Webディレクターの仕事

バレットジャーナルを習慣化できたのは、たったひとつの考え方の変化だった

転職をした。11年勤めた制作会社を辞め、2月から事業会社のWebディレクターとして新たな一歩を踏み出した。

自分への就職祝いとして、指輪を買った。「なぜ指輪なのか?」と聞かれると、回答に困ってしまう。強いていうなら「気分が上がるから」とでもいったところだろうか。

肌身離さず身にまとえるもの。恒久的にそばに置いておけるもの。そういったものは、なんだか自分のことを守ってくれているような感覚になり、安心するのである。

 

肝心なのは指輪選び。

自分もいい大人なので、数千円の安価なものは持ちたくないが、だからといって高級ブランドをギラギラと見せびらかしたくはない。
シンプルなものがいいが、かといって面白みに欠けるようなものは嫌だった。洗練されている中にも、なにかちょっと遊び心のようなものがほしい。

かれこれ1週間ぐらいだろうか。あーでもないこーでもないと悩んで、迷って……そしてようやく「これだっ!」というものに出会えた。

ポール・スミスの指輪だった。装飾や模様がギラギラするわけではないが、造形自体に工夫があって、独特の存在感を放っている。

そしてそこには、目を引くものがもうひとつ。指輪には文字が刻まれていた。

Don’t count the day. Make the days count.

「日々を数えて過ごすのではなく、毎日を意義あるものにせよ」

count という言葉がもつ2つの意味を上手に使い分けた名言だった。ひとつめが「数える」という意味で使われており、もうひとつが「重要である」という意味で使われている。

起源をたどると、あの世界一有名なボクサー「モハメド・アリ」の言葉なのだという。新天地に身を置く自分にとって、これほどピッタリとハマる言葉もない。

37歳。漫然と日々を過ごしていては、あっという間に自分は “何者でもない者” になってしまう。自分の進むべき方向は見つかったのだから、あとは日々を一生懸命に生きるのだ。

毎日にフォーカスを落とすためのバレットジャーナル

2024年に入ってから、本格的にバレットジャーナルを始めるようにしている。これもひとつ「毎日を意義あるものにするため」の施策のひとつだ。

ツールはAppleの「メモ.app」を使用している。マルチデバイス対応で、手書きにも対応していて、なにより「クイックノート」という超速でメモが取れる秀逸機能が備わっている。

具体的な管理方法は、僕がライターとして活動しているオウンドメディア「paiza times」に記載したので、ぜひ参考にしてみてほしい。

過去にバレットジャーナルにチャレンジしては、何度も挫折してしまった経験がある。長続きしなかったのだ。

しかし今は、とても自然な形で生活の中に溶け込めている。その違いは、おそらく僕の考え方が変わったからだ。

バレットジャーナルは、タスク管理の手法ではない。プロジェクトを管理するには進捗状況や期限の把握が難しいし、自分のタスクの全体像が把握できない。

あくまでノート術なのだ。毎日は漫然と過ぎ去ってしまうが、DailyLogを作ることで「今日」という一日にフォーカスが当たる。毎日のはじまりに「今日はこうやって過ごすぞ」と心に決めることができるのだ。

そして、その日に起こった出来事を書き記していく。過去を過ぎたものとして流すのではなく、記録として残すことで自分の歩んだ軌跡を振り返ることができる。

これを上手に仕組み化したのがバレットジャーナル。未来〜現在〜過去をつなぐ線であり、これ自体は「タスク」や「Todo」と称される「やるべきこと」に支配されない。自由なノート術なのだ。

そういう意識を持つことができたら(そしてタスク管理は別のツールが必要なんだと諦めることができたら…)、バレットジャーナルは僕にとって不可欠なものとなったのだった。

今日を “count” せず、今日を “count” なものにしよう。指元の光に目を落とすたび、自分の背筋を伸ばすことができる。

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  • この記事を書いた人

ばんか

Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。 ITツールを日常で活かす方法を広く伝え歩くことをミッションとした「ITツールエバンジェリスト」です。AllAboutやYahooクリエイターズプログラムでも活動中。

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