SIer(システムインテグレーター)での開発経験を経て2021年にSB C&S株式会社に入社した佐藤梨花さん

現在はソフトウエア開発系IT商材のプリセールス兼エンジニアとして、ソフトウエア開発や社内DX推進に向けた商材検証、セミナー登壇など幅広い業務に携わっています。

入社後、自分らしさを開花させ活躍の場を広げてきた佐藤さんが考えるSB C&Sで働く魅力とは。

先入観を持たないまっさらな視点が、新たな道を開いていく

ICT(※1)事業戦略・技術本部のテクニカルマーケティングセンターに所属する佐藤さん。現在はソフトウエア開発系IT商材のプリセールス兼エンジニアとして、商材の検証やセミナー登壇などを担当しています。

IT関連の新興商材の発掘を手がける部署で、最近はとくにDevOps (※2)やDX、AIをテーマに商材を発掘し、エンジニアとして開発者目線での検証も行なっています。


また、セミナーやブログ上での商材紹介、国内にまだ浸透していない新技術の普及・啓蒙活動のほか、最新技術やトレンドへのキャッチアップのため海外のカンファレンスにも参加してきました。さらに、お客様からの相談に対する解決策の提案や、社内向けの案件管理アプリケーションのローコードによる開発・運用もしています。

2023年から佐藤さんはAI推進室も兼務しています。

AI推進室は、その名のとおりAIの活用可能性について検討する部署です。

現在、AI推進室では、メンバーがAI関連技術に関する調査結果共有のための勉強会などを行ないながら、AIの基礎知識はもちろん、AI関連商材やサービスについての知識を深めています。

前職で長年エンジニアとして活躍してきた佐藤さんにとって、プリセールスやセミナー登壇は新たな挑戦。最先端の商材を発掘・検証し、紹介する仕事の難しさと醍醐味についてこう話します。

市場には数えきれないほどの商材があり、それぞれの検証に充てられる時間は限られています。どこまで深く踏み込むかは自分次第。そのため商材が持つ本質をいかに素早くつかむか、そしてIT業界の現状や市場と照らし合わせた全体感の把握が重要になります。


こういった点をつかむには自身のこれまでの経験ももちろん大切ですが、それにとらわれ過ぎず、ジェネラルな視点をどれだけ保てるかであったり、別角度から見る力であったりが試されます。


またセミナーでは、ビジネス層ならKPI面での貢献度について、エンジニア層なら機能上の利便性についてという具合に、オーディエンスに応じたテーマを扱わなくてはなりません。人前で話す専門的な訓練を受けていないので、今も試行錯誤の毎日です。


一方、現在は海外にまで視野を広げて業界の最新トレンドを追っています。エンジニア時代は開発に集中するあまり視野が狭くなることが多かったので、情報をいち早くキャッチし、それを多くの人に伝えられること自体がやりがいになっています。

新技術・新商材の発掘に取り組みはじめて3年目を迎える佐藤さん。一貫して大切にしてきたことがあります。

見たことのないもの、難解なものなどさまざまな商材がありますが、できるだけ自分の主観を排除するよう心がけてきました。

どんな商材にも先入観を持たずに公平に、ポジティブな姿勢で向き合うよう努めています。

※1. 情報通信技術
※2. ソフトウェア開発手法の一つ。開発と運用を組み合わせた造語

好奇心から始まったITのキャリア。挑戦の舞台を求めてSB C&Sへ

幼少期
幼少期

剥製師だった祖父と同居していた影響もあり、幼いころから好奇心旺盛だったと言う佐藤さん。ものづくりへの関心から、大学では情報科学を専攻しました。

1年生のときにたまたま受講した情報科学の授業の担当教員がとても魅力的な方で。普段何気なく使っている技術の裏側や、自分の手でつくるおもしろさを教えられ、導かれるままITの世界に進みました。


ただ、専門分野の枠に捉われない自由な学際的思考を身につけることをめざす課程だったことから、情報系の科目は全体の3、4割ほど。情報科学専攻とはいえ、本格的にITを学んだわけではありませんでした。

卒業後、佐藤さんはSIerに就職。エンジニアとして約8年半、大手通信会社の勤怠管理アプリの開発に従事しました。開発工程をひと通り経験したあと、社外で自分の力を試してみたいと考えるように。転職活動をするなかで出合ったのがSB C&Sでした。

前職時代、開発担当者と運用担当者のあいだに壁があるのを目の当たりにしていたので、スカウトメールに記載されていた『DevOps』という言葉に目が留まり、双方がお互いを尊重・理解し協力して開発する考え方に強く共感しました。


最終的に当社を選んだ決め手は、親会社であるソフトバンクに勤める大学時代の友人から勧めがあったこと。他社の選考も受けていましたが、仕事と働きやすさの両面で充実していると聞いて入社を決めました。

入社後、佐藤さんがまず着手したのがトレンドのキャッチアップ。海外メーカーのブログなどを通じて最新技術に関する情報を収集しながら、それを自社商材に適用していくプロセスを学びました。

その後、検証を担当するようになりますが、当初は手探りの状態。苦労しながらも、前職の経験を生かして着実に業務を習得してきました。

当社には、「失敗してもいいからチャレンジしてみよう」という風土があります。最初は見切り発車。検証といってもどこまで深掘りすべきかわからず、先輩たちが作成した資料を熟読しながら、バランス感覚を養っていきました。


当時とくに力を入れていたのが、ローコード・ノーコードツールの検証です。実際に使ってみて、何ができるのかを試し、UIの使いやすさを評価しました。実際にお客さまに近い位置で要件定義を行なっていた経験や、プログラミングといったエンジニアの知識が存分に役立ったと思います。


2023年11月には、海外で開催されるカンファレンスにも初めて参加しました。最新トレンドや技術を追い続けながら、扱う商材の目利きをますます鍛えていくつもりです。

プリセールスの現場でも生きるエンジニア経験。確かな手ごたえのなか、成長を続ける

エンジニアの経験が生きている場面はほかにも。プリセールスの現場では、顧客に寄り添った営業活動ができていると佐藤さんは言います。

お客様にとって最適な製品を提案するためには、開発に関する詳細な情報が必要です。ところが、エンジニアの中には同じ経験を持つ相手でないと課題を共有しにくいと考える方もいて、表面的な困りごしか教えていただけないこともありました。


そんな時、自分の経験を話すと、途端にお客さまと打ち解けることができます。どの言語を使ってどのようなシステムを構築していて、チームが今どんな状況にあるのかなど、開発状況について詳しく説明いただけることが、最適な提案につながっています。

また、顧客ニーズに合った提案ができるのもエンジニアの経験があるからこそ

ローコードツールの機能は限定的だと考えられがちですが、実際にはエンジニアにとって負担のかかる作業を代行してくれる便利なツールも多数存在します。お客さまのシステムの環境を詳しくお聞きしたうえで、最適なローコードツールを推奨することもあります。


最近流行りのAIによる開発支援では、元々は単純なコーディング支援のみで検討されていたお客さまに対し、単体テストコードの自動生成といった使い方もできることを提案したこともありました。


このようにお客さまが気づけていない商材のメリットをお伝えできるのも、元エンジニアという経験が生かせていると感じます。


DevOpsの根本的な目的は、開発プロセスを効率的にし、自社の利益を最大化することにあります。たとえば、ローコードツールを活用すれば開発速度が向上するだけでなく、仮の画面をお客さまに素早く示せるなど、要望に迅速に応えることも可能です。


さらに、開発から運用までの全工程をひとつのプラットフォームでカバーできるものや、コーディング支援機能によって運用を自動化できるものもあります。


入社当初、私もこうしたツールには懐疑的な見方をしていましたが、その利便性を肌で感じた今は完全に逆の立場です。エンジニアとしてのそんな実体験も踏まえ、お客さまに深い理解を提供できるよう努めています。

入社後、幅広い領域で活躍してきた佐藤さん。これまでの約2年間の成長を次のように振り返ります。

新しい技術に関する知識が広がっただけでなく、あらゆる技術に対して公平に、そして積極的に向き合えるようになりました。将来的にエンジニア職に戻ったとしても、このマインドセットは非常に役立つと感じています。

より良い開発環境を実現する未来のスタンダード構築に向けて


SB C&Sは幅広い技術に精通した高いスキルを持つプロ集団。周囲のメンバーに支えられたからこそ、ここまでやってこられたと佐藤さんは言います。

セキュリティ、ストレージ、サーバーなど、各方面のスペシャリストがすぐそばにいて、ほしい知識や情報が容易に得られます。仕事が進めやすいだけでなく、刺激に満ちた恵まれた環境です。エンジニア同士の横のつながりがさらに強化されれば、ますます魅力的な組織になるだろうと感じています。


また、上司のような高い役職の社員も含め勉強熱心なのもSB C&Sの特徴です。成長意欲が高く前向きなマインドが社内に浸透しています。職場の風通しが良いうえ、年次や役職に関係なく互いを尊重し助け合うカルチャーが根づいている点も、私がとても気に入っているところです。

知的好奇心を原動力に、理想的な環境で成長を遂げてきた佐藤さん。同社が求める人物像について次のように話します。

仕事の幅を広げて継続的に成長するためには、前向きな姿勢が欠かせません。何事にもポジティブに取り組んだり、新しいことへのチャレンジを楽しんだりする気持ちを持ってほしいと思います。

そんな佐藤さんの次なるゴールは、未来のスタンダードを発掘し、IT業界の課題解決に貢献すること。

現在取り組んでいるDevOpsもAIも、私が見つけてきたものではありません。まだあまり知られてない新しいテーマやツールをいち早く探し出して、それを国内に広げていくことが今の目標です。


開発の現場では、改善できる点があるとわかっていても、多忙を理由に見過ごされてしまいがちです。また、手間と時間を惜しまないことが美徳とされる傾向もあります。


しかし、ツールを利用して作業の負担を軽減することは決して悪いことではありません。むしろ人材不足とIT技術の進化スピードとそれに対する顧客要望が加速している今、積極的に取り組むべき課題です。現場にも経営層にもこの考えを広め、業界の風土をより良い方向に導いていけたらと考えています。

※記載内容は2023年11月時点のものです。

Image/Source: talentbook, SB C&S株式会社