人間には何でも分類したくなる性質があるようで、人の性質まで良し悪しで分類してしまいがちです。

たとえば、親切や謙虚は「善」に、怠惰や悲観的な性質は「悪」に分類されます。

でも、物事はそう単純ではありません。一般にとされがちな性質も、見方を変えれば、案外役に立つことがあります

目次

1. 整理整頓ができない→「クリエイティブ」

2. 自己中心的→「自分の時間を大切にしている」

3. 自我が強い→「自己肯定感が高い」

4. 内気→「観察力があり聞き上手」

5. 気が散りやすい→「型に囚われない思考がある」

6. 皮肉っぽい→「合理的」

7. 神経質→「成功に一番近い」

8. 傷つきやすい→「批判に目を向けられる」

9. 悲観主義→「リスクヘッジが得意」

10. 怠惰→「プロセスの自動化が得意」

1. 整理整頓ができない→「クリエイティブ」

Image: Ferenc Horvath/Unsplash
Image: Ferenc Horvath/Unsplash

多少散らかすぐらいなら大した欠点とは言えませんが、整理整頓がヘタだとなぜか生産性が低い人間だとみなされがちです

でも、それはまったくの誤解です

実際には、デスクが散らかっている人のほうが、クリエイティブでリスクを取れる傾向があります。散らかしているうちにひらめきを得られるのかもしれません。

汚いバナナの皮をその辺に放置していない限り、構わないのではないでしょうか。

2. 自己中心的→「自分の時間を大切にしている」

Image: Stephan Ridgway/Flickr
Image: Stephan Ridgway/Flickr

自分のことしか考えず、他人の気持ちを優先しないことはもちろん良くありません。

でも、まったく自分というものを持たないと、それはそれで問題があります。

もう少し自分を中心に物事を考えて「NO」と言えるようになったほうが良いのかもしれません(ただし、人を不快にしないやり方にしましょう)。

他人を喜ばせることばかり考えていると、ストレスが増えて、本当に大切なことをする貴重な時間を奪われてしまいます

ですから、「NO」と言うことも選択肢にいれてください。古すぎるメールは返信せずに、この際削除してしまいましょう。

それから、セルフケアを大事にしてください。まず自分のケアをしっかりしてこそ、他人を助けることができるのです。

3. 自我が強い→「自己肯定感が高い」

Image: Kelly Sikkema/Unsplash
Image: Kelly Sikkema/Unsplash

自我が強いのは良くないと思われがちですが、自我の表し方によります。

傲慢は明らかに悪です。傲慢な人は、自分を上に見せるために他人を貶めるからです

一方で、自分に自信を持ち、自分に満足するのは善です。仕事で積極的になり、恋愛のパートナーを見つけやすくなるなど、他人を貶めることなく、幸福になれます。

ですから自分に自信を持ちましょう。傲慢にならない程度に自己肯定感が高いのは良いことです。

4. 内気→「観察力があり聞き上手」

Image: Tristan Billet/Unsplash
Image: Tristan Billet/Unsplash

引っ込み思案は欠点だと思う人が多すぎます。

もちろん、引っ込み思案も度が過ぎるとチャンスを逃してしまう可能性がありますが、内気な人には内気な人なりの長所があります

外交的な人より内省的で観察力があり、聞き上手な人が多いのが特徴です。

引っ込み思案を克服すると、もっと外交的になれますが、既に持っている長所も過小評価しないでください(内気と内向性は違います)。

5. 気が散りやすい→「型に囚われない思考がある」

Image: Hudson Hintze/Unsplash
Image: Hudson Hintze/Unsplash

「あ、見て! リスがいる!」というふうに気が散りやすいと仕事に集中しにくくなります。でも、クリエイティブな度合いは高くなりそうです。

1つのことに集中していない時は、幅広く情報をキャッチできるので、固定観念から飛び出して思考できます。集中することも気が散ることも生きていくうえでは必要なことです。

どちらか片方が欠けるとあらゆる種類の可能性が閉ざされてしまうかもしれません。

6. 皮肉っぽい→「合理的」

Image: Julie Johnson/Unsplash
Image: Julie Johnson/Unsplash

「シニカルな人」と「人を小ばかにしている奴」は違います。現に多くの人が、世の中に対してもっとシニカルになってもいいと思っています。

物事に対する感情的な執着を解放すると、もっと合理的になれますし、懐疑的になると、詐欺にあわずにすみます

不愉快なレベルまで皮肉っぽいのは良くありませんが、そうでない限りは何でも多少疑ってかかるほうが大いに身を助けます。

7. 神経質→「成功に一番近い」

Image: M.T ElGassier/Unsplash
Image: M.T ElGassier/Unsplash

『American Psychologist』よれば、神経質とは「脅威、フラストレーション、喪失に対してネガティブな感情で反応する傾向」であり、健康に悪影響を与える可能性があります。

しかし、こうした不安に対して、バランスを取ることを注意深く意識しながらポジティブな態度で反応することが可能だとする研究もあります

また、注意深さ成功した人々に共通する最も重要な性質です。ですから、上手に活用しましょう。

8. 傷つきやすい→「批判に目を向けられる」

Image: Regan Vercruysse/Flickr
Image: Regan Vercruysse/Flickr

批判を受け入れるのは辛いことです。

ですから、批判や非難に対して鈍感になるべきだと言われています。その通りです。でも、それも程度の問題です。

批判を完全に無視すると、進歩できません。

批判を拒絶できるようになるのではなくて、人格攻撃と受け取らずに批判を受け入れて、成長の糧にしましょう。

ただし、過剰に傷つかないように気をつけてください。

9. 悲観主義→「リスクヘッジが得意」

Image: Joseph Greve/Unsplash
Image: Joseph Greve/Unsplash

いつも不機嫌で文句ばかり言っている人を好きな人はいませんが、健全なレベルで悲観的なところがあるのは良いことです。

物事がうまくいかない可能性を考えられると、それに備えたプランを立てることができますし、最悪の事態を回避できるかもしれません。

目標達成にも一役かいそうです。古代ストア派は、悲観的だと、悪いことが起こった時折り合いをつけやすくなるとさえ思っていました。

運命論者でない限り、多少のネガティブ・シンキングは役に立ちます。

10. 怠惰→「プロセスの自動化が得意」

真面目な働き者と怠け者で仕事をしない人の比率は10対1ぐらいでしょうか。

でも、怠け者はコツコツ働く代わりにプロセスを自動化する方法を見つけます。怠惰は創意工夫のもとになります(正しく使えばですが)。

怠惰な人は、好きな仕事を見つけて先延ばしはしません。

それに、怠惰だと効率が良くなります(要するに、ライフハックの究極のモチベーションです)。

でも、怠惰に負けると、一生ベッドから出られなくなるので気をつけてください。

──2019年8月9日の記事を再編集のうえ、再掲しています。

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訳:春野ユリ/Source: NCBI, YouTube