海外旅行や留学、海外赴任などに必須のクレジットカード。現地での支払いはもちろん、海外旅行傷害保険が付帯されていたり、ポイント還元率が高くなったりとお得な特典を得られる便利なアイテムです。
しかしカードの種類や国際ブランドの選び方によっては、現地で不便な思いをする可能性も。そこで本記事では、海外で使えるおすすめのクレジットカードを厳選して5枚紹介します。
世界シェアNo.1のVISAが使えない理由や対処法も解説しているので、事前にチェックしてトラブルに備えましょう。
海外で使えるクレジットカードおすすめ5枚|学生向けあり
海外で使えるクレジットカードのおすすめは以下の5枚。いずれも海外旅行傷害保険が充実し、海外でも使い勝手のいいカードです。
それぞれの特徴を解説するので、目的や状況に合わせて選びましょう。
エポスカード
年会費無料ながら海外旅行傷害保険の補償が手厚い「エポスカード」。旅行代金をエポスカードで支払えば、最高3,000万円まで補償されます。
本会員が旅行代金をまとめて支払えば、家族や旅行同行者も保険適用となるため、家族旅行も安心です。
国際ブランドは、世界シェア率の高いVisaが付帯されているので、海外でも困ることはないでしょう。
カード券面にカード情報の記載がなく、セキュリティの高さも魅力。決済すると利用通知が届くので、不正利用にもすぐに気づけます。
また、海外キャッシング機能を使えば、現地通貨を両替することなく海外のATMから引き出せるのも便利。キャッシング利用分は、1回払いでショッピング分と一緒に引き落とされます。空港での両替手数料よりも低い手数料で利用できることがあるため、手間が省けるだけでなくお得度も高いサービス(※)です。
※為替レート変動により、手数料率は変動します。
ちなみに年間50万円以上利用し、実績が認められればゴールドカードへのインビテーションを得られる可能性も。インビテーション経由のアップグレードなら、ゴールドカードの年会費が無料になります。ゴールドカードなら空港ラウンジも無料で利用できるので、待ち時間も快適に過ごせるでしょう。
年会費 | 本会員:永年無料 |
ポイント還元率 | 0.5%~ |
ポイント有効期限 | ポイント加算日から2年間 |
追加カード | ETCカード |
国際ブランド | Visa |
ポイント名 | エポスポイント |
電子マネー・スマホ決済 | Apple Pay、Google Pay、EPOS PAY、楽天Edy、PayPay、d払い、楽天ペイ、モバイルSuica |
申し込み対象 | 満18歳以上(高校生除く)で日本国内に居住されている方 |
ナンバーレス | 対応 |
旅行傷害保険 | 海外旅行傷害保険:最高3,000万円 |
空港ラウンジ | - |
移行可能なマイル | ANA、JAL |
JCBカード W
年会費無料で利用できる「JCBカード W」。海外旅行傷害保険が最高3,000万円まで付帯(利用付帯)し、海外旅行時の怪我や病気を補償できるカードです。
国内・海外問わず、どこで利用してもポイント2倍。ハワイ・グアム・韓国・台湾など、さまざまな国にある優待店の利用で、割引が適用される特典も魅力(詳しくは「たびらば」をチェック)。
海外にある窓口「JCB PLAZA」では、海外旅行中のトラブルの相談やJCB加盟店の予約などを日本語でサポート。カード紛失・盗難時でもすぐに対応してもらえるので、安心です。
年会費 | 本会員:永年無料 |
ポイント還元率 | 1.00%~10.50%(※1) |
ポイント有効期限 | 2年間 |
追加カード | ETCカード、家族カード、QUICPay |
国際ブランド | JCB |
ポイント名 | OkiDokiポイント |
電子マネー・スマホ決済 | Apple Pay、Google Pay、QUICPay |
申し込み対象 | 18歳以上39歳以下で、ご本人または配偶者に安定継続収入のある方。 |
ナンバーレス | 対応 |
旅行傷害保険 | 海外傷害保険:最高2,000万円(※3) |
空港ラウンジ | - |
移行可能なマイル | ANA、JAL、デルタ航空 |
入会キャンペーン | 期間限定最大15,000円キャッシュバック(※4) |
※1:最大還元率はJCB PREMO(or nanacoポイント)に交換した場合。
※2:一部、お申し込みになれない学校があります。40歳以降も年会費無料のまま継続できます。
※3:JCBカード W、JCBカード W plus Lで事前に「搭乗する公共交通乗用具」または「参加する募集型企画旅行」の料金をお支払いになった場合、海外旅行傷害保険が適用されます。
※4:2024年9月30日まで
楽天カード
楽天市場、楽天ペイなど、楽天経済圏でお得に使えるイメージが強い「楽天カード」。実は海外でもさまざまな優待特典を得られる優秀カード。
年会費無料で、海外旅行傷害保険は最高2,000万円まで付帯されます。万が一海外で病気や怪我に見舞われた時は、海外アシストサービスを利用すれば、日本語で相談できます。
渡航先から24時間・年中無休で病院の紹介や請求手続きなどを丁寧にサポートしてくれるので、安心です。
ただし旅行代金を本カードで支払うことが条件の利用付帯なので、要注意。また、18歳未満の子どもは保険適用対象外です。
国際ブランドは、Visa・Mastercard・JCB・American Expressの4種類から選択可能。手持ちのカードと組み合わせれば、利用店舗の幅もより広がるでしょう。
ポイントは国内外、どこで利用しても1%還元されます。
年会費 | 本会員:永年無料 |
ポイント還元率 | 1.00%~(※) |
ポイント有効期限 | 最後にポイントを獲得した月を含めた1年間 |
追加カード | ETCカード、家族カード |
国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB、 American Express |
ポイント名 | 楽天ポイント |
電子マネー・スマホ決済 | 楽天Edy、Apple Pay、Google Pay、楽天ペイ |
申し込み対象 | 高校生を除く18歳以上 |
ナンバーレス | 対応 |
旅行傷害保険 | 海外旅行傷害保険:最高2,000万円 |
空港ラウンジ | - |
移行可能なマイル | ANA |
※一部ポイント還元の対象外となる場合があります。
学生専用ライフカード
留学や卒業旅行に便利な学生専用の「学生専用ライフカード」。年会費無料で、海外旅行傷害保険が自動付帯、さらに海外利用では3%がキャッシュバックされるなど、充実した特典が魅力です。
旅行代金の支払いに利用しなくても、カードを持っているだけで最高2,000万円まで補償されます。
さらに、盗難、紛失、不正利用の損害もライフカードが対応。万が一のトラブルも、LIFE DESK(日本語サポートサービス)がサポートしてくれます。
学生卒業後も年会費無料で継続OK。18歳以上の学生(高校生除く)なら申し込めるため、子供に持たせるカードで悩む親世代にも注目されている人気の一枚です。
年会費 | 本会員:無料 |
ポイント還元率 | 0.50%~1.50% |
ポイント有効期限 | 繰越手続きを毎年すれば最大5年間有効 |
追加カード | ETCカード |
国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB |
ポイント名 | LIFEサンクスポイント |
電子マネー・スマホ決済 | Apple Pay、Google Pay |
申し込み対象 | (1)満18歳以上満25歳以下で、大学・大学院・短期大学・専門学校に現在在学中の方 |
ナンバーレス | 対応 |
旅行傷害保険 | 海外旅行傷害保険:最高2,000万円(自動付帯) |
空港ラウンジ | - |
移行可能なマイル | ANA |
※:卒業される年の1月以降お申込みいただけます。18歳以上の高校生の方は、進学先の学校名と進学先の卒業予定年月の入力が必要。
三井住友カード(NL)
券面デザインがシンプルな「三井住友カード(NL)」は、カード情報の記載がないナンバーレスタイプ。24時間体制の監視システムや生体認証付きのアプリを導入している、安全性の高いカードです。
年会費無料ですが、海外傷害保険が最高2,000万円まで付帯(利用付帯)され、補償も充実しています。
ただしショッピング保険が付帯されていないため、海外で買い物した物に補償をつけたい場合は、「三井住友カードゴールド(NL)」がおすすめ。ゴールドなら、空港ラウンジも無料で利用できます。
高額な買い物の予定がなく、短期間の旅行なら三井住友カード(NL)で十分でしょう。
年会費 | 永年無料 |
ポイント還元率 | 0.5〜最大7%(※1.2.3.4.5.6) |
ポイント有効期限 | 獲得月より3年間(36ヵ月) |
追加カード | ETCカード、家族カード、バーチャルカード |
国際ブランド | Visa、Mastercard® |
ポイント名 | Vポイント |
電子マネー | 三井住友カードiD(専用)、Apple Pay、Google Pay、三井住友カードWAON、PiTaPaカード |
申し込み対象 | 学生を除く18歳以上の申込者本人に安定継続収入のある方 |
ナンバーレス | 対応 |
海外旅行傷害保険 | 海外旅行傷害保険:最高2,000万円(利用付帯) |
移行可能なマイル | ANA |
※1:対象のコンビニ・飲食店でのスマホのVisaのタッチ決済・MastercardRタッチ決済でポイント最大7%還元。
※2:年間100万円の利用で翌年以降の年会費が永年無料になります。年間100万円利用の対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。
※3:商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない店舗があります。
※4:iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外です。
※5:一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。その場合のお支払い分は、タッチ決済分のポイント還元の対象となりませんので、ご了承ください。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます。
※6:ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。
海外で使えるクレジットカード|国際ブランドの選び方
クレジットカードの国際ブランドとは、カード発行会社にかかわらず世界各地で利用できるカードブランドを指します。
国際ブランドはそれぞれ特徴が異なるため、自分にとって最適な1枚を選ぶためにも下記のポイントを押さえておきましょう。
- 国際ブランドの特徴を理解する
- シェア率の高いVisaは必須
- ステータス性も欲しい人はアメックスかDiners
国際ブランドの特徴を理解する
世界5大国際ブランドといえば以下の上から5つで、最近では中国発の「銀聯」もシェアが拡大しています。
国際ブランド | 特徴 |
Visa | 世界シェア率NO.1。 |
Mastercard | 海外ではヨーロッパ方面に強く、海外決済時のレートが良い。 |
JCB | 国内唯一の国際ブランド。 |
American Express | 高いステータス性が魅力。 |
Diners Club | グルメやトラベルの優待が充実したハイステータスな国際ブランド。 |
銀聯 | 中国発の新興国際ブランド。 |
それぞれ強みが異なるため、海外利用時には、どの国で使用するかを考えて選びましょう。そのためには、上記の特徴を理解しておくことが大切です。
シェア率の高いVisaは必須
上述した国際ブランドはいずれも国内外で利用できます。しかし、世界シェア率でいえば、中国銀聯(ユニオンペイ)が59%を占め、続いて、Visa23.5%、マスターカード15.4%、JCB0.9%となっています。
(参考:日本経済新聞)
中国銀聯(ユニオンペイ)は世界シェアでみると高いものの、国内では使いづらい点がデメリット。国内外海外で使えるクレジットカードを探しているなら、シェア率の高い「Visa」が最適。使えないシーンはほとんどないと考えて良いでしょう。
ちなみに国内初の国際ブランド「JCB」は、Diners Clubと提携しているので、Dinersマークのある店舗でも利用できます。さらに、特典や優待、海外旅行傷害保険が充実しているので、旅行代金の支払いで利用するのもおすすめです。
ステータス性も欲しい人はアメックスかダイナース
海外利用に強いAmerican Express(通称:アメックス)やレストランで優待を得られるDiners Clubは、ステータス性の高さが世界的に認知されているカードです。
社会的信用度の高さを示せるうえ、海外でも身分証明書として信用してもらいやすくなります。
いずれも年会費が必要ですが、それ以上に特典が充実しているのもメリット。ホテルやレストランの予約・手配に便利なトラベルデスク、空港サービスなど、海外旅行がより快適になるサービスが付帯されています。
海外旅行中、VISAが使えないときのよくある理由と対処法
世界シェアNO.1のVisaでも、以下のような理由から使えないことがあります。
- 限度額を超えている
- 支払いを滞納している
- 暗証番号のミス
- 不正利用防止のため利用が一時停止(保留)された
- 磁気不良・カード破損・端末故障
- カードの有効期限切れ
- 国際ブランドが対応していない
限度額を超えている場合、利用枠が空くまで利用を停止されます。クレジットカードは、一時的に限度額の増額ができますから、不安な方は、海外出発前にあらかじめ増額しておくと安心です。
また、引き落としが確認できなかったなど、支払いの滞納があれば、同様にカードの利用が制限されます。この場合、滞納を解消すれば利用できるようになりますので、早急に支払いましょう。
暗証番号のミスも決済エラーとなります。正しい暗証番号を入力し直せば利用できますが、複数回間違うとロックがかかるため注意が必要です。「どうしても暗証番号が思い出せない」「自信がない」など不安な方は、サインに変更してもらいましょう。
クレジットカード会社は、不正利用防止のため、通常とは違う国での決済や利用額、利用頻度を感知すると、利用が一時停止(保留)されることも。カード会社に電話すれば解除してもらえるため、事前に現地からカード会社への連絡方法をチェックしておくことも忘れずに。
カードの破損や磁気不良の場合、カード情報を読み込むことができず、利用できないケースもあります。このような場合、カード会社に連絡して、新しいカードへの交換が必要です。海外旅行中では対処できないため、他のカードを利用しましょう。
ちなみにVISAが使えない理由には、店舗側の端末が故障している場合も少なくありません。手持ちのクレジットカードに問題があるわけではないので、店舗内の別の端末で決済するか、どうしても無理なら現地通貨で支払いするしか対処法はありません。
他には、クレジットカードの有効期限切れやそもそも店舗がVISAに対応していないことも。有効期限が切れたカードを持ってきてしまったり、長期滞在中に切れてしまったりと、うっかりミスも多いので、旅行前に必ずチェックしてトラブルを防ぎましょう。
クレジットカードを海外旅行で利用する時の注意点
海外でクレジットカードを利用する時には、以下の点に注意しましょう。
- 事前に支払い方法を確認する
- 現地通貨で決済する
- キャッシング機能を追加しておく
- 不正利用の危険性
事前に支払い方法を確認する
国内でクレジットカードを利用する際、一括や分割など支払い方法を選べますが、海外ではその選択ができません。
基本的に海外利用分は一括かリボ払いに設定されています。リボの場合、余計な手数料がかかるので、事前に確認し、一括払いに変更しておきましょう。
現地通貨で決済する
海外でカードを利用する場合、現地通貨で決済されます。しかし店舗によっては、現地通貨か、日本円を選べることも。
この時、なんとなく使い慣れた日本円を選んでしまう方もいますが、円に換算する際に手数料がかかります。しかもこの手数料、店舗側が自由に設定できるため、高額になる可能性があります。
もし通貨を聞かれたら、現地通貨を選びましょう。
キャッシング機能を追加しておく
海外で万が一現金が必要になった場合、クレジットカードのキャッシングなら現地通貨
で引き出すことができます。
この方法なら、わざわざ外貨両替する手間が省け、多額の現金を日本から持っていく必要もありません。安全性も高いため、万が一の備えとしてキャッシング機能を付帯しておいた方が便利です。
不正利用の危険性
海外でカードを利用する際、最も注意したいのは不正利用です。近年、盗難やスキミングでの被害が年々増加しています。
特にスキミングは請求書が届くまで被害を把握できないことも少なくないため、決済時に利用通知が届くクレジットカードを選ぶなどの対策をしましょう。
もし不正利用された場合、カード会社の補償を受けられます。しかしその決済が不正利用であることを証明をする必要があるため、レシートなどはしっかり保管しておいてください。
まとめ
海外で使えるクレジットカードを選ぶなら、国際ブランドはVisaがおすすめです。また、JCBやアメックスなど、優待や特典が充実しているカードも持っておくとお得。
海外ではカード自体に問題がなくても、不正利用防止や端末・時期不良などが理由で使えなくなることが珍しくありません。このようなトラブルに備え、カードは複数枚所有し、国際ブランドも何種類か揃えておくと安心です。
また、支払い忘れや限度額超過でうっかり利用停止にならないよう注意しましょう。本記事を参考に、海外利用にぴったりの1枚を見つけてみてくださいね。
*記事内容は、執筆時2024年2月のものです。最新情報は各カード会社の公式サイトをご確認ください。
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