WindowsでAIのアップスケール(映像の高解像度化)を利用するには、現時点ではそれなりの金額を支払わなければなりません。
Nvidiaのような企業では、グラフィックスカードの一部としてAIアップスケーリングを提供しており、これを利用しなければ、PCがネイティブに処理できる解像度は制限されます。
しかし、Microsoftはそれを変えようとしているようです。
間もなく、Windows 11では専用のGPUを必要とせずに、ネイティブにゲームをアップスケールできるようになるはずです。
テスト中のWindows 11バージョン24H2で発見
TwitterユーザーであるPhantomOcean3氏は、新しいAIアップスケーラー機能があることをツイートで披露しました。
現在、Insider Previewでテスト中のWindows 11のバージョン24H2を使用している場合、設定 > システム > ディスプレイ > グラフィックスの項目にその機能があるはずです。
Windowsはこの機能を「自動超解像度(Automatic super resolution)」と呼び、AIを使用することで「サポートされたゲームを細部までより強化し、よりスムーズにプレイできるようになります」と述べています。
この機能はまだアクティブではないようですが、これはAIアップスケール機能の搭載計画が進行中であることを示しています。
The VergeのTom Warrenが指摘するように、この機能はAMD(FidelityFX)やIntel(XeSS)、特にNvidiaのDLSS(Deep Learning Super Sampling)といった企業のAIアップスケーラーを連想させるものです。
もしWindowsに搭載されたAIアップスケーリング機能が、Nvidia、AMD、Intelのアップスケーラーと同じように機能するのなら、これらの企業のハードウェアを自分のコンピューターに搭載する必要性がなくなるかもしれません。
AIアップスケーラーの何がそんなにすごいのか?
ネイティブのAIアップスケーリングの主な利点は、より高度なハードウェアを必要とせずに、より高い解像度でゲームをレンダリングできることです。
たとえば、もしあなたがWindows 11 24H2を自分のコンピューターで実行している場合、この機能を使用して1440pのゲームの解像度を4Kにアップスケールすることができます。ゲームをネイティブで4Kの解像度で実行する必要はありません。
ネイティブで4K解像度のゲームを実行した場合、通常はGPUへの負荷が高く、ハードウェアの性能が十分に強力でない場合には、速度低下が発生する可能性があります。
しかし、1440pからアップスケーリングすると、コンピューターに負担をかけることなく、ゲームを精細に見ることができます。
Microsoftが本当にDLSSのようなアップスケーラーに対抗したいのであれば、ほかの特典も導入するでしょう。
DLSSは1440pから4Kにアップスケールするだけでなく、DLSSを無効化した状態で4Kでゲームをプレイするときにはないディテールを追加します。
そしてAIを使って追加フレームがどのように見えるべきかを「推測」してフレームレートを向上させます。
Windows 11のAIアップスケーラーが同様の利点を提供することを期待したいところですが、少なくともMicrosoftがこの種の技術の導入に対するハードルを下げているのは素晴らしいことです。