もし、「あなたの強みはなんですか?」と問われたとしても、「私の強みは〜です」と、すぐに答えられる方は意外と少ないのではないでしょうか?

弱みはすぐに思い浮かぶかもしれませんが、対する強みは、なかなか自覚しづらいものでもあるからです。

あなたの弱みは一瞬で強みになる!』(権藤優希 著、きずな出版)の著者も、かつては同じだったようです。しかしそんななか、あるときひとつの契機が訪れたのだとか。弱みがたくさんあることを自身にとってのメンターに告げた結果、次のようにいわれたというのです。

「弱みがいっぱいあるってことは、強みをいっぱい持っているんだ。君はまだそのことに気づいていないけどね!」(「はじめに」より)

そして、ここから少しずつ考え方が変わっていったのだそう。

現在は、「(当時の自分のように)自分の強みがわからない、あるいは強みを見つけようとすると、弱みばかりが目についてしまうとしても、それでいい」のだと断言していますが、それは自身の経験に基づいた考え方だということです。

そんな著者は、メンターからの教えや、認知行動療法の手法を用いることによって、「自分の強みと、それを活かす方法」を知ることができたのだそうです。つまり本書では、誰にでも無理なく実践できるように、その手法を伝えているのです。

きょうは、そんな本書の第3章「弱みを強みに変える『すごい変換リスト』のなかから、考え方を変換させるための発想法をいくつか抜き出してみたいと思います。

取り柄がないと感じているなら

取り柄がない→オールラウンダー

(54ページより)

「自分には特段に優れているところがない」と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、著者によればそれは「なんでも器用にこなせている」ということ。なんでもできる以上は、特別得意なことがないと捉えることもできるからです。

自分はこのくらい当たり前だと思っていても、まわりからすると、それは「なかなか容易にできることではないことを、たやすくできてしまっている状態」かもしれないのです。

つまり、なんでも器用にこなせる人は多領域において、どんなことでも成功できる可能性を秘めている優秀な人材であると考えられるわけです。(54ページより)

優柔不断は武器になる

優柔不断→視野が広い

(56ページより)

優柔不断とは、「気が弱く、決断力に乏しいこと」を指します。しかし「優柔」には「もの柔らかい」という意味合いもあるため、そういう意味では「柔軟にいろいろな角度から物事を考えることができる」と捉えることもできるのではないか。また、「不断」にも「途絶えないで続くこと」という意味合いがあるので、つまりはあれこれと比較し続けることができる人だとも解釈できる。

著者はこのように述べています。

優柔不断な人は、いろいろ比較検討した結果、うまくいった経験がある。だからこそ決断を急がずに、じっくり、さまざまな角度から物事を考えることができる。したがって視野が広い人であるという考え方です。(56ページより)

流されやすい人の強み

流されやすい→共感力が強い

(58ページより)

流されやすいとは、「事態や方針がすぐ変わる様子」のこと。自分の意見がコロコロ変わるため、一貫していないように見えるわけです。しかし著者いわく、それは周囲への関心が強く、相手に関心がある証拠。

「なぜ、このような考えに至ったのだろう?」

「どのような状況や心理状態だったのだろう?」

と、相手の深いところまで察することができるのです。相手の感情に共感できるからこそ、どんな人とも友好的に付き合える器用な人といえます。(59ページより)

そういう意味では、流されやすい人は理解する力が人一倍強く、人に好かれやすい性質を持っているといえそうです。(58ページより)

成功者の多くは臆病である

臆病→慎重

(66ページより)

一般的に臆病とは、ちょっとしたことを恐れることを意味します。しかし著者は、「成功者はビビリな人が多い」と指摘してもいます。

経営者は、誰よりも臆病な目で世界を見つめ、あらゆるリスクを想定して事前に手を打つことをつねに考えています。

臆病なリーダーだからこそ、組織を継続的に発展・存続させることができるのです。

大事なことは、「ビビったからやらない」のか、「ビビったけどやる」かの違いです。成功者は、ビビったあとに、やるのです。(67ページより)

そのため、「臆病という様子見の姿勢と、注意深くて冷静な手堅い確かな行動は、リーダーに必要な要素」であると著者はいうのです。(66ページより)

自覚することは難しいかもしれないけれど、どんな人にも強みはあるもの。ただし重要なポイントは、強みの見つけ方にはコツがあるということ。そのコツを明かした本書を活用すれば、弱みを強みへと転化できるようになるかもしれません。

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Source: きずな出版