この記事では、海外ETFについて知りたい方のために、海外ETFのメリット・デメリットやおすすめのネット証券などを解説します。

最後まで読めば、海外ETFについて理解したうえで、投資の選択肢をさらに増やすことが出来るでしょう。

ETFは、日本ではまだ一般的ではありませんが、海外では人気が高く取引も活発です。海外のETFは日本でも購入することができます。

今回は、海外ETFについて、メリット・デメリットを中心にご紹介します。

海外ETFとは

ETFとは「Exchange Traded Funds」の略で、日本語では「上場投資信託」と呼ばれており、その名の通り、証券取引所に上場している投資信託です。

ETFは特定の指数(インデックス)に連動するように運用されている商品が多いですが、指数は複数の銘柄で構成されているため、1つのETFに投資することで分散投資ができます

また、証券取引所に上場しているので株式と同じようにリアルタイムで価格が変動し、希望の金額で売買することができることから、ETFは“投資信託と株式のいいとこどりの商品”と評されています。

海外ETFは、アメリカや中国など海外の証券取引所に上場している投資信託で、主にNYダウなど海外の代表的な指数(インデックス)への連動を目指して運用されています。

日本でもETFに対する注目度が高まってきていますが、国内のETF市場はまだまだ規模が小さく、海外ETFと比べると取引量は少ないです。

一方、海外ETFは、純資産残高(投資信託の規模)が多く、日々の出来高(取引量)も大きいメジャーな金融商品です。そのため、償還されるリスク(運用会社が運用をストップしてしまう)も小さくなります。

Image: Fin/d
Image: Fin/d

海外ETFの運用会社で有名なのは、iシェアーズブランドのブラックロック、バンガード、スパイダーブランドのステートストリートなどです。投資初心者の方でも、耳にしたことがあるのではないでしょうか。

海外ETFのメリット

海外ETFには、次のようなメリットがあります。株式と投資信託の両方のメリットを合わせ持っている点が特徴です。

メリット1. 運用コスト(信託報酬)が低い

メリット2. 少額から取引できる

メリット3. リアルタイムで取引できる

メリット4. リスク分散できる

メリット1:運用コスト(信託報酬)が低い

保有時にかかる信託報酬というコストについては、年率0.1%未満のETFもあり投資信託と比べても低めの銘柄が多くなっています。インデックス型の投資信託も低コストですが、ETFの方がさらに低めです。

通常、投資信託の信託報酬は、販売会社、運用会社、受託会社の3社に支払いますが、ETFの場合、販売会社への支払いがないという点が低コストのポイントになります。

メリット2:少額から取引できる

1株数千円程度から取引できる銘柄もあり、まとまった資金がなくても投資することができます。

メリット3:リアルタイムで取引できる

投資信託は1日1回算出される基準価額での売買のみとなりますが、ETFは株式と同じようにリアルタイムの取引価格で売買できます。金額を指定して注文する「指値注文」もできます。

メリット4:リスク分散できる

連動を目指す指数(インデックス)を構成する多くの株式や債券などに分散投資されますので、リスクを分散できます。

また、外貨(米ドルなど)で資産の一部を持つという意味でもリスク分散になります。

海外ETFの注意点

一方で、いくつか注意点もありますのでこれらを理解した上で取引しましょう。

注意点1. 売買手数料が国内ETFより高い

注意点2. 為替手数料がかかる

注意点3. 為替リスクがある

注意点4. 分配金の再投資が自動ではできない

注意点5. 積立が自動ではできない

注意点1:売買手数料が国内ETFより高い

国内ETFの売買手数料はネット証券であれば10万円購入で100円程度ですが、海外ETF(米国)の場合、SBI証券や楽天証券でも約定代金の0.495%(税込)かかりますので、10万円購入で495円かかります。

ただし、NISA口座での取引なら買付手数料が優遇される証券会社もあります。

注意点2:為替手数料がかかる

海外ETFは、外貨(米国ETFなら米ドル)で購入することになり、円を外貨に換える際の為替手数料がかかります。

ネット証券でも円→米ドルの為替手数料は1米ドルあたり25銭程度かかることが多く、1,000ドルだと250円になります。

注意点3:為替リスクがある

外貨で購入するため、購入時と売却時の為替レートの影響を受けます。円安時に買い円高時に売ると、ETF自体に利益が出ていても損失を受けることがあります。

注意点4:分配金の再投資が自動ではできない

長期投資の場合、分配金を再投資した方がより大きな利益を得られる可能性があります。

投資信託では購入時に選択すれば自動的に再投資ができますが、ETFにこの仕組みはありません。

注意点5:積立が自動ではできない

毎月定期的に購入したいというニーズも想定されますが、一般的に海外ETFを自動で積立することはできません(手動で積み立てることになります)。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券には、海外ETF(または米国ETF)の積立サービスがありますが、限られた証券会社でしか提供されていません。

海外ETFにおすすめのネット証券

海外ETFの取引ができる主要ネット証券のうち、サービスが充実しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券のサービスを見ていきます。

NISA口座・特定口座の利用は?

NISA口座、特定口座の利用は、3社とも可能です。


SBI証券

楽天証券

マネックス証券

NISA口座

特定口座

海外ETFの取扱本数は?

取扱本数を見ると、いずれのネット証券も海外ETFの多くは米国ETFです。

本数は、楽天証券、マネックス証券がやや多くなっています。


SBI証券

楽天証券

マネックス証券

米国ETF

307

360

354

中国ETF

13

22

28

シンガポールETF

7

16

0

韓国ETF

2

0

0

売買手数料(米国ETF)はどこがおトク?

米国ETFの取引には売買手数料がかかりますが、現状は3社とも同じです。

・売買手数料 約定代金の0.45%(最低手数料:0米ドル、上限手数料:20米ドル)

ただし、NISA口座での取引なら3社とも買付手数料が0円、またはキャッシュバックされますので、年間120万円までなら実質無料で取引できます。

為替手数料(米国ETF)はどこがおトク?

為替手数料は、SBI証券と楽天証券が片道25銭なのに対して、マネックス証券は買付時は0銭、売却時のみ25銭という手数料体系です。 3社とも米ドルだけではなく日本円での決済も可能ですが、決済後に円と米ドルの為替取引が行われるため、日本円で決済する場合にも為替手数料が発生する点に注意しましょう。

SBI証券の外貨即時入金サービスで為替コストが抑えられる

SBI証券では住信SBIネット銀行からの外貨入金サービスがあり、これを利用すれば為替手数料が抑えられます。

円→米ドルの為替手数料はSBI証券では1ドルあたり25銭ですが、住信SBIネット銀行では1ドルあたり6銭と低コストです。米ドルの積立なら1ドルあたり3銭とさらに低くなります。

つまり、住信SBIネット銀行で円を米ドルに換えてから米ドルをSBI証券に入金するという方法なら、為替手数料を抑えて取引をすることができます。また、住信SBIネット銀行からSBI証券への振込手数料は無料ですので余分なコストもかかりません。

最も為替手数料を抑えられる方法は、SBI証券で利用できる「SBI FX α口座からの現引」で為替手数料は1米ドルあたり0.2銭と格安です。SBI FX αは以前は1万米ドル単位でしか取引できませんでしたが、現在は1,000ドル単位でも取引できるようになっており利用しやすくなっています。

外貨の準備について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

>>「米国株式」のネット証券比較 手数料やサービスで選ぶなら?

米国株式・ETF定期買付サービス

米国株式・ETFの定期買付サービス(積立サービス)は以前はSBI証券にしかありませんでしたが、現在は楽天証券、マネックス証券でも利用できます。積立はタイミングを気にせず購入できるため、続けやすい点がメリットですね。

対象米国ETFの売買手数料優遇サービス

マネックス証券では、対象の米国ETF(ウィズダムツリーETFと新規取扱いを開始した6ヶ月以内の米国ETF)の売買手数料がキャッシュバックされる「ゼロETF」というサービスがあり、売買手数料を気にせず取引ができます。 また、SBI証券、楽天証券では対象の米国ETFの買付手数料が無料。バンガード社等の人気銘柄が対象になっていますのでチェックしてみましょう。

海外ETFの買い方

海外ETFの取引を始める際には、次のような流れで注文まで進みましょう。総合口座の他に外国株取引口座の申し込みが必要な場合もあります。

STEP 1▽

証券会社の総合口座を開設する

STEP 2▽

外国株取引口座を申し込む(楽天証券は不要)

STEP 3▽

海外ETFの銘柄を選ぶ

STEP 4▽

必要に応じて為替取引や入金をする

STEP 5▽

購入株数を決めて注文を出す

米国ETFの注文受付時間

米国ETFの取引時間は日本の深夜にあたりますが、注文できる時間は証券会社によって違いがあります。 マネックス証券以外は、一部ですが注文を出せない時間帯もありますのでご注意ください。


SBI証券

楽天証券

マネックス証券

注文時間

10:30~19:00

19:30~翌6:00

月〜金:8:00~翌6:00

※16:00~17:15は外貨決済のみ

:8:00~翌2:30、

翌3:30~翌5:00、

翌5:15〜翌6:00

:6:00~翌2:30、

翌3:30~翌5:00、

翌5:15〜翌6:00

24時間

取引時間

23:30~翌6:00

(サマータイム:22:30~翌5:00)

SBI証券と同じ

SBI証券と同じ

海外ETFも選択肢に入れてみては

“海外ETFなんてぜんぜんわからない”という方も多いかと思いますが、中身は投資信託ですし、取引の仕方は株式取引とほぼ同じですので特別なものではありません。

また、ロボアドバイザーの投資商品は海外ETFである場合もありますので、そう聞けば興味もわくのではないでしょうか。

海外ETFにおすすめのネット証券

ネット証券で海外ETFを取引するなら、SBI証券、マネックス証券がおすすめです。為替コストを抑えたいならSBI証券が良いですよ。

SBI証券マネックス証券

各社海外ETFページへのリンク

>>楽天証券

>>SBI証券

>>マネックス証券

海外ETFの手数料についてはこちらの情報も参考にしてください

>>「米国株式」のネット証券比較 手数料やサービスで選ぶなら?

2022年8月22日時点の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。

*本記事は、Fin/d(ファインド)より提供のコンテンツを加筆変更して掲載しています。