多くの人がApple のVision Proを購入しており、報道が事実であればなんと20万台もの初回販売台数を記録しました。

AppleのiPhone、iPad、Macの販売台数はこの数字よりもはるかに多いですが、Vision Proは2月2日の正式発売日を数日後に控え、現時点で事実上完売状態となっています。

この初回販売台数と、昨日解禁されたVision Proのレビューに端を発して話題となったことに、おそらくAppleはかなり満足しているでしょう。

『The Verge』の約30分のレビューはすでに100万回の視聴回数を超え、マルケス・ブラウンリーによるVision Proの開封動画の視聴回数は、この視聴回数の約5倍を記録しています。

Vision Proは複合現実ヘッドセットとして成功しなければならない

何よりもまず、Vision Proは成功したXRヘッドセットとしての地位を確立しなければなりません。

熱狂的なファンからの予約注文も多く、すでに好調なスタートを切っているようです。しかし、過去に期待された他のデバイスでも見られたように、売上だけを見てその新製品が初回発売台数を超えて成功するとは言えません。

つまりこういうことです。

Vision Proには素晴らしい技術が使われているようです。レビューを見てみると、Appleは購入者をVision Proのハードウェア体験に釘付けにすることにはほぼ成功しているようです。レビュアーたちはその没入感とファーストパーティー体験を賞賛しています。

Appleのファンとしては、MacをVision Proに接続し、その場で複合現実の中で作業できることは素晴らしいことです。

マイナスの点もある

Vision Proの重量が少し重すぎる、バッテリー寿命が短いといった弱点を除けば、多くの弱点はソフトウェアに起因するでしょう。

FaceTime通話中に装着者をデジタルなアバターに変身させる「Personas」はうまく機能せず、ほぼ奇妙な体験となっています。

バーチャルタイピングも難しいようで、レビュアーは代わりにBluetoothキーボードを推奨しています。これらはAppleが時間をかければ解決できる課題です。

もちろん、Vision Pro 2ではバッテリーや、おそらく重量の課題も改善されるかもしれません。しかしこれらの欠点がVision Proに興味を持つ消費者に購入を躊躇させる要因ではないと思います。

Appleは膨大の数のアプリを準備していく必要がある

Vision Proが複合現実ヘッドセットとして成功するかどうかの鍵は、開発者にかかっていると私は考えています。

iOSやmacOSのApp Storeと同じように、App Storeを開くと、膨大な数のソフトウェアの選択肢の中から選べるようにしなければなりません。

iPhoneは発売当初、大々的に宣伝されましたが、商品を箱から開封した直後には実際には何もできませんでした。

App Storeと『There's an App for That(そのためのアプリがある)』というキャッチコピーのキャンペーンが登場して初めて、世界はサードパーティアプリを搭載したiPhoneが実際にどれだけ便利なのか納得するようになりました。

YouTubeやSpotifyは専用の開発を見送り中

現時点では、Vision Proのアプリの状況がどちらに転ぶかは分かりません。しかし、悲観的な見方をするのは簡単です。YouTube、Netflix、Spotifyなど、発売時にVision Pro向けのアプリ開発を見送った大手企業がいくつかあります。

少なくともYouTubeとNetflixにはvisionOS上のSafariからアクセスできますが、これらの体験はVision Pro専用にデザインされるのが理想的です。

特に没入感のあるエンターテイメント体験がVision Proの大きなセールスポイントであることを考えればなおさらです。

しかし、企業がすぐにVision Proへの投資を行わないことを非難するのは難しい理由もあります。

Appleにとっても、多くの消費者にとっても、まったく新しいカテゴリーであり、Vision Proの価格が3,499ドルからであることを考えれば、開発者が現時点で「様子見」のアプローチを取るのも理解できます。

「うわっ、これすごく欲しい」と思わせるレビューの登場

しかし、前向きに考えましょう。Vision Proの事前注文数は予想以上に良好です。

このことは慎重な態度をとっている開発者にとって、この新市場向けにVision Pro専用のアプリやサービスを開発し、試してみる理由となるかもしれません。

たとえば、Croutonは、Vision Proの料理アプリで、料理中にレシピを表示したり、キッチンの様々な部分にタイマーを設定できるものです。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のジョアンナ・スターンは、自身のVision Proのレビューでこのアプリを披露しました

私にとって、この彼女のレビューは初めてApple以外で、Vision Proの良さについて納得させられる体験でした。

それはまるでiPhone上で非常に素晴らしいアプリを初めて見たときのようで、「うわっ、これすごく欲しい」と思わせるものでした。

複合現実は今後大きなヘッドセットという枠を超えて進化しなければならない

The Vergeのニレイ・パテルによると、Vision Proを見た多くの人が、予想していたよりもサイズが小さいと感じるようです。

ただし、予想より小さいとはいえ、それが実際に小さなものであるとは限りません。Vision Proは「目立たない」と言えるものではありません。 Vision Proの技術を本当に意味のある方法で普及させるためには、これを変える必要があります。

Vision Proは最終的に、ほとんどの人が装着していることにさえ気づかないような何か(おそらくスマートグラス、あるいはさらに進化したスマートコンタクトレンズなど)である必要があるでしょう。

そして、現在はヘッドセットの段階にしか過ぎませんが、その未来を想像することは不可能ではありません。

Appleが市場に対して、複合現実が役に立つものであり、人々が毎日使うべきものであり、実際に毎日使うことができると説得することができれば、おそらく10年後には私たちは皆、常にこのテクノロジーを装着しているでしょう。

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Source: The Verge, YouTube(1, 2, 3), TechCrunch