2008年に発売され、高機能シャープペンシルとして一時代を築いたのが、三菱鉛筆の「クルトガ」です。

この“一時代を築いた”というのはなんの誇張でもなく、2013年には「中高生男女の認知率が100%・所有率70%以上」(三菱鉛筆調べ)と、怪物みたいな数値を叩き出しているほど。

つまり、シャーペンを日常使いしている人たちの中では知らぬものなし! と嘘偽りなく言える製品であり、そりゃ時代ぐらい築くわ、という話でしょう。

蛇足ながら改めて説明しておくと、「クルトガ」シリーズは、芯先が紙に押しつけられるごとに、内部のクルトガエンジンと呼ばれる機構が働き、芯を約9度ずつ回転させます。

これを繰り返すことで、芯が片減りせずに常に尖ったシャープな状態をキープ。細かな字も潰れることなく、きれいに書けるのです。

しかし、この機構のために芯が紙に触れてカチャカチャとブレるなどネガティブな面もあります。筆記中の集中力を削ぐこのカチャつきが不快でクルトガから離れた人もいるほどで、これはなんとか解決してほしいところ。

芯先のブレを解決した新モデル登場

そこで紹介したいのが、先日発売された三菱鉛筆「クルトガ KSモデルこと、新スタンダードモデル(以下、KSモデル)です。もちろん、そう名乗るからには、おそらくこの製品が今後のシリーズにおけるスタンダードとなるでしょう。

見た目も従来よりずっと落ち着いた雰囲気になっており、「発売当時に使っていた中高生が、大人になったいま改めて使えるシャープ」といった印象です。

しかし、この見た目以上にインパクトが大きいのが、「KSモデル」から搭載された、カチャつきを抑制する改良型クルトガエンジンです。

試しに書いてみると、効果は歴然。これまで明らかにカチャカチャと上下動していた芯先が、ほぼ動きを感じないところまで抑えられています。

もちろんカチャつきが完全にゼロになったわけではありませんが、書いていて集中力を削がれるほどではないでしょう

新しい機構そのものは公開されていませんが、おそらくは、従来よりも少ない上下動で芯が回転できるように精度向上されているのかも。

カチャカチャが控えめなので、筆記もよりスムーズ手帳など狭い紙面に細かな字を書くのにも、ストレス少なく使えるようになっています

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芯のブレだけじゃない! 握りやすさもアップして筆記がさらに快適に
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