sources: LinkedIn via Inc., Fortune

ギズモード・ジャパンより転載(2022.7.27公開記事)