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オフィスでは日常的に、さまざまな問題が起こります。それぞれ違う人たちが対応することもあるでしょうが、ひとりで複数の問題に取り組まざるを得ないというケースも多いはず。

また、「なんとかしよう」という動きは起こるにしても、根本的な解決がなされないままになっていることも多いかもしれません。それはなぜなのでしょうか?

この問いに対して、『会社の問題の9割は「4つの武器」で解決できる』(高松康平 著、朝日新聞出版)の著者は次のように答えています。

それは、問題解決と一口に言っても、やり方は一つではないからです。

現場で起こる問題には色々な種類があり、それぞれで考えるポイントが異なります。そのポイントを押さえずにがむしゃらに取り組んだとしても、問題を解決することは難しいのです。(「はじめに 会社ではいろいろな問題が起こる」より)

たとえば「ミスをなくすための問題解決」と「売上アップのための問題解決」は、同じようでいてじつは違うもの。

つまり目の前にある問題の種類を認識し、「これはどのように取り組むことが最適なのか」をまず選択しなければならないわけです。

とはいえ研修や本で問題解決法を学んだとしても、その学びが限定的なものであれば、その手法が適切かどうかを判断することは困難。目の前の問題を高い確率で解決するためには、それらの問題の種類に合わせて対応していく必要があるのです。

なお、ビジネスの現場では多様な問題が発生しますが、その9割は次の4つのいずれかなのだそう。

❶業務ミスやスケジュール遅れ

❷営業の売り上げ目標達成

❸事業の成長や収益性

❹新規事業の立ち上げ

(「はじめに 会社ではいろいろな問題が起こる」より)

これらの問題に対処する際に必要となる「視点」と「武器」を確認してみましょう。

1. 業務ミスやスケジュール遅れ

仕事を進めていくなかで避けられないのが、業務ミスやスケジュールの遅れ。

たとえばいい例が、メールの誤送信。「本来送るはずだった相手とは違う相手にメールを送ってしまう」というミス自体は、どちらかといえば単純なものかもしれません。しかし、それが会社の信用を失わせ、業績にも大きな影響を与えてしまうこともあるわけです。

他にも、重要な資料での誤字脱字、イベントでの備品忘れ、店舗での価格表示ミスなど、業務ミスも多種多様。いずれにしても本来すべきことができず、お客様や関係者にご迷惑をおかけしてしまうことになるのです。

著者によれば、こうした業務ミスやスケジュール遅れが1つ目の問題。そして、そうした問題を避けるために持つべきが「業務改善担当の視点」。業務ミスやスケジュール遅れが起きてしまった際に、問題(ミス)が起きた原因を探るための視点だそうです。(26ページより)

2. 営業の売り上げ目標達成

ここに含まれるのは、「昨年にくらべて売上実績が落ちてしまったので、なんとかしなければならない」、もしくは「売上実績は昨年にくらべて伸びているが、このままいくと目標を達成できない」といった問題。

これらは、おもに営業が向き合うべき問題であり、つまりは「営業の視点」。売上の問題を解決するために見なければいけない範囲は、1の問題よりも広くなるそう。自らの営業活動についてはもちろん、お客様のこと、競合のことも見なければならないわけです。

そこで重要となる武器が【構造化】です。

構造化とは、問題と原因の関係性を1枚で描くことです。

(28ページより)

売上の問題解決に取り組もうとすると、どうしても気になる点ばかりを見てしまいがち。しかし、それらは“問題を引き起こす原因のひとつ”にすぎないということを忘れるべきではありません。

「なぜ問題が起こるのか?」ということを把握するには、全体としての動きを俯瞰するために、物事を構造化して考える必要があるということ。

また、多くのお客様に買っていただくためにも、全体を俯瞰して考えることが重要。構造化して考えることで、「営業活動を好転させるためになにをすべきか」が見えてくるのです。(28ページより)

3. 事業の成長や収益性

これは、「ひとつの事業をいかに成長させるか、いかに収益性を高めるか」という問題。特定の商品・サービスの成長や収益性なども含まれるそうです。

必要となるのが【事業部長の視点】です。事業部長とは、一つの部門の責任者のことで、事業全体に責任を持ちます。問題が起きる原因が自分の担当領域にあるとは限らないため、たとえ、自分が事業部長でなくても、事業部長の視点を持つ必要があるのです。(30ページより)

事業部長の視点とは、ひとつの事業のビジネスの流れを1枚にまとめた俯瞰図のこと。ビジネスの流れに存在する共通項を知ることで、目の前で問題が起きた際に「その背景では、こういうことが起きているのではないか」と考えることが可能になるわけです。(30ページより)

4. 新規事業の立ち上げ

現実のビジネスでは、既存事業の問題解決を進めながら、新規事業に取り組むことも多くなるはず。そこで必要となるのが「新規事業部長視点」。3の視点とは異なり、新規事業を担当する事業部長の視点が求められるのです。

新規事業を創り出す際には、検討すべき要素をバランスよく考えるための視点が必要です。【誰に、どのような価値を提供し、どのようにマネタイズ(収益化)をするのか】という新規事業プランをバランスよく考えます。(32〜33ページより)

その際に武器となるのが【ストーリー】(「その事業がなぜうまくいくのか?」という理由)。そのプランを考えた時点で、「うまくいく理由」が用意されていることが重要だということです。(31ページより)

たしかに、どれもが無視することのできない問題だといえそうです。次々と起こるであろう諸問題に的確に対処していくために、本書を通じてこれら4つの問題を解決する力を身につけてみるべきかもしれません。

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Source: 朝日新聞出版