古文書に隠された謎を解き、現地に赴いて秘宝のありかを突き止める──。

映画のようなこの活動、「トレジャーハンティング」を50年近く続け、日本各地の秘宝や埋蔵金伝説を調査してきたのがトレジャーハンターで作家の八重野充弘(やえの・みつひろ)さんです。

今年76歳を迎える八重野さんに、トレジャーハンティングをはじめるきっかけとなった「秘宝伝説」のこと、そして普段の活動内容やこれまでの探索の成果について、お話を伺いました。

トレジャーハンティングの道を歩むきっかけになった「天草の秘宝伝説」

──トレジャーハンティングとはどのような活動なのでしょうか?

簡単に言えば、宝探しをやって遊んでいるだけなんです(笑)。

文献などの資料を読み込んでターゲットについて調べ、推理をし、大まかな当たりをつけたポイントを実際に探査していく。デスクワークとフィールドワークの地道な繰り返しです。

──そもそも八重野さんは、どういった経緯でトレジャーハンティングをはじめられたんですか?

最初に宝探しに興味を持ったのは、約50年前のことです。

当時、ぼくは出版社で子ども向けの学習雑誌を担当していたのですが、会社の資料室でたまたま畠山清行さんという方が書かれた、全国各地に流布している埋蔵金伝説にまつわる本を見つけまして。

ぼくの故郷である熊本県に伝わる、天草切支丹の秘宝伝説が載っていたこともあり興味を惹かれたんです。

入社から4年後の1974年、雑誌の夏休み号のキャンプ特集で天草を訪れることになり、ついでに秘宝伝説についても取材する機会を得ました。

けれど現地の方にいくら取材しても、秘宝伝説についてはもちろん、幕末に発見された文書に書かれていたという「三角池」なる場所についても、誰も聞いたことがありませんでした。

ぼくとしてはそれで終わりだと思っていたんですが、後日、天草で高校の先生をしていた友人の兄がその話をおもしろがり、高校生たちと一緒になって探索した結果、文書に書かれた池が実際に見つかったんです。

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Image/Source: はたわらワイド