今年のモノの値段の値上がりは半端ではありません。食パンなどは小麦粉価格の高騰の影響を受け、一年に 2回の値上げが行なわれます。コンビニの菓子パンなどもよくみると、新商品のほとんどは数十円高いお値段となっています。

iPhoneが19%値上げされたと7月1日に話題になりましたが、これは円安の影響です。急激に進む円安に見合った価格改定を行なったところ、日本円では大幅値上げとなってしまったわけです。

目次

物価高! だからこそ「0.5%のポイント」を逃したくない

1. 2022年、ポイ活は「4重取り」「5重取り」の世界へ

2. 還元率アップ! 意識的に「経済圏」に集中させる

3. 期間限定プロモーションは徹底的に使い倒す

4. 今すぐ使わないポイントは運用して増やすのはありか?

まとめ:ポイントは「次回以降の割引」ちゃんと使って意味がある

物価高! だからこそ「0.5%のポイント」を逃したくない

農産物や資源価格の高騰と円安の進行はダブルパンチとなって値上げにつながっています。そうなると、見逃せなくなってきたのがポイントです。

今までは「たった0.5%でしょ」とカード提示をさぼっていたものも、そもそもの値段が5%上がっているとしたら、無視できません。もらえるポイントをしっかりもらっておくことで値上がりの影響を軽くできるからです。

さて、2022年のポイント最新事情をチェックしてみましょう。

1. 2022年、ポイ活は「4重取り」「5重取り」の世界へ

ポイントを貯める活動、略してポイ活は、「多重取り」が話題となります。最近では4重取りも珍しくない状態に。

  1. クレジットカード利用のポイント
  2. 電子マネー利用のポイント
  3. 三大ポイントカード提示(dポイント、Tポイント、楽天カード)
  4. ショップ独自のポイントカード提示
  5. テナントビルのポイントカード提示

これらを併用して貯めれば、ポイントの多重取りが可能になります。まずは、基本の2重取りから取り組んでみましょう。

▼クレジットカードから電子マネーにチャージして支払い

基本的な戦術は、クレジットカードから電子マネーにチャージし、利用することで2重取りに。

電子マネーに現金でチャージするくらいなら明らかにお得ですし、スマホに設定しておけばどこでもチャージを完結させられる便利もありますので、まずはこの2重取りを確実に押さえましょう。「Viewカード+モバイルSuicaで1.5%」がひとつの目安です。

▼店舗ポイントカード×三大ポイントカード併用

店舗については、店舗独自のポイントカードと三大ポイントカード、すなわち「dポイント、Tポイント、楽天ポイント」の2つを同時程度できるショップが増えてきました。ドラッグストアの多くが2枚提示に対応しています。

スマホアプリを設定しておくなどして、スムーズに2つのバーコード提示できるようにしておきましょう。仮に0.5%ずつだったとしても合計1.0%のポイントです。

▼テナントビル系ポイントカード×店舗ポイントカード併用

地味に大きいのは、テナントビルのポイントカードです。JR東日本系駅ビルであるアトレ(JREポイントカード)、ショッピングモールのららぽーとの三井ショッピングポイントカードなど、テナントビルのポイントカードは基本還元率が1.0%のことが多く、それ1枚でかなりのポイントゲットになります。

たとえば、ユニクロや眼鏡のJINSなど高額出費になる場合、単独店舗ではなくテナントビル内で買い物すればポイントがかなり手に入ります

すべてのポイントを「5重取り」するチャンスはなかなかありませんが、組み合わせ次第で4重取りできるチャンスはしばしばあります。ぜひ多重取りを極めてみてください。

2. 還元率アップ! 意識的に「経済圏」に集中させる

楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング(PayPayモール)など、それぞれのグループ会社へサービス集中を図るとポイント還元率アップになることがあり、これを「楽天経済圏」のような言い方でアドバイスされることがあります。

経済圏へ所属する基本はまず「系列クレジットカード」をつくることです。これにより還元率がアップします。

アマゾンカードでプライム会員になれば、さらに還元

Amazonの場合は、提携クレジットカードをつくるとAmazon内で買い物のポイント還元率が1.5%になります。Amazonプライムの年会費を払うと、還元率が2.0%にアップ、プライムデーなどの還元率アップの対象にもなります。アマプラの動画配信費用を払ったと考え、さらにサービスが増えると考えれば、悪くない経済圏です。

Yahoo!ショッピング・PayPayモールでの買い物

Yahoo!ショッピングPayPayモールの場合は、提携クレジットカード、PayPayを連携させることがカギです。クレジットカードで基本1.0%にYahoo!ショッピング利用1.0%、店舗ごとのポイントや5の日の4.0%などを加えるとポイント還元率は高まります。

PayPayのほうは、ソフトバンクかY!mobileの契約があれば、Yahoo!ショッピングやPayPayモールでの還元率が2.0%アップします。PayPayとYahoo!アカウントの連携でPayPayモール+2.0%も押さえておきたいところです。

楽天経済圏でのポイ活を駆使

楽天グループについては、広くサービスがあるのが特長です。楽天カードはもちろん、楽天銀行、楽天証券、楽天モバイルなど楽天系サービスを活用するたびに還元率0.5ないし1.0%ずつアップし、楽天市場でのお得度合いを高めていきます。

還元率の引き下げがとかく話題となるのも、ポイントゲッターの注目の的だということを示しています。また、野球(楽天イーグルス)とサッカー(ヴィッセル神戸)の勝利翌日のポイントアップのようなアプローチも地味にありがたいところです。

経済圏については活用をしたいところですが、割高な買い物をポイント目当てで買っては意味がありません。無理に1つに絞るのではなく、2つの経済圏には属しておいて、選択肢を残しておくほうがいいかもしれません。

3. 期間限定プロモーションは徹底的に使い倒す

ポイ活3つめのカギは、「プロモーション」です。先日開催されたAmazonプライムデーのように還元率が大幅アップするチャンスをどう利用するかがカギです。プロモーションを設定するのは以下のようなポイントです。

  • クレジットカードのプロモーション:最近だとVISAタッチ利用時に還元率アップといった利用シーンを限定したプロモーションが多い。
  • 電子マネーのプロモーション:全員20%還元のような時代は終わり、期間限定・地域限定が増えている。
  • ショップ自体のプロモーション:「本日10倍ポイントデー」のような指定日が多い。
  • ECサイトのプロモーション:楽天やAmazonなどサイト全体で盛り上げて行なうイベントやセール。
  • ショップやテナントビルのプロモーション:「金曜日還元率アップ」「7の日アップ」のようにテナントごとに工夫をこらして実施する。

ポイントを手に入れるシチュエーションのすべてに、期間限定のポイント増の可能性があります。しいて言えばクレカのポイント増は頻度は低く、それ以外のポイント付与増のチャンスについては積極的に行なわれる傾向があります。アプリのプッシュ通知などを設定し、アンテナを張っていくといいでしょう。

Amazonや楽天などのポイントアップは広く知られているところですが、ショップ、テナントビルのポイントなどもしばしばプロモーションが行なわれています。

ドラッグストア、スーパーマーケットなど、「本日5倍」「本日10倍」「週末ポイント2倍」のような案内をしていることがよくありますが、基本が0.5%のポイント還元のお店も、10倍となればかなりのポイントが貯まります。ECサイトばかりにとらわれず、実店舗の買い物にも還元率アップの可能性を探してみましょう。

電子マネーの付与増もキャッチアップ

最近ややこしいのは電子マネーの付与増です。PayPayを中心に地方自治体と連携したポイントアップなどが行なわれており、期間限定、エリア限定で実施されるため、キャッチアップが難しくなっています。しかし、同じ買い物の還元率が、新宿(新宿区)と秋葉原(千代田区)のどっちで買い物をするかで変わってくるなら見逃すわけにもいきません。

このあたり、「同じ買い物をするなら、こっちの電子マネーにしてみて」とか「今から行くなら秋葉原のほうがいいよ」とサジェストしてくれるAI機能付きアプリがあればいいのですが(どこか開発してくれませんかね)。

4. 今すぐ使わないポイントは運用して増やすのはありか?

ポイ活のトレンドの1つに、ポイント投資があります。クレジットカード会社、電子マネー発行者の多くがポイントの運用を提供しています。

ただし、ポイント運用にはそれほど大きなインパクトは出ませんので注意が必要です。毎月10万円消費し、1000ポイント(1.0%相当)をため、運用に回したとします。運用で5%増えたとしても増えたポイントは50でしかありません。最初の10万円に対する還元率アップの効果は0.05%でしかありません

世界中に分散投資を行なっている国の年金運用の今世紀の年率利回りが3.69%であり、ポイント投資の対象となる運用方法のリターンも同程度と想定すれば、「ポイントが運用で2倍になった」ということはありません。

すぐ使わないポイントを運用に回すというアイデアは悪くないのですが、むしろこのあと述べるように、ポイントをいつまでも使わないでため込むことのほうにデメリットがあるように思います。

まとめ:ポイントは「次回以降の割引」ちゃんと使って意味がある

今回は、ポイントゲットの最新事情を確認してみましたが、ポイントはあくまで「次回以降の利用につく割引」です。クーポンのように「その場の利用にすぐつく割引」とは違います。継続的な利用があってはじめて意味があるわけです。

ポイントをやたらとため込んでいる人がいますが、きちんと使ってこそのポイントです。倒産やサービス終了すれば10000ポイントあっても1円にもなりません。私はアプリのバージョンアップ時に移行に失敗し、3000ポイントをなくしたことがあります。悲しすぎます。

1ポイント以上いつでも利用できるタイプのポイントについては「398円の98円分ポイントで」のように小さく使ってしまうほうがいいでしょう。

ポイントを自動利用になっているならそれもアリです。私は先日、楽天モバイルの利用料金に、自動的に楽天ポイントが使われていることに気がつきました。とりあえず設定をオフに変更したのですが、「毎月、貯まったポイントを確実に使い切る」という意味では悪くない話です。

間違っても期限切れの失効をしないように。利用頻度が低いポイントシステムの場合、最終利用日から1年を超えていて気がついたら失効していた、なんてこともあります(条件は各ポイントごとに異なる)。

貯めこんだポイントを使わなければ無意味ですから、利用頻度が低いものほど積極的に使っておきましょう。

物価上昇元年の今ほど、ポイントに注目すべき年はありません。ぜひ、賢いポイ活してみてください。

山崎俊輔

フィナンシャルウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー。夫婦で共働き、共家事、共育児しながら子どもふたりを育てている。

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Source: Yahoo! JAPAN ショッピング(1, 2), PayPayモール, PayPay, Amazon.co.jp