トレーニングの知識を深めようと調べていくと、かえって混乱する結果になりがち。
なぜなら、あるYouTubeチャンネルで「これが正しいトレーニング方法」なのだと理解したと思っても、別のInstagramの投稿では、まったく違う方法をすすめていたりするから。
それでは…とジムに立ち寄り、トレーナーにどちらが正解なのか尋ねると、今度は「どちらの情報源も考えすぎだ。私たちの方法でトレーニングすべき」などと言われてしまうのです。
なぜ、こんなにややこしいことが起きるのでしょうか?
この記事では、考えられる理由を3つご紹介するとともに、トレーニングにまつわる混乱を乗り切るための対応策をお教えします。
前提として「最適解がたくさん存在する」ことを理解しよう
こうした混乱が生まれる最大の理由の1つは、トレーニングに関する疑問には、「正解」とされる答えが複数あることです。
ですから、トレーニングをする前に「たった1つの究極の答えを見つけよう」と、がんばる必要はありません。
これは、レストランに出かける前に、「この町で、疑問の余地なく最高のレストラン」を探し当てる必要がないのと同様です。
理由1:アドバイスする側が想定している相手に、自分が含まれていない
対応策:自分が手本にすべきアドバイスはどれかを見極めましょう。
まず触れておきたいのは、トレーニングに限らず、あらゆるテーマに関して、相互に矛盾するアドバイスがはびこる最大の理由についてです。
それは、専門家が自分のアドバイスの聞き手として想定している相手が、人によってさまざまだということです。読者であれ視聴者であれ、こうした「想定される聞き手」のカテゴリーすべてに同時にあてはまることはあり得ません。
たとえば、「スクワットの方法」で検索したとしましょう。検索結果として、以下のようにさまざまな回答が表示されます。
- あるエキスパートのアドバイスは、できるだけたくさん脚の筋肉をつけたいと思っているボディービルダー向けのものかもしれません。
- 別のエキスパートが教えているのは、重量挙げの選手向けに、大会でもっとも重いウエイトを持ち上げるための筋力アップのテクニックだったりします。
- さらに別の人は、初心者向けに「そもそもスクワットとはどういうものか?」という基礎を説明しているかもしれません。
このような事情なら、それぞれがまったく違うアドバイスをしているのも当然ですよね。
もし重量挙げの基礎を学びたいのなら、ハウツーを教えてくれる書籍や動画がありますし、対面で直接コーチに教えてもらうこともできます。
そして初心者の場合は、上級者の重量挙げ選手にアドバイスを求めるのはやめておきましょう。まだそうしたアドバイスが役に立つレベルではないからです。
自分がどの方向に行くべきか決めきれないときは、さまざまな情報源をチェックし、アドバイスの内容を確かめてみるのも良いでしょう。
ただしこの場合も、全員が同じ意見とは限らないことを、あらかじめ頭に置いておくべきです。