株式市場は、相場が下落して不景気になったかと思うと、今度は上昇して好景気になり、その後また下落するというパターンが繰り返されます。
しかし、ここ1年ほどは、少しでも市場に注意を払っていれば、全体的には下降トレンドであることがわかるはずです。
そして、一般的には投資口座の残高を見るのに適した時期ではありません。
株式市場を測る主要な指標の1つであるS&P 500は、6月に弱気相場に入りましたが、それからダウ平均株価とナスダック総合株価の上昇に伴い、最近は回復しているようです。この記事の執筆時点で、同指数は先月の安値から10%上昇しています。
一部のアナリストは、残念ながら相場はまだ底を打っておらず、このようなわずかな希望の光は、短期間の上昇で一部の買い手を引きつけても、すぐに軌道修正される「弱気相場中の短期的反転」にすぎないと考えているようです。
では、短期的反転が回復に転じるタイミングや弱気相場が終わるタイミングをどうやって把握すればいいのでしょうか。
弱気相場の終わりを見極める方法とは
結論を言ってしまえば、弱気相場の終わりや上昇トレンドが続くかどうか予測する決定的な方法は、残念ながらありません。
コロラド州にあるAnthroFi Wealth Groupの創設者で公認ファイナンシャルプランナーのMatt Grayさんは、このように語ります。
市場のタイミングを計ろうとするのは愚かな行為で、弱気相場がいつ終わるか見極めるのは信じられないぐらい難しいのです。
平均以上の取引件数や好調な市況など、人々にまた株を買いたいと思わせる兆候は弱気相場が終わる可能性を示してはいても、買い手の心理は大きく変動することがあります。
長期的な上昇は多くの場合、金利や規制の変更など、政策や制度の変更を必要とします。一方、短期的な上昇はニュースや消費者感情の変動によって生じやすいのです。
また、この場合の上昇は相対的なものであることを認識しなければなりません。1日だけ、あるいは1時間だけ急騰すると、デイトレーダーにとっては朗報かもしれませんが、長期的な投資には無意味なのです。
弱気相場のときこそ株を買うチャンスかも
「弱気相場」とは厳密には、株式などの証券価格が直近の高値から20%以上、下落した相場のことです。またより広い意味では、投資家が不安になるほど市場が下落した状態を指します。
弱気相場は数週間から数カ月続くこともあれば、数年から数十年続くことも。周期が短いと循環的弱気相場、長いと長期的弱気相場になります。
これに対し強気相場とは長期にわたり相場が上昇する状態で、この場合の定義も相場が前回の安値から20%以上、上昇することです。強気相場は、数カ月あるいは数年続くこともあります。
最後に、Grayさんはこのようにアドバイスしてくれました。
弱気相場は通常、景気が良くなる前に終わるので、これほど状況が悪く見えるのに、なぜ市場は上り調子なのかと混乱することがあります。
また、弱気相場は結局のところ短命であり、そのときこそ株を買う機会です。
Source: Money, Yahoo!finance(1,2), investopedia, AnthroFi Wealth Group, The Nest