言いたいことをうまく表現できなくて、自分を不甲斐なく思ったことは、誰にでも経験があるでしょう。

言いたいことを上手に言葉にできるだけでなく「瞬時」に言葉にできる方法があれば…。

そんなビジネスパーソンの背中を押してくれる言語化トレーニングの方法を、電通のコピーライター・荒木俊哉さんの著書瞬時に「言語化できる人」がうまくいく。』(SB Creative)より紹介します。

コミュニケーションを磨いても「言語化力」は身につかない

世の中にはコミュニケーション術を説いた本であふれていますが、それらを読んでも「言語化力は身につかない」と荒木さん。

楽譜が読めるようになってもピアノが弾けるようにはならないし、レシピをしっかり覚えてもおいしい料理をつくれるようにならないのと同じ。伝え方のスキルをいくら学んでも、「言語化」の問題は解決できないということです。

言語化するために必要となるのは、言語化力を身につけるためのトレーニング

荒木さんがすすめているのは、A4サイズ1枚の「メモ」を秒速で書くというシンプルなトレーニングです。

言語化というと、頭で思い浮かべたことをすぐ口から発せられるようにトレーニングするイメージがありますが、まずは「メモ」をとることなのですね。ちょっと意外です。

「なんでメモ?」と思う方も多いでしょう。メモといえば、「記録のためのツール」というのが一般的な認識だからです。

しかし、私がこの本で強調したいのは「メモの本当の力はまったく別のところにある」ということです。それが「思考を言語化するためのツール」です。

(『瞬時に「言語化できる人」がうまくいく。』20ページ)

メモを活用した言語化トレーニング。実際にはどのようにすればいいのでしょうか。

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A4サイズの紙に、何をメモするの?「言語化トレーニング」を実践!
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