言うまでもなく、水を飲むことはとても重要です。

毎日飲むべき水の量を決める方法や、適量の水を飲む習慣を維持する工夫については、これまで多くの記事が書かれてきました。

しかし、意外にも、水を飲み過ぎると健康を害することがあります。今日は、水中毒についてご説明します。

水中毒の症状とは?

Dan Brennan博士が水中毒についてWebMDに寄稿していますが、それによると、水を飲み過ぎて細胞内に水が溜まり過ぎると、細胞が膨らみ、脳細胞が脳内を圧迫。

そのせいで、精神の混乱、眠気、あるいは頭痛が生じることがあります。

これが水中毒です。その状態が続くと、高血圧や低心拍数の原因に。

過度の水分補給により体内のナトリウムが影響を受け、低ナトリウム血症と呼ばれる状態になることがあります。

血液中のナトリウム濃度が異常に低くなると、吐き気、嘔吐、頭痛、錯乱、活力低下、イライラや落ち着きのなさ、筋力低下やけいれん、さらには発作や昏睡状態になることもあり、重症になると死亡することもあります。

水を飲み過ぎていないか判断する方法

WebMDは尿の色に注意すべきとしています。これでは主観的で、わかりにくいかもしれませんね。また、通説に反して、尿の色は、現在体内にあるものでなく、身体が捨てようとしているものを反映していることに留意しましょう。

排尿の回数は日に平均6~8回程度ですが、水やコーヒーをよく飲む人なら10回ぐらいまであるかもしれません。記録を取って、それ以上の回数になっていないか注意しましょう。

吐き気や倦怠感などの症状は脱水症状と似ていることがありますが、それに惑わされてさらに水を飲んではいけません。

手足や唇から血の気が引いていないか見てください。水分過剰になると、手足や唇が腫れたり変色したりすることがあります。

1日に飲むべき水の適量は?

Journal of Clinical Pathologyに掲載された研究の対象となったあるケースでは、64歳の女性が亡くなる前夜にコップで30~40杯の水を飲んだと推定されています。これはずいぶん大量の水ですが、本当に必要な水の量はかなり主観的で、体質や住んでいる場所の気候、性別、運動量などに基づいて決まります。

2019年に、ある医師が米Lifehackerに語ったところによると、1日に摂取すべき水分量は、女性は2リットル(または9カップ)強、男性は3リットル(または13カップ)とのこと。

ただし、運動している場合、暑い気候や乾燥した気候の土地にいる場合、利尿剤(カフェイン入り飲料など)をたくさん摂取している場合、より多くの水分摂取を必要とする薬を飲んでいる場合は、さらに多くの水を飲む必要があります。

幸い、喉が渇くと身体がそれを教えてくれるので、身体の声に耳を傾けましょう。WebMD は、「身体が水を必要としているときを意識する」ことを推奨しています。

毎日、自分で決めた水分消費量を達成しようとしても、おそらく害にはならないでしょうが、むしろマインドフルな水の飲み方を実践して、喉の渇きを感じたら一度に大量の水を飲むのではなくて、少しずつ飲むようにしましょう。

Source: Journal of Clinical Pathology