コロナ禍による激変を経て多様な働き方が広がった今、あらためていい会社とはどのような会社なのでしょうか。

連載「グッドカンパニー研究 for Work & Life」では、社員の「働きやすさ」を追求する先端企業に、社員のウェルビーイングやキャリアアップにつながる多彩なアイデアをインタビュー。

それぞれのグッドカンパニーへの挑戦や、企業の成長と働く人のワーク&ライフを支援するサービスプラットフォーム「NOMURA WORK-LIFE PLUS」の活用事例を紹介します。

第3回は、PS5やNintendo Switch等の有名ゲーム開発からVR、AI、メタバース等の多種多様な最新IT開発プロジェクトに参画するなど、新進気鋭のシステムインテグレーターとして躍進する株式会社ユニコーンテクノロジーへ。CEOの廣瀬大慈さんは人事にも積極的に関わり、新たなITエンジニアを育てるための教育制度に力を入れていると話します。

「NOMURA WORK-LIFE PLUS」とは……
野村不動産がオフィスビル⼊居テナントに向けてスタートした、企業の成長と働く人のワーク&ライフを支援するサービスプラットフォーム。サテライト型シェアオフィス「 H¹T(エイチワンティー)」やフィットネスジム「メガロス」を特別プランで気軽に利用でき、コンシェルジュがチャットで仕事やプライベートの相談に応じるなど、働く人のワークとライフの両方を充実させるさまざまなサービスやリスキリングの機会を提供している。

自ら「価値」を創造できるITエンジニアを育てたい

株式会社ユニコーンテクノロジー CEO 廣瀬大慈さん
株式会社ユニコーンテクノロジー CEO 廣瀬大慈さん

──株式会社ユニコーンテクノロジーの設立は2022年4月とのことですが、すでに求人の応募が殺到しているそうですね。

廣瀬大慈さん(以下、廣瀬):ありがたいことに、この1年半弱で2000名以上の応募がありました。求人会社からは同業他社の3倍から5倍は超えていると聞いています。

これはPS5やSwitchのゲーム、AI、メタバースといった若者にキャッチーなプロジェクトを扱っていることもあるでしょうが、1つ差別化につながったのかなと思うのは、意識的にITエンジニアの「成長」を謳っていることです。

当社の場合、ITエンジニアは経験の有無よりも自主性やモチベーションを重視していて、7割は業界未経験からの採用です。

介護職員から敏腕プログラマーになった人もいますし、入社後11カ月連続でIT資格を取得し、プロジェクトマネージャーになったある社員は、以前は大学学生課の職員でした。事務員から転職してゲームプランナーになった女性もいます。

──ITエンジニアの教育制度にも注力されていると伺いました。

廣瀬:入り口は未経験でも、ゲームアプリのテスト業務やシステムの監視業務、ベテランのサポートなどで経験を積み、よりレベルの高い業務へとステップアップできるようにしています。

研修ではIT技術だけでなく、プロジェクトの進行方法やリモートワークのあり方など仕事の基本についても指導しますし、IT資格の取得費用を当社で全額負担するといった補助もあります。

ただ、自分から何もしなくても成長できるパラダイスというわけではありません。最先端のIT技術に携わる道は用意できますが、その道を歩くのは自分自身。ITエンジニアにとって、未知の課題に立ち向かい自ら解決できる「自己完結能力」は不可欠です。

自分で価値を創造できるITエンジニアを育てるということを念頭に、教育制度の充実に取り組んでいます。

社員1人ひとりが会社の縮図

──IT業界、ITエンジニアの仕事というと、長時間労働というイメージもまだありますね。

廣瀬:特にゲーム業界はそうだと思います。コロナ禍でゲームの需要が増えて、売上利益も上がっているのに、ここ数年ゲームのプログラマーやITエンジニアが増えていない。

それはやはり「激務だったり、過酷そうだったりというイメージがあるから」だと、よくゲーム業界の方から聞いています。これは業界にとって損失となるため、業界全体が改善に取り組んでいると思います。

働き方改革の流れもあって、当社でも勤務時間は明らかに減っています。

また、弊社ではいいものをつくることでお客様からの信頼をいただき、数多くのプロジェクトを受注できるようになりました。今は常時数千のプロジェクトが進行しており、1日数十件、多いときは100件以上の依頼があります。すると、お受けできるものとできないものを選ぶことになる。そのなかから、社員が働きやすいプロジェクトを選択できますよね。

私は働きやすい環境をつくるという意味でも、「社員の働き方の選択肢を広げる」ことをテーマに掲げています。技術があれば希望するプロジェクトを選べることもそうですし、リモートワークなので田舎の実家に帰って仕事をしている人もいます。扱うプロジェクトが多いので、IT技術と熱意さえあれば、ある程度は仕事が選べるというのが当社の特徴です。

株式会社ユニコーンテクノロジーの社員の9割はITエンジニアで、彼らの活躍は会社の成長に直結します。離職率が高ければ売上利益も下がりますし、社員が離れていくような会社ではお客様の信頼も得られない。社員1人ひとりが会社の縮図なわけですね。

おかげさまで会社も大きくなってきた以上、労務整備、法務整備には本当に力を入れようという方向で今動いています。まだ若い会社なので完璧とは言えませんが、そうしていきたいという気持ちは強くあります。

ワーク&ライフの選択肢の豊かさが「成長」に直結する

──業績好調を受けて、今年度は2回の賃上げと、野村不動産が運営するPMO八丁堀Ⅳにオフィスを移転したと伺いました。

廣瀬:はい、PMO八丁堀Ⅳにオフィスを移転したのは、主に研修教育スペースを充実させるためです。眺望が開けているので、お客様や採用面接に来た方にも明るい雰囲気を感じていただけるのではないかと思っています。

入居したあとに「NOMURA WORK-LIFE PLUS」のサービスがはじまり、自動的に福利厚生が増えて本当に幸運でした。

すぐに求人サイトに、(『NOMURA WORK-LIFE PLUS』に加入しているので)スポーツジムの『メガロス』を月2回無料で使えます」「ライフコンシェルジュに仕事やプライベートの相談ができます」といった情報を加えてもらいました。実際にスポーツジムに行ってサウナに入ったら体調が整って、メガロスの会員になった人もいるんですよ。

外回りをする営業部のメンバーも、サテライト型シェアオフィスの「H¹T」を無料で利用して、急遽オンライン会議をしたり、資料を印刷したりと助かっているようです。

先日は特典の1つであるクーポンを利用して、パーティ料理のケータリングを「シェフコレ」で頼み、社員の慰労会を開きました。

オフィス入居者の特典があるからにはどんどん有効活用したいですし、おもしろいプランがたくさんありますよね。

「NOMURA WORK-LIFE PLUS」のワークコンシェルジュもその1つ。当社ではITエンジニア1人ひとりに「セグメント管理営業」という担当マネージャーのような人がついて、仕事をアサインしたり、無理なく働けるようにサポートしたりしています。

今までは困りごとの相談にも乗っていたのですが、ワークコンシェルジュにバックオフィスの改善支援を依頼したり、ライフコンシェルジュに保険や子育ての相談をしたりできるようになったことで、より親身なアシストが可能になりました。

社内で解決したくてもプライベートなことなど限界があるなかで、こうしたサービスによって選択肢が広がったというのは、非常にありがたいことだと思っています。

また、今はコミュニケーションもオンラインでできる世の中ですが、IT業界にいる我々だからこそ、体を動かす、社内外の人と会って話すといったアナログの重要性を強く感じています。

今度「NOMURA WORK-LIFE PLUS」が主催する経営者交流会に参加するのですが、ITとは違う世界の方のいろいろなお話を聞くのが楽しみなんです。

いまやIT技術は、どんな仕事にも関わってくる時代。「技術を惜しみなく社会に還元する」という当社のミッションを果たすという意味でも、いい機会をつくれたらと期待しています。

株式会社ユニコーンテクノロジーという会社のコンセプトは「成長の可能性」。社員の成長を促すために、「NOMURA WORK-LIFE PLUS」も活用しながらワーク&ライフの選択肢をもっと広げていきたいですし、今後は海外の仕事も受注してグローバルな働き方ができるようにしていきたいですね。


社員の選択肢を広げることが、「成長できる環境づくり」につながると話してくれた廣瀬さん。新オフィス入居から間もないにも関わらず、「NOMURA WORK-LIFE PLUS」のサービスを積極的に活用するなどし、あらゆる選択肢を試したいというチャレンジ精神が伝わってきました。

ワークとライフの選択肢が広がれば、社員は柔軟な働き方ができ、よりクリエイティブでイノベーションのあるアイデアを生み出しやすくなります。その先に社員、ひいては自社の成長があるという視点は、さらなる高みを目指す企業にとっての鍵となると感じました。

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Source: NOMURA WORK-LIFE PLUS

文:田邉愛理 撮影:橋本越百