株式会社ジェーエムエーシステムズ(以下、JMAS)の早川輝さんは、入社1年目からモバイルアプリ開発のリーダーとして活躍。

探究心と好奇心を持ち、幅広い分野に目を向け試行錯誤をしながら企画と開発の視点を融合させ、ユーザーに高付加価値を提供しています。

技術を追求していきたい人にとってJMASはどのような環境なのかを語っていただきました。

テックチームの技術責任者として、常に最先端技術を考察し情報発信にも注力

2022年11月現在、JMASの事業企画部に所属する早川さんは、モバイル開発プロジェクトを共に手掛けるグループ会社の株式会社アツラエに出向し、技術責任者として活躍しています。

アツラエは、ユーザーファーストを軸に最適なデザインを提供することを強みとする企業。現在私は、Apple Watchを活用した自社製品・健康経営アプリ『Wellness Aile』シリーズの技術企画、製品開発の技術責任者を担当しています。

約10名のチームで活動しており、私はエンジニアの課題管理やスケジュール管理をしています。

この製品は、iPhoneやApple Watchと関連性が強いので、最新仕様などをすばやくキャッチアップし、それらを取り入れた機能を企画しています。

新しい機能が出る際は技術検証をし、設計やアドバイザリーをしながら、自らも手を動かしコードを書くこともあります。

リモートワークが中心となり、チーム全体の生産性を高めていけるようコミュニケーションを大切にしながら、スピード感を意識しています。

チーム内にコミュニケーションタイムや質問タイムを設けていますが、出社している時と比べて、気軽に話しかけることが難しいと感じています。

リモートワークが中心になり、個人の管理能力がより必要とされるので、できるだけ効率良く作業するためには、相手の手を止めてしまう時間が少なくなるように、確認事項には、すぐ返答するように心掛けています。

これは、お客様からの問い合わせにも同じことが言えるので、スピード感を大切にしています。

また、技術責任者としては、どのような質問にも答えられるよう新しく出たiPhoneの製品知識はすべてと言って良いほど、たたき込んでいます

実際、お客様からもApple Watchの仕様や使い方がわからないといった質問を受けるので、安心して利用してもらえるように、いつでも答えられるよう準備をしています。

まず、Appleの新製品は発表会をリアルタイムで見ながら、自分なりに考察

APIの仕様は製品発表会後に公開されますが、いち早く開発に取り入れたいという想いから、公式ドキュメントが公開される前にソースコードをダウンロードし、コードの記述内容から新しい機能を紐解いてチームメンバーに共有しています。

得た情報を整理しアウトプットすることで、知の共有もできますし、自分自身の理解をより深めていくことにも有効だと感じています。

モバイルアプリ開発のプロジェクトリーダーを経て感じたデザインの影響

2012年に新卒でJMASに入社した早川さん。

今年で入社10年目になるキャリアのなかで、関わってきたプロジェクトは多岐にわたります。そんな早川さんは1年目の後半にはすでに、モバイルアプリ開発のプロジェクトリーダーとして歩みだしていたそうです。

入社後、モバイルアプリを開発する部署に配属されましたが、わりと早い段階で開発メインではなくPLという立場で案件をリードしてきました。

先輩たちと一緒にではありますが、1年目の後半には提案、見積もりの作成も任せてもらえるようになり、モバイルアプリ開発における要件定義から運用保守までほぼすべての工程を経験しました。

当時も、上司や同僚に恵まれ、技術力の高い人が多く、いろいろと教えてもらったり、自分でモバイルアプリをつくったりもしていました。

理論上は理解できていても、実際自分がつくってみないとわからないこともあるので、お客様ともっと深いところまで会話するためにも、さまざまなモバイルアプリやウェブアプリケーションをつくって自己研鑽に励んでいました

技術への探求心が強い早川さんにとって、印象に残ったプロジェクトは、ビーコンを使った開発チームとともに、JMASにおけるビーコン活用関連サービスを拡大していったことだそう。

ビーコンを使った開発チームにアサインされ、iOS側のSDKを1人で担当したことが印象深いです。

当時は、AppleからiBeaconの技術が発表されたばかりで、世間からビーコンの技術が注目される前でしたが、私はビーコンを活用したアプリに興味があり、すでに自己研鑽の一環で作成、公開したことがあったので、ある程度仕様を理解していました。

当時、社内には仕様を知る人がほとんどおらず、唯一知る人材としてチームに貢献できたことがうれしかったです。

プロジェクトに関わり、新しい出会い、社外の人との会話のきっかけにもなった

このプロジェクトを通して、自分の人生にとって糧となるような良い出会いや機会を得られました。プロジェクトが大学病院の方の目に留まり、医療従事者の働き方や患者様の健康管理に役立つシステムを共同開発することにもつながりました。

また、コミュニケーションロボットである『Pepper』が発表された時のことです。

Pepper向けのアプリをたくさんつくったり、IoTのセンサーを腕につけスマホをコントロールする仕組みを開発したり、ロボットをスマホから動かせる機能などを研究していたところ、大手企業で働く方から『ぜひ使わせてほしい』と、声がかかったこともあります。

好奇心からいろんなことに挑戦して技術力を高めたり、周囲の人とコミュニケーションをとる会話のきっかけにもなったりしたので、ビジネス上のネットワーキングを拡大したり関係性をより良くできたという自負があります(間接的にでもビジネスにはつながっていたと思います)。

数年間のモバイルアプリやPepperの開発経験を経て感じたことは、「完成度の高いつくりより、うまい見せ方、うまい体験のさせ方」をできる方が、魅力的だということ。

さまざまな開発経験を通して、開発力も重要だが、技術力とデザイン力が融合していかなければならないと感じるようになりました。

技術力だけでは太刀打ちできない』『ユーザー体験の向上にも力を入れたい』と思っていたころ、システムやアプリの企画デザインやUX/UIを専門に考えるチームがJMAS社内でちょうど立ち上がったので、自ら手をあげて参画しました。

もともと、学生時代に『デザインの影響』についても学んでいたので学術的な知識はあり、学んできたことを活かせる良い機会に恵まれました。

そこからは開発だけではなく、UX/UIのディレクションや提案活動をしていきました。

その後、UX/UIやクリエイティブコンサルティングに特化したグループ会社のアツラエが設立され、『JMASの開発力×アツラエのデザイン力』を融合させ、システムやアプリを通じてより良い体験をユーザーに提供したいと思い、手を挙げて出向しました。

試行錯誤をしながら、型にはまらない発想と集合知で課題を解決

チームの活動量ややる気を燃え盛る炎のモチーフで表現
チームの活動量ややる気を燃え盛る炎のモチーフで表現

さまざまな経験を積んできた早川さんですが、もっとも印象に残っているプロジェクトは、『Wellness Aile』の開発プロジェクトだと語ります。

『Wellness Aile』は、Apple Watchから取得するヘルスケアデータにより従業員の健康を管理する法人向けウェルネスサポートサービスです。

個人の健康管理だけではなく、チームで連携して楽しみながら健康と向き合うことができます。

すでにさまざまな健康管理アプリはありますが、毎日測定したデータをグラフや数値で見るだけでは楽しくないし続かないと思い、『ワクワクを続ける』『もっと楽しみながら健康を管理したい』をコンセプトに企画メンバーだけでなく、開発メンバーも交えて、ユーザー目線に立って議論しました。

その結果、『Wellness Aile』を利用しているメンバーそれぞれに擬人化されたキャラクターを設定し、親しみやすさを表現しました。

また、チームの活動量ややる気は、燃え盛る炎のモチーフで表現し、ゲーム感覚で楽しめるように、体験の部分はとくにこだわり何カ月も検証をしました。

もっとも苦労したのは、サンプルデータを集めることでした。

個人の日々の活動量を正確に把握し測定するためには、普段の生活に近い状態のデータを集める必要がありました。そのため、チームメンバー全員がApple Watchを身につけて過ごしデータを集めました。

プロジェクトは、チーム全体で同じ目線に合わせることが不可欠だと語る早川さん。そのために、チームで心掛けていることとは?

開発メンバーと、製品を開発する目的や、どのように活用してほしいかといったストーリーを共有するようにしています。開発にあたっての背景を共有しているからこそ、ユーザー目線で考えることができるし、共通理解を持って進めることができます

製品の機能や仕様についてお客様に説明する際も、誰が話しても内容に相違なく伝えられるようになり、それが強みにもなると思います。

また、企画チームから言われたものを開発メンバーが言われた通りにつくるだけでは楽しくないと思い、開発メンバーであるエンジニアにも企画から積極的に参加してもらい、開発メンバーのアイデアなども取り入れながら、プロジェクトをチーム全体で進められるよう働きかけています

せっかくチームで働くのならさまざまな意見を取り入れ、効率良く議論し、『自分たちでつくり上げた!』と言えるほうがエンジニアとしても楽しいと思います。

企画側と開発側の両方の視点を融合させ、いかにユーザー体験に高い付加価値をつけられるかを考えています。そのために、出向したと思っています。

JMASなら最新技術に挑戦できる。めざすのは、“日本一のiPhoneエンジニア”

ベンダー依存がなく、お客様ごとに最適な環境を選んで提案できるのはJMASの強みだと熱く語る早川さん。

歴史がある会社なのでたくさんのノウハウがあり、社外とのパイプがとても強いです。日本や世界で有数の大手企業とのつながりがあり、新しい技術の情報が入りやすいし、さまざまな機種を試せる環境があります。

最新の情報や機種を見るだけなら簡単ですが、実機を試させてもらえるのは信頼関係があってこそだと思います。

トレンドの変化が著しい業界ですが、技術のコアな部分は変わっていないと思います。

JMASには、若手も多数いますが、ベテラン社員もたくさんいます。ベテラン社員の技術力、経験を聞けることは、やはり会社としての強みです。

ベンダー依存がなく、長年培ってきた確かな技術力と最先端の技術に関する知見を兼ね備えているからこそ、お客様の環境に合わせた最適な提案ができると感じています。

今も昔も“日本一のiPhoneエンジニア”になることを目標としている早川さん。

常に目標を設定し、達成するために何をすべきか考え、チャレンジしている──そんなチャレンジをあと押ししてくれる良い環境がJMASにはあると言います。

入社4年目から、社内一・日本一のiPhoneエンジニアになることを目標にしていました。

社内では『iPhoneとApple Watchに関しては何かあった時には、早川に聞けばわかる』と言われるような状況になりつつあるので、そこは自分の強みだと思っています。

また、社外の方からも『詳しいですね』と言われることが多く、そこから新しいビジネスの相談などにもつながります。

JMASは、目標を持ち努力する人にとってチャンスをつかみやすい会社だと思います。私がそうだったように自ら積極的に手を挙げることで、さまざまな技術やお客様と出会える良いチャンスをつかめます。

仕事以外でも好奇心からいろいろと調べ発信してきましたが、後々の仕事につながっていることも多々あるので、これからも探究心と好奇心を持ち、幅広い分野に目を向けていきます。

Image: talentbook

Source: JMAS, Wellness Aile, talentbook