ポモドーロテクニックは生産性向上メソッド界のスーパースターですが、それは「25分間集中してから、ご褒美として数分間休む」という前提が効果的で魅力的だからです。

しかし、だからといって誰にとっても完璧にうまくいくわけではありません。何でもそうですが、調整することもできます。

25分のワークセッションと5分のクールダウンという方法が上手くいかない人は、フロータイムテクニックを試してみましょう

フロータイムテクニックとは?

フロータイムテクニックは、ポモドーロテクニックをアレンジしたもので、「しばらく作業してから休む」という原理は同じです。

違いは、作業時間と休憩時間の長さを「自分で」決める点。

「フローモドーロ」と呼ばれることもありますが、これもゾーンに入ってタスクに集中し続けることが肝要で、休憩という目標によってディープワークの状態へと誘い、作業を続けられるようにする方法です。

ここで重要なのは、待ちに待った休憩時間までの間は中断せずに仕事をすることです。

ポモドーロと同様に、仕事時間は、少し仕事をしたらスマホをチェック、もう少し仕事をしたらメールをチェック…などと作業するのではなく、1つのタスクに集中して取り組みます。

重ねてですが、フロータイムが異なる唯一の点は「25分オン・5分オフ」という枠組みに頼るのではなく、作業時間を決めるのは「自分」だということです。

自分に合ったフロータイムの設定方法

ポモドーロの代わりにフロータイムを使うことのデメリットは、メリットと同じ。つまり、作業時間を自分で決めなければならないということです。

ポモドーロテクニックはシンプルで、仕事と休憩の時間がきっちり決まっていますが、自分に合ったフロータイムを設定するにはもう少し手間がかかります。実際に実行に移す前に、1週間ほどかけて考えてみる必要があるでしょう。

この試行錯誤の期間に、以下のステップを踏みましょう。

  1. あるタスクに気を散らさずに取り掛かりはじめたら、時間を計測するタイムトラッキングのソフトウェアを使ってもいいが、この場合はスプレッドシートの方がベター(詳細は以下に…)。
  2. 「落ち着かない」「気が散る」「興味を失った」と感じはじめたタイミングを書き留める。休憩をとるのが重要。
  3. タスクに戻るエネルギーが湧いてきたタイミングをメモする。
  4. 1~3をタスクが終わるまで繰り返す。

スプレッドシートでタイムトラッキングする方法

スプレッドシートには、終わらせる必要のあるタスク1個につきシートを1枚割り当てます。

列のラベルの付け方は自由ですが、下画像のようなもの(日付、開始時間、休憩時間、最終的な終了時間)が便利です。

スプレッドシートをしばらく使っていると、自分が休憩までどれくらいの時間作業に耐えられるか、エネルギーを回復して作業に戻るには時間休憩がどれくらい必要かがわかってきます。

Screenshot: ライフハッカー編集部
Screenshot: ライフハッカー編集部

自分の作業能力と好みが把握できたら、実行に移すターンです。

普段、掃除に15分間集中できるのであれば、掃除のたびにタイマーを15分にセットし、その後5分や10分など自分に合った休憩時間を設けます。必ず仕事に戻るようにしましょう。

少しずつ作業時間を長くすることにチャレンジするのもいいですが、あくまでも任意。特定の方法が上手くいっているのであれば、それが一番です。

長時間の集中力を高めたいのであれば、たとえば15分、16分、17分などと、作業のたびに1分ずつ時間を増やしていきましょう。その場合は、集中が早く途切れてしまっていないかチェックしてフロータイムを再調整できるよう、スプレッドシートを使うと便利です。


これは、ポモドーロがうまくいかない場合の安易な逃げ道にはなりません。むしろ、本当に自分に合った時間の組み合わせを見つけるためのチャレンジと言えます。

少しでも合う方法があれば、何もないよりはいいはず。

自分のニーズに合ったフロータイムを見つけ、あらかじめ決めた休憩まで中断せずに作業するという手法のパワーを活用しましょう。