語り継がれるストーリーのように、料理のコツもまた親から子に受け継がれるもの。子どものころキッチンに下りて行った時に目に映った、素材を刻んだり、煮物をつくったり、お菓子を焼いていた親の姿。長じたあなたも同じように料理することでしょう。

ところが、これまであなたが習ってきた包丁の使い方、間違ってはいなくても、知らなかった基本がいくつかあるかもしれません

ネットで見つけたレシピを再現してみたけどいまいちと感じたことがあるなら、材料の切り方の使い分けを理解するだけでも、かなりのレベルアップが期待できます

または、料理人の世界を目指している方も、レストランで目にする芸術的で職人技の切り方もすべて基本の切り方をマスターすることからはじまるのです。

今回は、料理をするなら押さえておきたい、包丁の使い方をご紹介します

1. 輪切り

Image: Sara Borbala Balogh (Shutterstock)
Image: Sara Borbala Balogh (Shutterstock)

包丁の切れ味を保ち、指先をひっこめて切ることを習得したら、まずはじめに基本の「輪切り」をおさらいしましょう。

輪切りは、(ずれないように調理台にしっかり置いてあるまな板で上から垂直にまっすぐ下ろす切り方のことです。

力まかせに押すのではなく、一定の速度と力をかけて食材に包丁を入れます。この輪切り、カリっとしたパンを切るなら分厚めに、ハンバーガーに挟むトマトなら中くらい、リンゴチップスには極薄に、といろんな切り方があるのです。

まずはじめに(以下のいずれの切り方でも同様)、平らな面のない果物や野菜を切る時は、1つの面を少しだけ切り取って平らな面をつくり、まな板の上で転がらないようにするのがコツです。それからはじめましょう。

2. 短冊切り

Image: Nikonov Vladimir (Shutterstock)
Image: Nikonov Vladimir (Shutterstock)

輪切りの次は、「短冊切り」

短冊切りでは、素材の長い方向に沿って縦長に切ります。短冊切りは、見た目も美しく、野菜のグリル焼きでは際立つのが特徴です。

短冊切りの野菜は、木の板のように薄く、長方形に仕上げるのが理想。にんじんを切る時は、丸い端を切り捨ててから短冊切りにすると、均一で整った仕上がりになります。

見た目をそろえようとするとかなりムダが出てしまう短冊切りですが、端を切り落とさずに田舎風短冊切りにしてもOK。

ズッキーニや茄子、カリフラワーなどをグリル焼きにする時は、長さに沿って均一な厚みにスライスしましょう

3. ざく切り

Image: Pixel-Shot (Shutterstock)
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「ざく切り」にはこれといった決まりはありませんが、次に紹介する「さいの目切り」に近い切り方です。家庭料理でもっともよく使われる切り方の1つなので要チェック。

サイズは中くらいまたは小さく、均一に仕上げられるといいですが、必ずしも大きさがそろっている必要はありません。見た目という点ではそれなりですが、とても簡単な切り方です。

ハーブや野菜、果物、ナッツ類に関しては、大きなものはまず小さめに切ってからざく切りにします

切る際は、片方の手は包丁の柄を握り、もう片方の手は素材を押さえるか包丁の背に添えて力を加えて刻みましょう。指には気をつけてください。完璧でなくてもOKです。

ゆっくりと刃を下すように切りましょう。いったん切り終えたら、包丁か素材かまな板を90度回転させて、今度は垂直方向に切っていきます

4. さいの目切り

Image: JeannieR (Shutterstock)
Image: JeannieR (Shutterstock)

「さいの目切り」は、ざく切りよりは緻密な切り方です。食材をサイコロのようにきっちり仕上げるのが目的です。大中小、いろんな大きさのサイコロに。

野菜や果物は、でこぼこした箇所や丸い端を切り落としてから切ると、きれいなさいの目になるのでおすすめです。

まず板状に切って重ね、次に長さに沿って1本か2本、サイコロの大きさによって縦に切ります。素材を重ねたまま、回転させて横方向に切って、きれいなさいの目に仕上げましょう

5. みじん切り

Image: HandmadePictures (Shutterstock)
Image: HandmadePictures (Shutterstock)

正確にやってもざっくりとやっても、刻むというのは最終的に素材を細かくする作業です。きっちり刻むと、極小のさいの目に仕上がります。細い幅で刻む必要があるので、この場合鋭い刃が必要です。

均等で狭い幅になるように、平行な切り目を三方向に入れてください。にんじんをみじん切りにする場合、板状に切り、起こして長い形状に切り、回転させて90度の角度で横に切って、さいの目に仕上げます

ざっくりと刻む場合は、細いナイフか包丁を素材によって使い分けましょう。

みじん切りでは、ハーブやにんにく、シード(種実類)、ナッツ類などの細かいものを切ることが多いので、正確なさいの目に仕上げること自体に無理があります。とはいえ、ざく切りを極めるのもおもしろいでしょう。

刃にカーブのあるシェフナイフなら、刃を揺らしながら刻むことができます

まず、素材をまとめておき、利き手でないほうの手のひら上部を刃先側の背に押し当てて、まな板に固定しましょう。

素材が下にある状態で包丁の根本を軽く浮かせ、安全のため指先を軽く上にそらし、刃先の背をまな板に押しつけます。

利き手で包丁の柄を握り、刃のカーブに沿って包丁の根元側を揺らすように上下させてください。この間、刃先は固定したままで、まな板から離さないようにしましょう。

片方だけが持ち上がるシーソーのような動きです。刃の向きを少しずつずらしながら揺らすように素材を刻んで、徐々に細かくしていってください。

6. 乱切り

「乱切り」は、斜め切りとも呼ばれ、にんじんやズッキーニ、じゃがいものような長くて丸い、転がってしまうような素材に適しています

乱切りにすると、決まった厚みではなく、ばらばらな角のある仕上がりに。輪切りやざく切り、さいの目切り、みじん切りでは、少なくとも表裏が平行になりますが、乱切りでは違います。

見た目の美しさもさることながら、乱切りの良いところは、太い端と細い端のある野菜でも同じくらいの大きさに切れることです。

さらに、表面積が大きいので火が均等に早く通りやすく、ばらばらな角があるおかげで素材がフライパンの中でくっつくのを防げます

乱切りにするには、にんじんをまな板に横に置きます。いつもならにんじんに 90度の角度で包丁を構えるところを、今回は45度に構えましょう。包丁はそのまま45度に保ち、切りながらにんじんの方を回転させていきます。

一回切って、にんじんを四分の一から三分の一、回転させて切ってください。これを繰り返していきます。にんじんの細い端の方は幅広く、太い端の方は幅を細くとり、切った素材が同じような大きさになるように整えます。

これに慣れてきたら、包丁の角度や幅を調整してお好みのかたちに切ることも可能です。切り終えた素材は、いろんな向きのかわいいものに仕上がります。

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