>>Kindle unlimited、2カ月99円で読み放題キャンペーン中!

普段の私たちは、自分でも気づかないうちに脳の特定部分ばかりを使いながら生活しているーー。

そう指摘するのは、『ハーバードの研究員が教える 脳が冴える33の習慣』(川﨑康彦 著、アスコム)の著者。2003年から2008年まで、ハーバード大学医学大学院研究員として脊髄、脳について研究してきたという脳科学者です。

脳は、自分自身を守るために機能しています。危険を避けるために、過去に経験してきたことのなかから、安全なものや楽なものを選んでいるのです。

特定の部分だけを使うこと、いわば脳が「出し惜しみ」をすることは、自然な働きなのです。(「はじめに」より)

だとすれば、行動をパターン化し、同じようなアイデアだけしか思いつかないような思考回路をつくり上げてしまうことになってしまうかもしれません。脳の使い方がワンパターンになり、さまざまな可能性や違った解決法を発想できなくなるなど、自由で柔軟な発想ができなくなってしまうわけです。

しかし、脳の使い方を変えさえすれば、そういったパターン化を避けることができるのだと著者。使い方次第で、自由な発想がわき上がるようになり、脳を大きくパワーアップさせられるというのです。

ちなみにハーバードの研究員は、ワンパターン化を防ぐために以下の2点を意識して脳を使っていたのだそうです。

・ワクワクした気持ちで過ごす

・意識的に行動を変え続ける

(「はじめに」より)

どうやら、決して難しいことではないようです。このことを踏まえたうえで、きょうは第2章「『脳を使いこなせる』人が心がけていること」のなかから“話すこと”についての2つのトピックスを抜き出してみましょう。

ほめて「脳のやる気」を引き出す

これまでの経験に左右されず、素早くアウトプットするためには、それを実現するための環境づくりも必要。しかもその環境をつくる際には、人とのコミュニケーションが非常に重要な意味を持つのだそうです。

たとえばプロジェクトについて考えてみましょう。プロジェクトはその規模が大きいほど、サポートしてくれる人との良好な関係がなければ実現しづらいもの。そのため、本来は人とのつき合いがあまり得意ではないという著者にも、人づき合いをするうえで意識していることがあるのだそうです。

たとえば会議の席において、なんらかの問題についての適切な改善点を求められたとしたら、当然ながら“求められたとおりの改善点”を伝えようとしてしまうかもしれません。しかし、それだけでは人の心を動かすことはできないというのです。

改善点を話すことよりも大切なのは、まず相手のどの点がよかったかを述べること。つまり相手をほめまくり、「ポジティブフィードバック」を与えるのです。そうすることによって、相手の話を注意深く聞いていたという“共感のエネルギー”を相手に届けるわけです。

最初に、少なくとも3点はよかった点を話します。改善点を挙げるのはその後です。

よかった点を3つ褒めた後に、1点改善点をつけ加えるというように、私の場合は3対1の割合を心がけます。そうすることで、改善点だけを伝えるよりも、改善点をちゃんと聞いてもらえるのです。(71〜72ページより)

ポイントは、「褒め→改善→感謝」の順序でアプローチすることにあるようです。人は誰かからほめられると脳にリワード(報酬)が与えられるため、結果として脳が喜び、やる気が喚起されるということです。

なお、改善すべき点ばかりが目立ち、よい点を見つけるのが難しいという場合もあるかもしれません。著者はそんなとき、「プレゼンの声がよかったので聞き取りやすかった」「堂々と話す姿勢が好印象だった」など、内容よりも態度をほめるようにしているそうです。(70ページより)

脳の「認知力」がアップする声で話す

人との信頼関係を築いたり、人間関係を構築するにあたっては、相手の心に響く声を出すことはとても大切。また、声を響かせて表現することには、自分の本質を伝える手段としても重要な意味があるのだとか。

声が小さかったり、聞き取りづらかったりして、話の内容が耳に入ってこないというような経験をしたことはないでしょうか?

残念ながらそれでは、発表された内容がどれだけ素晴らしかったとしても意味がありません。つまり、届きやすい声で話すことはそれほど大切なのでしょう。

事実、声の響き方によって相手の脳の認知能力が変わることも解明されているようです。とくに講演やプレゼンなど人前で話をする際には、響きがよく厚みのある声で話すのが理想的だというのです。では、聞き取りやすい声と聞き取りにくい声はなにが違うのでしょうか?

聞きづらい声になってしまう原因の多くとしては、緊張やストレスなどから呼吸が浅くなっていることが考えられるそう。つまり、相手の脳をしっかりと刺激する声を発するためには、深い呼吸によって十分な酸素を取り入れていることが必要だということ。体に酸素を多く取り込むことができれば、脳にも酸素が十分に行き渡るため、自分の脳の働きもよくなるというのです。

そこで著者は、自身が実践している深呼吸を紹介しています。

STEP① 鼻から3秒かけて息を吸う。この時、おへその下あたりの「丹田」に空気をためるイメージで吸う。

STEP② お腹を凹ませながら、口から10〜12秒かけて息を吐き出す。この時は逆に、丹田から口の方へ流れるイメージで吐く。と同時に、空気が丹田から脳天を通り抜けるイメージで吐く。

(86ページより)

吸う時間に対して、吐く時間は約4倍を目安にするといいそうです。なぜなら、しっかり吐き出すことができれば、がんばって吸おうとしなくても自然にたくさん吸うことができるから。

この深呼吸を10セット繰り返したあとは明らかに声の通りがよくなっているというので、試してみる価値はありそうです。(84ページより)

本書で紹介している習慣を実践すれば、脳が冴えてくるはずだと著者は太鼓判を押しています。その結果、いままでとは違う考え方や、新たな視点を手に入れられるはずだとも。自由な発想によってさまざまな困難を乗り越えていくためにも、参考にしてみてはいかがでしょうか?

>>Kindle unlimited、2カ月99円で読み放題キャンペーン中!

「毎日書評」をVoicyで聞く

Source: アスコム