「あと5万円あったら、生活が楽になるのに」といった思いを抱いている方は少なくないはず。それを実現できれば、自由に使えるお金が増えるかもしれません。

そこで、ライフコーチである『3ヶ月で自然と月5万円稼げるようになる 世界一やさしい「プチ起業」の教科書』(上野ハジメ 著、プレジデント社)の著者は、ある手段を勧めています。はたして、どのようなものなのでしょうか?

会社を作るなど、資金を集めて大きなプロジェクトを起こすのではなく、「たった一人で」「うちにいながら」「オンラインで」仕事ができる

物販や投資のように元手もかからず、時間と場所も自由。パソコンとスマホがあれば誰でもできる、知識やスキルを教えることで対価をいただく、月5万円からのお小遣い稼ぎ的な「プチ起業」です。(「はじめにーー3ヶ月で『月にあと5万円あったら』が叶う本」より)

自分では気づきにくいかもしれないけれど、人はそれぞれ得意なことや、人より少し詳しい知識などを持っているもの。

たとえば習いごとや趣味、仕事で担当してきたことなど、意外な得意分野はいろいろな場所に隠れているわけです。しかもそうした知識やスキルを必要としている人は、必ず存在するのだと著者。

したがって、パートなどで時間を切り売りするのではなく、セミナーや講座、個別セッションなど、さまざまな形でノウハウやスキルを提供するべき。そうすれば、感謝されながら報酬を受け取ることができるというわけです。

しかも何年も下積みをするのではなく、「全体像をつかむ」「それぞれのやることの『意味』を知る」「理論に沿った流れで売れる仕組みをつくる」という“準備”をすれば、プチ起業は成功するのだとか。

しかしその一方、初心者を惑わす「ウソ」も存在するようです。そこで、ここではSTEP 1「プチ起業がうまくいく考え方 vs 失敗する考え方」のなかから、プチ起業に関する「3つのウソ」を確認してみたいと思います。

ウソ1:「好きなこと」で起業すればうまくいく

「好きなことを仕事にしよう」という提案を聞くことがありますが、著者はその考え方を真正面から否定しています。「好きなこと」で起業してはいけないのだと。

たとえば、好きなお菓子の製造と販売で起業するとしましょう。しかし、お店を持つなら、場所探し、賃料の交渉、各種手続きまでを自分でやらなければなりません。他にも接客や、品物の発送作業、材料や道具、備品などの発注、お金の管理も必要。つまり現実問題として、「お菓子づくりが好き」とは無関係の仕事がたくさん待っているのです。

本来それは、誰にでも想像できることであるはず。なのに、「好きなことで起業すればうまくいく」という考え方が人を思考停止に追い込むということです。その結果、好きで起業したにもかかわらず、好きなことが嫌いになってしまうことも考えられます。

そこで私は、

『好きなこと』ではなく『今できること』で起業しましょう

とお伝えしています。

「自分ができること」と「人が求めていること」のニーズが合わさったとき、ビジネスチャンスは生まれます。

それがすでに他の人が提供しているサービスでも、まったく問題ありません。

あなただからこそ提供できるサービスは必ずありますし、あなただからこそ助けられる人は必ずいます。

そこにエネルギーと愛情を注いでいってほしいのです。(51〜52ページより)

たしかに「いまできること」なら、わざわざ準備をしたり、新たな資格を取得したりする必要がありません。業務上、苦手だからやらなければならないことがあったとしても、冷静に対処することができるでしょう。(50ページより)

ウソ2:SNSをやらないといけない

プチ起業をするときに大切なのは、自分が提供するサービスに興味があるかもしれない人となるべく多くつながることです。

そのために便利なのはSNSですが、すべてのSNSを始める必要はありません。

初めてほしいSNSはたった一つ、FacebookのみでOKです。

Facebookだけで、「月にあと5万円」は十分稼げるようになります。

むしろ、それ以外はやる必要はありません。(54ページより)

世の中にはSNSを使った起業に関する情報があふれかえっているため、プチ起業初心者はあれこれ手を出しがち。そして多くの場合、結果的にはどれも中途半端で終わってしまいます。成果が出せないので、続けるモチベーションを失って自然消滅してしまったりするわけです。

何事も初心者が心がけるべきことは「一点集中」の原則。

持てるエネルギーを一つのSNSに注ぎ込むことで、一気に成果を上げていくことが得策なのです。(51〜52ページより)

Facebookは、自分で「友達」をつくり、つながりを広めていくことが可能。フォロワーがつくのを待たなくてもいいわけです。しかも、多種多様で自由度の高い投稿ができるため、発信力を鍛えることもできます。そういう意味で、「自分」を表現するのに最適なのだと著者は述べているのです。(54ページより)

ウソ3:価格が高いと買ってくれない

プチ起業の準備を進めていくと、必ず自分のサービスに価格をつけるタイミングが訪れることになります。しかし、これがなかなか難しいもの。自分のサービスにいくらの価格をつけるべきか、悩んでしまうことになるからです。

しかも多くの場合、自分の商品やサービスを相場より安い値段で提供しようとしがち。「相場より安くしないと、お客様が来ないかもしれない」という思いがあるからです。しかし、ビジネスは自分の提供したサービスに対しての正当な対価をいただかなければ成り立たないもの。

大事なのは、「あなたからサービスを買いたい」と言ってくださるお客様を、もっと信頼することです。

そして、お客様の課題や問題を解決したり、叶えたい願望に寄り添ったりする方法を、真剣に考えることです。(56〜57ページより)

そのために大切なのは、お客様の生の声をしっかり聞き、たくさん拾っていくこと。

頭のなかだけで想像するのではなく、できるだけ多くのお客様とコミュニケーションを重ね、具体的にリサーチすること。それが、「どんな価格であっても、あなたからサービスを買いたい」といわれるプチ起業家になるための近道だというのです。(55ページより)


本書が示すとおりに進んでいけば、最低限必要なことを、最短の時間で学ぶことができると著者は断言しています。時間を有効活用しながらプチ起業を成功させるために、参考にしてみる価値はあるかもしれません。

>>Kindle unlimited、99円で2カ月読み放題キャンペーン中!

「毎日書評」をもっと読む「毎日書評」をVoicyで聞く

Source: プレジデント社