抽出方法によって味わいが変化し、さまざまな表情を見せてくれるコーヒー。ドリッパーにフレンチプレス、サイフォンほか、使う器具も種類豊富です。

でも、お茶を淹れるのに使う“アレ”でコーヒーを抽出したことがある人は少ないのでは。…そう、皆さんご存知の“急須”です。

もちろん、一般的な急須ではコーヒーには不向きかもしれませんが、常滑焼製の「珈琲急須」なら、コーヒー粉とお湯を入れて、3分程度で手軽にプロ級の味が楽しめるというから驚き。コーヒー抽出に特化した急須、その実力をチェックしてみました。

常滑焼の多孔質でマイルドな味わいに

Photo: 山科拓郎
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ご覧の通り、そのルックスはわりと一般的な急須といった印象です。

Photo: 山科拓郎
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しかし、フタを開けると愛知県の常滑市を中心に作られている、伝統的な常滑焼の素地となる赤茶色がお目見えします。

雑味や酸味を吸着する多孔質により、お茶の味わいをまろやかにしてくれるとされますが、これはコーヒーを入れる際も同様。酸味や渋みまで吸収して、味に変化をもたらしてくれるそうです。

同時に、ステンレスフィルターを採用しているのも大きな特長でしょう。旨味のあるコーヒーオイルはカットせずに、微細なコーヒー粉の混入を防いでくれます

Photo: 山科拓郎
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なお、今回お借りしたカラーはコバルトブルー。釉薬による艶のある色味が美しく、所有欲を満たしてくれます。

全3カラー展開で、残るマットブラックとブラックも渋い味わいで、キッチンに飾っておくだけでもサマになりそうです。

蒸らしたら3分待つだけ!

さて、肝心の抽出方法ですが、これが拍子抜けするぐらい簡単です。今回は、3杯分(約485cc)の分量に合わせて粉量は45g、お湯は570ccを用意しました。

Photo: 山科拓郎
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挽きたてのコーヒー粉を急須に入れたら150ccのお湯を注ぎ、粉全体が濡れるまで急須を揺らします。その後、蒸らしのために40秒待ちましょう。

Photo: 山科拓郎
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続いて、残ったお湯420ccを注いだら、あとは3分待つだけでOK。

特別なテクニックは不要で、感覚的にはカップ麺を作るのと同じぐらいのお手軽さですね…!

Photo: 山科拓郎
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完成したら、コーヒーカップやマグカップなどに注ぐだけ。実際に飲んでみると、たしかに雑味なくまろやかな味わいに仕上がっていると感じました。

今回使用したコーヒー豆は中深煎りで、ペーパードリップで淹れたときはもう少し苦味を感じたのですが、格段に飲みやすくなっていたから不思議です。

Photo: 山科拓郎
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しかし、苦味や雑味もコーヒーの魅力だという方もいらっしゃるはず。

その場合は、急須をくるくると回して撹拌することで、圧力によって苦味を増す“味変”ができるのも「珈琲急須」の大きな魅力でしょう。

半信半疑で試してみたのですが、飲み比べてみると撹拌後のほうが苦味が強調されているのは明白。多めに抽出しておいて、味を変えながら飲めば、コーヒー豆の特長とじっくり向き合えそうですよ。

Photo: 山科拓郎
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飲み終えたら、急須の中に水を入れて同じくくるくると回してから、ひっくり返すと内部のコーヒー粉を洗い流せます。これを数回繰り返せばキレイになるので、メンテナンスも想像以上に簡単です。

なお、極細挽きなどの細かすぎるコーヒー粉を使うとフィルターが目詰まりする原因に。日々ストレスフリーで使うために、中挽き〜中粗挽き以上の粉で抽出する必要がある点には注意が必要です。


Image: furukiyoki
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粉と水を入れて冷蔵庫にひと晩置くだけで、水出しコーヒーも抽出できる「珈琲急須」。

下記リンク先ページでは、常滑焼や「珈琲急須」の製作に関するエピソードや、特性にマッチするコーヒー粉の紹介などがご覧いただけます。

machi-yaでのプロジェクト実施期間は2023年3月31日(金)23:59:59まで。ぜひお早めに詳細をチェックしてみてくださいね。

>>コーヒーオイルの旨味をもう逃さない。1000年の伝統を持つ常滑焼|珈琲急須

Photo: 山科拓郎

Image: furukiyoki

Source: machi-ya