Apple IDを使ってMacを利用することに関して、プライバシーやセキュリティに不安を抱えていませんか?

新しいMacにサインインするのはリスクがあると考えている人のために、今回はApple IDを使うメリットがリスクをはるかに上回る理由をまとめました。

1. 設定するのが簡単になる

Macを前にした男女

Apple IDは、特定の設定を保存し、すべてのAppleデバイス間で同期するように設計されています。

Apple IDの恩恵

iCloudのキーチェーン機能で、パスワードやすべての機密情報を同期し、安全にMacに保存できる。

  • Apple IDは、「メール」、「カレンダー」、「ミュージック」など、特定のアプリのレイアウトや配置を同期できる。
  • iPhoneからMacの「連絡先」アプリに、すべての連絡先を追加できる。
  • 別のMacでApple IDを使っていた場合、スクリーンセーバーや壁紙などカスタマイズした内容を移行することもできる。

このような機能によって、Apple IDを使わずに手作業で同じことをするよりも速く、Macをカスタマイズし、使い始められるようになり、時間を大幅に節約できます。

2. iCloudとその機能にアクセスできる

iCloudの設定を開いたMacBook

iCloudは、Apple独自のユーザー向けのクラウドストレージサービスです。全ユーザーは無料で5GBの容量が使えますが、月額130円で50GB、月額400円で200GB、月額1,300円で2TBにアップグレードできます

基本的にはデータをバックアップすることがiCloudの目的ですが、「プライベートリレー」や「メールを非公開」など、他にもたくさんのセキュリティ機能があります。

「プライベートリレー」を使うと、インターネットのトラフィックを2つのサーバーに分けて送り、ユーザーのデジタルな痕跡が残りにくくなります。

最初のサーバーは、ユーザーのIPアドレスを任意抽出し、2番目のサーバーはそれを暗号化するので、第三者がユーザーのオンラインでの行動を追跡しにくくなります。

「メールを非公開」は、iCloudでランダムなメールアドレスを割り当て、自分の本当のメールアドレスを公開せずにメールを使うことができるので、オンライン上のセキュリティが向上します。

最後に、iCloudはデータの転送中や保存中に暗号化するので、途中でデータにアクセスすることもできません。また、他のAppleデバイスに認証コードを送り、二段階認証で権限を確認し、ユーザーのデバイスや情報を保護します。

ですから、セキュリティが心配でApple IDを使わないようにしている人は、考え直したほうがいいのではないでしょうか。

3. App Storeで購入したものにアクセスできる

App Storeのアイコン
Image Credit: Apple

Apple IDを使うと、App StoreにあるAppleの大量のアプリにもアクセスできます。多くのアプリは、開発者のWebサイトから直接ダウンロードすることもできますが、App Storeにしかないアプリもあります。

これで終わりではありません。Appleシリコンを搭載していれば、MacでApp StoreからiPadやiPhoneのアプリをダウンロードすることもできます。これはIntel Macではできません。Mシリーズのチップを搭載した、新しいMacだけでできることです。

4. Appleの連係機能が使える

iPhoneをMacBookのWebカメラにしているところ
Image Credit: Apple

Apple IDを使わずにMacを使うことの、もうひとつの大きなデメリットは、Appleの連係機能が使えないことです(iPhoneやiPadなど他のAppleデバイスも使っている場合は特に)。

たとえば、「Handoff」を使えば、別のAppleデバイスでやり残したタスクを、そのまま中断したところから続けることができます。また、「ユニバーサルクリップボード」のおかげで、iPhoneやiPadでコピーしたものを、Macでペーストできます。

また、「連係カメラ」を使って、iPhoneをMacの高画質Webカメラとしてシームレスに使うことができます。同じように、Apple Watchを身に着けていれば、Apple Watchを使ってMacに楽にログインできます。

iPadユーザーは、「ユニバーサルコントロール」を利用して、Macのキーボードやトラックパッドを使って、iPadを操作することができます。もしくは、「Sidecar」を使って、Macの2台目のディスプレイとしてiPadを使うこともできます。

Appleは、他にもたくさんの連携機能を提供しているので、延々と語ることができますが、このような機能はApple IDでMacにログインするだけで、すべて利用できることを覚えておいてください。

5. 「探す」機能でMacを見つける

iPhoneの「探す」アプリ画面

Macで「探す」機能の設定をしていれば、iPhoneやiPad、さらにはWindowsやAndroidでも、iCloudのサイトからMacBookを見つけることができます。

Appleの「探す」サービスは、Macの場所をマップ上で特定するのにBluetoothやWiFi、GPS機能を利用します。

「探す」アプリを使うと、近くにある場合に音を鳴らして見つけやすくしたり、近くにない場合は「紛失モード」をオンにしたり、個人情報を守るためにMacのデータを完全に消去できます。

6. 「iMessage」と「FaceTime」

iPhoneのおかで、「iMessage」と「FaceTime」は、Appleの(ほぼ世界中のと言っても過言ではないでしょう)一番人気のコミュニケーションアプリです。Apple IDでMacにログインするだけで、このコミュニケーションネットワークも利用できます。

Appleデバイスでなくても、今は「FaceTime」の通話に参加することもできますが、通話のホストになったり、リンクを生成するには、Apple IDとAppleデバイスが必要です。

Apple IDを使わずにMacで「iMessage」や「FaceTime」を使うのは、あまり意味がありません。

Apple IDを使えばMacで最高の体験ができる

Apple IDを使うことに対する唯一の反論は、自分のデータや情報が盗まれるおそれがあるというものです。しかし、Appleは企業としてセキュリティやプライバシーを最優先してきたので、この反論は的外れです。

プライバシー、セキュリティ、生産性、QOL(生活の質)など、様々なものがApple IDと結びついているので、仕事や遊びで毎日使っているMacが、Appleのサーバーに接続されていないのは、あまりにも大きな損失です。

Original Article: 6 Reasons You Should Use an Apple ID on Your New Mac by MakeUseOf