2月も半ばを過ぎ、年度末に向けて忙しさに拍車がかかる日々。朝はバタバタ、デスク周りはゴチャゴチャで、心を落ち着ける時間もありません。

そんなときこそ試してみたいのが、禅の教えを取り入れた心や暮らしの「整え方」

たった10分で日常が整い、仕事も人生もうまくいく。そんなヒントの数々を曹洞宗徳雄山建功寺住職、枡野俊明さんの著書仕事も人生もうまくいく整える力 禅が教えてくれる98の養生訓』(三笠書房)から紹介します。

禅の教えは「整える力」をつけるのにもってこい

「禅の教えを生活に取り入れる」と聞くと難しく感じますが、本書で紹介されているのは、日常のなかで簡単にできるちょっとしたひと工夫。

禅の教えほど「整える力」をつけるのにふさわしいものはありません。私たち禅僧は、坐禅、読経、食事、掃除をはじめとする作務(さむ)など、日常の営みはすべて「整える力」につながる修行だと心得て、実践しています。

(『仕事も人生もうまくいく整える力 禅が教えてくれる98の養生訓』はじめに)

たとえば「身心一如(しんじんいちにょ)」という教えは、心と体はひとつであることを説いた言葉。「身」は身なりや立ち居振る舞い、所作など、体を使うことすべてを指します。その「身」にまつわることを整えれば、自然と心も整うことを教えています。

また、仏教には「三業(さんごう)を整える」という言葉があるそうです。「業」とは行為のこと。三業とは「身業(行動・振る舞い)」「口業(言葉)」「意業(心)」のことで、立ち居振る舞いや身なりがきちんとしていれば、言葉づかいが整い、おのずと心まで整うという教えです。

確かにその通り。わかっていても、忙しいときはそこまで気が回らないのは仕方がないこと。そこで、朝、昼、夜、休日にそれぞれ1つずつ、「整える」テクニックを実践してみるのはどうでしょう。

次のページ>>
朝昼夜、休日に。「整える力」の簡単な鍛え方は?
12