完璧主義が生産効率にもたらす負の影響については、これまでもさまざまなところで語られてきました。
作業の長期化、他者からフィードバックを受ける機会の損失、失敗への恐れから来る精神的負荷…など、完璧主義にはネガティブな要素が山盛りです。
しかし「それがわかっていてもやめらない」という人も多いのではないでしょうか。本質的な問題は「完璧主義をどうやめるか?」だと私は考えます。
完璧であること=理想と考えている限りは、やめることは難しい。ならば、そうではない理想を自分のなかに持たなければなりません。
そこで今回は、完璧主義をやめるための考え方を4つご紹介します。
「遅いベスト」よりも「速いベター」を目指す
完璧主義がもたらす最大の害悪が、作業の長時間化です。
完璧を目指すことで完成が遅くなることは言わずもがなですが、かといって必要以上に時間をかけたところで、得られる完成度もたかが知れています。
それよりも、必要な水準を達成した段階で次の仕事に移ることができれば、効率よく、より多くの成果が得られるでしょう。
完璧ではなく「おおむね悪くない状態」を目指すほうが、良い結果につながる。そう考えれば、完璧に固執する理由もなくなるはずです。
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「ホウレンソウ」で仕上げていく
なぜ、必要以上に完璧を目指してしまうのか? 適切なタイミングで作業を切り上げることができないのか?
それは、完成度に不安があるからです。
ですが、その不安を払拭するために、必要以上に時間をかける必要はありません。必要なのは、適切な「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」です。
途中の段階であっても、ホウレンソウをすることで間違いや方向性を正すことができますし、逆にやりすぎにも気づくことができます。そして結果的に完成度に対しても自信が持てるようになるでしょう。
完璧に仕上げてから見せるのではなく、見せながら完璧に仕上げていくことが、最短距離でゴールに向かう道筋なのです。
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本当に大切なのは「リカバリー能力」
物事を完璧にしてから進めるようにしていると、「リカバリー能力」を身につける機会が失われていきます。
しかし、そのリカバリー能力こそ、実は仕事をするうえで大切なものだったりします。
問題というものは、いつでも予測の範囲外からやってくるもの。予測可能な範囲内で完璧を期したところで、排除できるものではありません。
仕事に不確定要素はつきもの。だからこそ、不測の事態にも冷静に対処できるリカバリー能力を身につけることのほうが、その時々の完璧を目指すことよりも、あなたにとって大切なことになるはずです。
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仕事は少しずつ任せてもいい
完璧主義が行きすぎると、やがて他人に仕事が任せられなくなります。
これは自分の負担を増やすことになるばかりでなく、チームの成長も妨げることにもなり、結果「任せられる他人がいないから自分がやる→任せられる他人が育たない」という悪循環を生み出すことに。
そのため、適度に仕事を誰かに渡していくことも大切です。
仕事を誰かに任せられない理由の1つとして、その仕事を「丸々全部、相手に教えなければ」という考えにとらわれていることが挙げられます。
ですが、何も一度にすべての作業を渡す必要はありません。最初は簡単なタスクからはじめて、徐々に引き継いでいったほうが、むしろ負荷も少なく、スムーズに移管することが可能だったりします。
まずは一度、「どのタスクだったら、すぐに任せられるか?」から考えてみてはいかがでしょうか?
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「完璧でなくてもいいんだ」と思えれば、自然と完璧主義から離れられるはず。
完璧主義をやめるよう自分を説得するのに、今回挙げた4つのポイントを活用してみてください。