お金のことが気になるあまり、リフォームが持つもうひとつの重要な側面、生活の質(QOL)への影響は見過ごされがちです。
問題を解決するためのリフォームではなく、暮らす人の生活を向上するために行なわれるリフォームがあってもいいはず。以下では、そうしたリフォームのヒントをご紹介しましょう。
1. 自然光を取り入れる
自然光は、心にいい影響を与えます。その効果はまさに絶大です。
ところが残念なことに、外から入ってくる自然光の量を増やすどころか、減らすように設計されている家もあります。自然光を十分に浴びないと、うつ病や睡眠障害をはじめとした良からぬ影響へとつながるおそれがあります。
入ってくる自然光が増えるようリフォームすれば、室内がより明るく、より素敵になるだけでなく、心と体の健康も改善されるでしょう。
天窓や大きめの窓、開け閉めしやすいカーテンやブラインドなど、家の中に太陽光をもっと取り込む方法は多々あり、どれも、時間とお金に十分見合う効果があります。
2. 雑音を減らす
雑音は、メンタルヘルスに大きな影響を与える可能性があります。
家は、住む人がリラックスできる静かな空間であるべきです。
幸いにも、こうした雑音の多くを取り除いたり低減したりできる簡単なリフォーム方法はたくさんあります。
たとえば、戸棚の扉がそっと閉まるようになるソフトクローズ機能を取りつけるのも良いアイデアです。ちょっと大掛かりすぎるというのであれば、キャビネットバンパーを取りつけるだけでも、バタンという音がしなくなります。
ドアに取りつけても、同じ効果が得られます。
ついでに、便座もソフトクローズ式に替えれば、雑音の出所をさらにもうひとつ取り除くことができます。
3. シーリングファンを取りつける
シーリングファンには、QOLを大きく変える効果があります。しかも、暑いときも寒いときも、冷暖房費を下げられるというおまけつきです。
また、室内の空気を動かすことで、空気の全般的な質も改善してくれます。数百ドルを投資するだけで、家の住み心地を大きく改善してくれるのが、シーリングファンなのです。
4. プログラム式サーモスタットを使う
一定のタイミングで室温を上げ下げするようプログラムできるサーモスタットはたいてい、光熱費に与える効果で、その良し悪しが判断されます。ですが、別の角度から判断することも可能です。住む人のバイオリズムに合わせて室温を調節できれば、住み心地はもっとよくなります。
日中に体温が上下しやすいタイプの人や、一晩中寝汗をかく「ホットスリーパー」なら、プログラム可能なサーモスタットに十分な効果が期待できるでしょう。
5. プライバシーを確保できるフェンスや垣根を設置する
「良い垣根が、良い隣人をつくる」とは使い古されたことわざですが、これは本当です。たとえ隣人との関係が良好でも、常にそうとはかぎりません。
目隠しとなる垣根や塀を設置して、プライバシーが確保される区切られた屋外空間を作っておくことは、美観や安全性、快適さという点でメリットがあります。
垣根や塀に関して多くの人が見落としがちな点は、それらがあることで、自分の空間をコントロールできるようになることです。隣人との交流は、あなたがそうしたいと思ったときにだけおこなえばいいのです。
6. パティオやデッキに屋根をつける
屋外スペースは素晴らしいものです。屋外で過ごすことには、心身ともにいろいろなメリットがありますから。そしてその屋外スペースを、よく晴れた日にしか使っていないとしたら、もったいないことです。
屋外スペースですることはバーベキューぐらいだという場合でも、デッキやパティオに屋根をつければ、その使い道は一気に広がり、外に出て新鮮な空気を吸う時間が増えます。
7. 収納スペースをつくる
生活空間を片付けることは、うつ病を乗り越えようとしている人にとっての第一歩である場合が多いのですが、それにはもっともな理由があります。生活空間を整理整頓すると、気分が向上し、思考が明確になり、不安が和らぐのです。
整理整頓がもたらしてくれるこの至福に向かうためには、まずは、雑多なものすべてをしまっておく場所が必要になります。リフォームで収納スペースを新たにつくれば、メンタルヘルスが改善され、QOLも高くなるはずです。