自分の内側で「そんなことできっこないよ」としつこくつぶやく悲観的な声を聞いたことはありませんか。
そこまで否定的でないにしても、取り組んでいるタスクが退屈すぎて最後まで集中力を保てないことってありますよね。
子どもが、さまざまな障害を乗り越えてタスクを続けられるようにするためのアドバイスが、実は誰もが求めていたことなのかもしれません。
自分を二人称で呼んでみる
Greater Good Magazineのサイトに投稿されたあるビデオは、自分を「君(You)」と二人称で呼び、励ましの言葉をかけることを子どもに教えると、子どもは自力でモチベーションを高めていけるようになるとして、そのやり方を示しています。
自分を頑張り屋のキャラクターやお気に入りのスーパーヒーローに見立てて語りかけることができる子どもは、それができない子どもより根気強く物事に取り組んでいけることを実証する研究があります。
これができる子どもは、できない子どもと比べて、目標に集中して、目の前の誘惑に抵抗し、ネガティブな感情と折り合いをつけることが上手です。また、自分をコントロールできる子どもは、自己肯定感が強く、人間関係も学業もうまくいきます。
お気に入りのキャラクターやスーパーヒーローを実際に具現化する必要があるかどうかはわかりません(やってみて効果があったら何よりです)。
しかし、自分を有能な人間に設定して語りかけていると、自己不信や集中力の欠如がいつのまにか自信と決断力に変わっているはずです。
具体的な例を挙げましょう。
「私はその締切には絶対間に合わない」が「君はいつだって締切を守っているじゃないか」になります。
「私はこれをする時間が無い」が「君は有能だから何とかできるはずだよ」になります。
「僕はきっとステージでとんでもないヘマをすると思う」が「君は人生で最高のスピーチをするよ」になります。
大切なのは、自分との距離を保つこと
Greater Goodは、第三者の視点になること、つまり「自分と心理的に距離を取ること」で、子どもは困難な課題に対峙する態勢を整えやすくなると言います。
自分を第三者とみなしてその存在に「ルーク」や「レイア」など自分とは違う名前をつけて語りかけたり、「私」でなく「君」を主語にして自分に話しかける習慣を身に着けた年齢の高い子どもは、ストレスフルな状況でも自分の思考、感情、行動をうまく処理していけます。
ところで、私は「彼らができるなら、君だってできるよ」と自分に語りかけていますが、読者のみなさんもこの場合の「君」だと思っていますよ。
――2019年8月27日の記事を再編集のうえ、再掲しています。