この記事では、ロボアドバイザーに興味がある方やこれから利用を始めようと思っている方に、ネット証券会社によるロボアドバイザーサービスについて、比較して紹介します。

最後まで読めば、各社ロボアドバイザーサービスのメリットや注意点をよく理解したうえで投資を始めることができるでしょう。

投資の商品選びや運用をサポートしてくれるロボアドバイザー。

国内のロボアドバイザーでは、WealthNavi(ウェルスナビ)やTHEO(テオ)が有名です。それ以外にもネット証券では独自のロボアドバイザーサービスが提供されています。今回は各社サービスを比較しながら紹介していきます。

目次

  1. ロボアドバイザーとは
  2. アドバイス型のロボアドバイザー比較
  3. 投資一任型のロボアドバイザー比較
  4. 各サービスで覚えておきたい注意点
  5. まとめ

ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーには2つのタイプがあります。

商品提案などで商品選びをサポートしてくれる「アドバイス型」と、商品選びから運用まですべてを任せることができる「投資一任型」です。


アドバイス型 ロボアドバイザー

いくつかの簡単な質問に答えると回答に沿った商品を提案してくれるのがアドバイス型のロボアドバイザー。

投資初心者の方でも答えやすい質問が用意されており、さらに無料のため気軽に利用することができます。

しかし、提案商品群からさらに自分で選ぶ必要や、購入後の運用は自分で行なう必要があるなど、利用するには投資に関するある程度の知識や判断力が必要となります。

投資一任型 ロボアドバイザー

投資一任型のロボアドバイザーは、商品(運用プラン)の提案だけではなく、実際の運用(商品の配分調整など)まですべて一任できるサービスです。

アドバイス型と同様にいくつかの質問に答えるだけで、簡単に始めることができます。

しかし、提案から運用までを担ってくれるため、こちらは運用のためのサービス利用料が発生します。

自分で投資を運用することに不安がある場合は、投資一任型のロボアドバイザーを利用する方が気軽に投資が始められます。

アドバイス型のロボアドバイザー比較

ネット証券が提供しているアドバイス型のロボアドバイザーは、SBI証券「SBI-ファンドロボ」楽天証券「らくらく投資」松井証券「投信工房」などがあります。

SBI証券 SBI-ファンドロボ

対象商品

提案内容

利用料

PCサイト

スマホサイト

アプリ

投資信託

個別商品

無料

×

楽天証券 らくらく投資(スマホサイト限定)

対象商品

提案内容

利用料

PCサイト

スマホサイト

アプリ

投資信託

バランス型1本

無料

×

×

松井証券 投信工房

対象商品

提案内容

利用料

PCサイト

スマホサイト

アプリ

投資信託

ポートフォリオ
※自動リバランス機能あり

無料

マネックス証券 マネックスアドバイザー

対象商品

提案内容

利用料

PCサイト

スマホサイト

アプリ

国内ETF

ポートフォリオ
(投資顧問契約)

年率0.33%(税込)

×

岡三オンライン証券 投信ロボ

対象商品

提案内容

利用料

PCサイト

スマホサイト

アプリ

投資信託

ポートフォリオ

無料

×

SBI証券のSBI-ファンドロボと岡三オンライン証券の投信ロボは、銘柄選びに特化したサポートを提供するサービスです。ユーザーの志向や希望に応じて、適した商品を探すことができる機能を備えています。

また、楽天証券のらくらく投資で提案されるのは、1本の専用バランスファンド。その1本を購入・運用できます。バランスファンドは各資産への配分比率を自動で調整してくれるため、運用のハードルも低めです。

一方で、松井証券の投信工房は機能が充実

アドバイス型ながら、自動リバランス機能という運用をサポートする機能も。この機能を活用することで、任意のタイミングで自動的にリバランス(商品の比率を運用プランに合わせて調整すること)が行われ、投資一任型に近いかたちでの運用が可能です。

年に1回など定期的にリバランスすることで、初心者でも適切な運用を目指せます。

投信工房は、PC・スマホサイトだけではなくスマホアプリも用意されており、スマホで利用しやすいというメリットもあります。

また、マネックス証券のマネックスアドバイザーは、ポートフォリオ提案のほか、積立時のリバランス機能、リバランスアラート機能など機能が充実しています。

ただし、他のアドバイス型ロボアドバイザーと比べたデメリットとしては、利用料として年率0.33%かかってしまう点や、NISAやつみたてNISAが利用できない点などがあげられます。

なお、いずれのロボアドバイザーでも商品ごとの運用コスト(信託報酬など)がかかる点を覚えておきましょう。

投資一任型のロボアドバイザー比較

つづいて、投資一任型のロボアドバイザーについてまとめました。

ネット証券では、SBI証券「SBIラップ」、楽天証券「楽ラップ」、マネックス証券「ON COMPASS」などがあります。

SBI証券 SBIラップ

対象商品

投資信託

最小投資額/積立

1万円
1万円/月から

NISA口座

×

特定口座

利用料・運用コスト

年率0.955%(税込)
投資一任手数料 年0.66% + 実質的な信託報酬の合計
(平均) 年0.295%

解約時の手数料

解約手数料、信託財産留保額はかからない

PCサイト

スマホサイト

アプリ

×

運用スタイル

相場状況に合わせてポートフォリオが変動

楽天証券 楽ラップ

対象商品

投資信託

最小投資額/積立

1万円
1万円/月から

NISA口座

×

特定口座

利用料・運用コスト

年率0.9852%(税込)
固定報酬 最大年0.715% + ファンド費用
最大年0.2702%
※固定報酬型の場合

解約時の手数料

信託財産留保額(最大で0.330%)がかかる
例:解約額30万円で990円

PCサイト

スマホサイト

アプリ

×

運用スタイル

目標ポートフォリオに沿った運用

マネックス証券 ON COMPASS

対象商品

国内ETF、海外ETF

最小投資額/積立

1,000円
1,000円/月から

NISA口座

×

特定口座

利用料・運用コスト

年率1.0075%(税込)
※利用料・運用コストの合算値/内訳は不明

解約時の手数料

解約手数料、信託財産留保額はかからない

PCサイト

スマホサイト

アプリ

×

運用スタイル

目標ポートフォリオに沿った運用

注目したい3つの比較ポイント

上記では多くの項目を比較していますが、注目したいのは「最小投資額」「利用料・運用コスト」「運用スタイル」の3つです。

ポイント1:少額から始められるか

ポイント2:利用料・運用コストが低コストか

ポイント3:どんな運用スタイルか

ポイント1:少額から始められるか

最も少額から始められるのは、1,000円からのON COMPASSです。

ON COMPASSよりはハードルが上がりますがSBIラップ、楽ラップも1万円からと、比較的少額から始めることができます。

各社ロボアドバイザーも積立サービスに対応していますので、コツコツ投資したい方は積立を利用するのがおすすめです。

ポイント2:利用料・運用コストが低コストか

利用料は、投資一任型ロボアドバイザーを利用することで発生する費用です。

SBIラップ、楽ラップ、ON COMPASSの利用料と投資信託やETFの運用コスト(信託報酬)を合わせると、いずれも年1%程度であり、大きな差はありません

一方、主要なロボアドバイザーであるWealthNavi(ウェルスナビ)では、利用料と運用コストを合わせると年1.2%程度となるので、それよりはやや低い水準になります。

楽ラップの手数料は、年1%程度の固定報酬型のほか、成功報酬併用型と2コースあります。

固定報酬型は運用成績にかかわらず一定の手数料率であるのに対して、成功報酬型は、固定費用を低くする代わりに運用益に対する成功報酬を設けています。1年間の収益率が2%を超える場合には、固定報酬型の方が手数料を抑えられます。

ポイント3:運用スタイル

楽ラップやON COMPASSは、WealthNavi(ウェルスナビ)やTheo(テオ)といったロボアドバイザーと同様に、設定する目標ポートフォリオに沿った運用が行われます。

一方、SBIラップでは目標ポートフォリオがありません。

SBIラップは、相場状況によってポートフォリオを機動的に変動させる運用スタイルで、相場の先読みに役立つマーケットデータをAIで分析し、相場に合わせて自動でリスクを調整するという仕組みです。

自分に適した運用スタイルは、過去の運用状況やバックテスト(過去のデータを用いたシミュレーション)などを参考に検討することが重要です。

その他の機能

楽ラップには「下落ショック軽減機能(TVT機能)」がついており、ほとんどの運用コースで選択することができます。

この機能は、“株式市場の値動きが大きくなり、その状況が継続すると見込まれる場合に一時的に株式の比率を引き下げ、債券の投資比率を上げることで契約資産の損失を抑えることを狙う機能”です。

またON COMPASSは、独自の金融工学を駆使したリスク管理により「下落に強い安定運用」が特徴とされています。

具体的には価格が下落する際に、下落幅の最小化を目指す独自の金融工学に基づいて分散投資によってリスクを分散させ、金融危機時などに最大下落幅を抑制する効果が期待できるとのことです。

各サービスで覚えておきたい注意点

各サービスには注意点もあります。

注意点1:SBIラップは、株式会社FOLIOとの間での投資一任契約

注意点2:楽ラップには、楽天ポイントサービスが適用されない

注意点3:ON COMPASSは、運用開始まで時間がかかる

注意点1:SBIラップは、株式会社FOLIOとの間での投資一任契約

SBIラップはSBI証券とFOLIOが共同開発したサービスのため、申し込む際には株式会社FOLIOとの間で投資一任契約を結ぶかたちになります。手続きはSBI証券のWEBサイト上で完結できます。

注意点2:楽ラップには、楽天ポイントサービスが適用されない

楽天証券は、取引で楽天ポイントが貯まったり、楽天ポイントで投資信託が買えるといったポイントサービスが充実していますが、残念ながら楽ラップには適用されません。

注意点3:ON COMPASSは、運用開始まで時間がかかる

ON COMPASSは、運用開始までの時間がかかります。投資一任契約を締結した月の翌月11日を目途に運用が開始されますので、月初に契約締結した場合、開始まで1ヵ月以上待たなければならないことになります。

まとめ

ロボアドバイザーで投資を始めるにあたっては、ネット証券ロボアドバイザーも選択肢の1つとして検討することが重要です。ネット証券を利用することで、より幅広い運用が可能になるでしょう。

松井証券の「投信工房」がおすすめ

松井証券の「投信工房」は、WealthNavi(ウェルスナビ)やTHEO(テオ)といった主要ロボアドバイザーに近いサービスをより低いコストで受けられます。また、つみたてNISAに対応している点も見逃せません。

松井証券(投信工房)をチェック

▼ロボアドバイザーについてはこちらの情報も参考にしてください

>>ロボアド WealthNavi(ウェルスナビ)とTHEO(テオ)を比較

ロボアド・投資信託・ETFを比較。初心者が運用するならどれ? | ライフハッカー・ジャパン

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▼各社アドバイス型ロボアドバイザーページへのリンク

>>楽天証券/らくらく投資

>>SBI証券/SBI-ファンドロボ

>>マネックス証券 マネックスアドバイザー

>>松井証券/投信工房

>>岡三オンライン証券/投信ロボ

▼各社投資一任型ロボアドバイザーページへのリンク

>>楽天証券/楽ラップ

>>SBI証券/SBIラップ

>>マネックス証券/ON COMPASS

2023年1月19日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。

*本記事は、Fin/d(ファインド)より提供のコンテンツを加筆変更して掲載しています。