ハードウェア

23万台超のHDD運用実績からぶっ壊れやすいモデルを統計的にまとめたBackblazeの「メーカー・モデル別統計データ2022年版」が公開


2022年12月31日時点で23万以上のHDDを運用しているBackblazeが、どのモデルのHDDが故障しやすいのかがわかる統計データ「メーカー・モデル別統計データ2022年版」を公開しました。

Backblaze Drive Stats for 2022
https://www.backblaze.com/blog/backblaze-drive-stats-for-2022/

2022年にBackblazeが運用したHDDの数は23万5608台で、その内訳はブートドライブとして利用されたものが4299台、データドライブとして利用されたものが23万1309台でした。データドライブとして利用された23万1309台のうち、テスト目的で使用された388台と60台未満しか運用されていないモデルのデータを除外して、BackblazeはHDDの故障率をまとめた統計データを公開しています。

2022年1月1日から同年12月31日までの1年間を通してBackblazeが運用したHDDの故障率をまとめた表が以下。調査対象となったHDDの総数は23万921台で、障害が発生したHDDの総数をHDDが何年使用されたかという数値で割った「年間故障率(AFR)」の全体平均が「1.37%」。Backblazeが運用しているHDDのモデルは全部で29種類で、Seagate製の8TBの「ST8000NM000A」のみが故障率0%でした。ただし、ST8000NM000Aの運用台数は79台のみで、ドライブの運転日数も2万2839日と他と比較して短めだった点には注意が必要です。


これに対して、Seagate製の6TB・HDDである「ST6000DX000」の平均使用期間は92.5カ月で、Backblazeが利用しているHDDの中で最も古くから利用されているモデルだそうです。このST6000DX000の2021年のAFRはわずか0.11%でしたが、2022年は0.68%に上昇しています。2022年のAFRも立派な数値ではあるものの、「8年近く運用されてきたモデルであることを考えればなおさら素晴らしい数値」とBackblazeは称賛しています。

東芝製の4TB・HDDである「MD04ABA400V」の平均使用期間は91.3カ月で、2021年のAFRが2.04%、2022年のAFRが3.13%でした。

2022年に新しく運用されるようになったモデルは、「HUH728080ALE604」「ST8000NM000A」「ST16000NM002J」「MG08ACA16TA」「WUH721816ALE6L4」の5つ。

2020年、2021年、2022年の各モデルのAFRを比較したのが以下の表。


AFRが年々上昇しているため、Backblazeはドライブサイズが故障率に影響している可能性を考慮して、10TB以下のHDDと12TB以上のHDDのAFRを比較。しかし、結果はどちらのグループも2022年にAFRがわずかに上昇しているというだけで、ドライブサイズがAFRの上昇に大きく影響しているようにはみえません。


ドライブサイズ・平均使用期間・AFRをまとめたのが以下の表。左の表からドライブの運用日数が比較的少ないもの(6TBと10TB)を除くと、右の表のようになります。右の表を見るとドライブの使用期間が長くなればなるほどAFRが上昇していることがよくわかるため、「年々AFRが上昇しているのはドライブの老朽化が最も論理的な理由のようです」とBackblaze。


以下はBackblazeが統計データを取り始めた2013年4月20日から2022年12月31日までの全期間を通した各ドライブのAFRをまとめたもの。全期間を通したAFRは2021年時点での1.40%から1.39%に低下しています。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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