この記事では、これからネット証券会社で口座を開設しようと考えている方、どのネット証券に口座を開設したらよいか迷っている方に、主要ネット証券5社について6つのポイントを比較し解説します。
最後まで読めば、自分にとって最も良い条件で利用できるネット証券会社が見つかるでしょう。
ネット証券は、対面型の証券会社に比べて圧倒的に低コストであるうえサービスの利便性も高く、人気を集めています。
今回は、どのネット証券に口座開設するか迷ってしまう方に向けて、主要ネット証券5社それぞれの特徴をわかりやすくまとめ、6つのポイントで比較していきます。
目次
6つの比較ポイントをチェック
主要ネット証券を比較するポイントは、次の6つ。株式、投資信託、ポイントプログラムなど、幅広くチェックしていきます。
6つのポイントを比較していきます
ポイント1 国内株式(現物)
ポイント2 単元未満株
ポイント3 投資信託・投信積立
ポイント4 ポイントプログラム
ポイント5 系列銀行との口座連携サービス
ポイント6 iDeCo(イデコ)
1. 国内株式(現物)
国内株式(現物)は、主要ネット証券5社とも格安な手数料で取引ができます。
その中でも特に、低コストで取引できるのはSBI証券、楽天証券、松井証券、auカブコム証券の4社です。この4社は、1日の約定代金合計50万円までの取引は手数料0円となります。
※SBI証券:アクティブプラン、楽天証券:一日定額プランの場合
マネックス証券には、このような手数料無料サービスはありません。仮に1回50万円の取引をした場合は、550円(税込)の取引手数料がかかります。
国内株式(現物)の手数料を比較
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
ネット証券各社の国内株式(現物)の手数料について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
2. 単元未満株
単元未満株は、1株ずつ国内株式の取引ができるサービスです。通常の国内株式の取引は100株単位であるため、単元未満株を利用すれば少額から国内株式取引が始められます。
主要ネット証券では、楽天証券を除いた4社で単元未満株の取り扱いがあります。 単元未満株の取引手数料は、SBI証券、マネックス証券で買付手数料が無料(売却時のみ手数料が発生します)。
この2社の売却手数料と松井証券、auカブコム証券の取引手数料(買付・売却)はいずれも約定代金×0.55%(税込)です。
5万円の取引で275円(税込)の手数料がかかるため、通常の国内株式(現物)に比べると手数料自体は割高になっています。
単元未満株の手数料を比較
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
◎ | 取り扱いなし | ○ | ◎ | ○ |
3. 投資信託・投信積立
投資信託の取引では、取扱商品数、積立サービス、スマートフォンでの取引しやすさといった点が比較ポイント。
商品数は、SBI証券、楽天証券が2,600本以上と多く、松井証券、マネックス証券、auカブコム証券が1,500本前後になっています。商品数は多ければ多いほどいいわけではありませんが、数がある分選択肢は広がります。
また、投信積立サービスでは、積立頻度や引落方法のバリエーションに差がありますが、総体的にSBI証券、楽天証券、マネックス証券がほかより優れていました。
なお、スマートフォンでの取引しやすさでは、各社の取り組みに差がでました。SBI証券、楽天証券は特にスマホサイトでの利便性が高くなっています。
投資信託のサービスを比較
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
ネット証券各社の投資信託のサービスの比較について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
4. ポイントプログラム
今回調査対象のネット証券5社では、いずれもポイントプログラムが用意されています。
取引や保有などでポイントが貯まり、ポイントは投資信託の購入や各種手数料などに利用することができます。
最もポイントが貯まりやすいのは、クレジットカード決済を利用した投信積立。以前は楽天証券のみのサービスでしたが、現在はSBI証券、マネックス証券、auカブコム証券でも提供されています。
利用できるのは特定のカードに限定されるものの、積立額に応じたポイント還元が受けられるのが魅力です。
ポイント還元率は証券会社により異なり、年会費無料のクレジットカードの中ではマネックス証券(マネックスカード決済)が1.1%、auカブコム証券(au PAYカード決済)が1.0%と高く設定されています。
なお、クレジットカード決済による投信積立の上限額は各社とも月間5万円です。 その他のポイント獲得方法は各社で異なりますが、投資信託の保有残高に応じたポイント付与は5社ともに実施されています。
ポイントプログラムを比較
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
○ | ○ | △ | ◎ | ◎ |
5. 系列銀行との口座連携サービス
系列銀行との口座連携サービスとは、「ネット銀行にあるお金をそのままネット証券での取引(株式や投資信託の購入)に使用できる」もので、系列のネット証券とネット銀行間で利用できるサービスです。
口座連携サービスがあるのは、SBI証券(住信SBIネット銀行)、楽天証券(楽天銀行)、auカブコム証券(auじぶん銀行)の3社。
SBI証券の場合は、ネット銀行側で振替するひと手間が発生するので、スムーズな取引ができる点では楽天証券、auカブコム証券の方が手間が少なくなります。
さらに、口座連携サービスの利用で3社ともネット銀行の普通預金に優遇金利が適用される特典があります。このサービス内容は楽天証券、auカブコム証券がSBI証券を上回っています。
金利で比べると、楽天証券、auカブコム証券では系列銀行の優遇金利が年0.1%になるのに対し、SBI証券では住信SBIネット銀行の優遇金利は年0.01%と低めの設定となっています(いずれも税引前)。
また、楽天銀行、auじぶん銀行では普通預金すべてが優遇金利の対象になりますが、住信SBIネット銀行では普通預金から連携用の子口座であるSBIハイブリッド預金に振り替えた分のみという違いもありました。
ただし楽天銀行では年0.1%の金利が適用されるのは300万円以内で、300万円超の預金は年0.04%の金利となりますのでご注意ください。
口座連携サービスを比較
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
○ | ◎ | サービスなし | サービスなし | ◎ |
6. iDeCo(イデコ)
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は、自分で老後資金を準備するための制度。大きな税制優遇があるため、興味がある方も多いでしょう。
iDeCo(イデコ)では、金融機関によって運営管理手数料と商品ラインアップが異なります。 主要ネット証券5社(SBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券、auカブコム証券)は、いずれも運営管理手数料が無料です。
また、対象となる商品数には差があるものの、ラインアップは概ね悪くありません。
ただ、auカブコム証券のラインアップは系列の運用会社(三菱UFJ国際投信、auアセットマネジメント)の商品が多くを占めており、他社と比べると選択肢が少ないところがやや気になるため○評価としています。
iDeCo(イデコ)のサービスを比較
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
iDeCo(イデコ)のサービス比較について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
おすすめネット証券はSBI証券と楽天証券
6つのポイントを比較しましたが、主要ネット証券5社の中でおすすめするのは、SBI証券と楽天証券です。
SBI証券、楽天証券ともに、国内株式、投資信託やiDeCo(イデコ)といった商品側面だけでなく、ポイントプログラムや優遇金利といったサービス面も含め、総合的に優れていました。
どちらも口座開設は無料ですので、両社で口座開設をしてWebサイトやアプリの使いやすさを比べてみるのもよいでしょう。
SBI証券・楽天証券については、こちらの情報も参考にしてください。
2022年10月17日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。
*本記事は、Fin/d(ファインド)より提供のコンテンツを加筆変更して掲載しています。