採用面接のコツとはなにか。アナウンススクール代表の松下公子さんは「面接でのやり取りを想定した『練習』を重ねてはいけない。想定外の質問に対応できないと、目も当てられない結果になってしまう」という――。
面接を受ける女性
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面接練習をしすぎてはいけない

いま、社会人の2人に1人が転職を経験する時代になっています。そして、転職に欠かせないのが採用面接です。

アナウンサーを中心とした転職コンサルを10年続けてきた筆者にも、採用面接の相談が日々届いています。先日行った就職・転職のお悩みに答えるインスタライブでは、転職志望の男性からこのような質問がありました。

「面接練習をどのようにすればいいですか? どうすれば面接で暗記していることがわからないように話せますか?」

同じような悩みを持つ転職志望者の方もいると思うのですが、筆者の回答は「面接でのやり取りを暗記するのをやめましょう」です。

多くの転職志望者が、一問一答の受け答えを暗記するために面接練習を繰り返し行ってしまいます。おそらく、何度も練習を重ねたほうが面接で上手く話せると考えているのでしょう。ですが、この考え方ではむしろ内定から遠ざかってしまいます。

暗記した質問回答は、棒読みで原稿やセリフを読んでいるような印象を与え、面接官の心に響きません。かえって「暗記してきたな」と悪い印象を与える可能性もあります。面接練習をすればするほど、「練習してきた感」が面接官に伝わってしまうのです。