ガーデニング用に、さまざまな土が出まわっています。

けれども、本格的にガーデニングをはじめる前の私は何がどう違うのか分かっていなかったので、プランターや植木鉢に土を入れたい時や花壇の土を補充したい時は、ただ単に大型園芸店で手に入る一番安い土を選んでいました。

ご存じのように、園芸店の売り場の通路には、色とりどりの土の袋が積み上げられていますよね。袋には、それぞれの違いがわかるように特徴がシンプルに表示されています。

ただし、その表示は素人には簡単に理解することができません。私のように繰り返し試しては失敗することで理解していくこともできますが、この記事の続きを読めば、そうした失敗は避けられるでしょう。

1.「ガーデニング用の土」とは?

私たちが「ガーデニング用の土」と呼んでいるものは、実際にはただの土です。分解された木の葉や枝をはじめ、そこで腐敗したさまざまな有機物、そして、土壌に含まれる微生物が混ざり合っています

土には通常、粘土か砂、またはその両方と、細かい石の粒が含まれています。そのうえで植物にもっとも適した土とは、養分に富み、植物が容易に根を張れる隙間があり、水分を含んでいる土です(ただし、水分は多すぎてもいけません)。

そして、これらの養分は、植物が養分を吸収しやすいようなかたちで存在している必要があります。

たとえば、土が粘土質でぎゅっと詰まっていると、植物は根を伸ばしにくく、成長が妨げられてしまうこともあります。逆に、砂が多すぎると十分な水分や養分が土に保持されません。

また、植木鉢やプランターでの生育環境はレイズドベッド(レンガや石を積んだり板で囲ったりして周囲よりも高くした中に土を入れ、植物を植えたスペース)とはかなり違いますし、レイズドベッドにせず周りと同じ高さにした「地植え」と比べても、環境がかなり違います。

2.「庭の土」を、ただ使えばいいわけではない

私がガーデニングをはじめたときは、ただ庭の土を掘って植えればいいと思っていました。

シャベルで掘り起こせば、ミミズがいっぱいの肥えた土が現れる、という甘い考えを抱いていたのです。けれども実際は、庭の土壌は痩せていることが多いものです。

それは、砂が多かったり、粘土質だったりなど、もともとの土壌の性質にもよりますし、長年栄養を与えてこなかったからでもあります。

いずれにしろ、一般的には、これから庭にしようと思う場所の「表土」は、概して質があまり良くありません。まだ分解されていない葉っぱや小枝などがたくさん含まれていますし、水はけもよくありません。

何年分かの落ち葉が積み重なって土壌を覆っているのでない限り、おそらくは、「栄養豊富な有機物がたくさん含まれた、ちょうど良い土質」ということはないでしょう。

こうした表土は、庭づくりにおいてスペースを埋めるときなど土を大量に使うときには役立ちますが、ガーデニングをする際にはほとんどのケースで養分などを補う必要があるでしょう。

3.「花壇用の土」は、造園資材を扱う業者で

新しい庭をゼロからつくっているなら、「花壇用の土」を使うことを考えてもいいでしょう。近くの大型園芸店で購入できます。ただし、あまり経済的な方法とは言えません。

アメリカでは普通、土は1立方フィート(約30リットル)の袋入りで売られていますが、庭をつくるなら、もっと大きな単位で考える必要があるからです。

造園資材を扱う地元業者に行けば、たいていは、表土やコンポスト、砂、その他の有機物を3~4種類混合した土を大量にまとめて購入できます。配達もしてもらえます。配達してもらえば、あとはその土の山を、一輪車などを使って少しずつ花壇に移すだけです。

大型園芸店などに行けば、オーガニックで質が良いとされる花壇用の土を高い値段で売っていますが、個人的には、大金を出して買う価値はないと思います。高級な土を使ったから結果が良くなった、という経験はありませんから。

庭に土を入れたら、それで終わりではありません。毎年毎年、そして1年に何度も、改良していくのです。配達してもらうのは、その元になる土にすぎません。

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「鉢植え用」や「種まき用」の土選びも重要
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