生産性を最大化する一番の方法は、やらなければならないことの計画を前もって立てることです。

ブレインダンプ1日のスケジュールを厳しく管理する方法計画通りに進めるツールなど、方法はいくらでもあります。

しかし残念ながら、最高といわれるような成功事例でも行き過ぎると裏目に出ることがあります。

裏目というのは「パーキンソンの法則」のこと。何かを行なう時に、十分な時間があると起きてしまう問題です。

今回は、「パーキンソンの法則」とは何か、そして生産性を高めるためにそれにうちかつ方法をお教えしましょう。

「パーキンソンの法則」とは何か?

パーキンソンの法則とは、基本的に「あるタスクに与えられた時間が長ければ長いほど、それを終えるのにはより長い時間が必要になる」というものです。

1955年に「Economist」誌のエッセイで、歴史学者・政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱しました。通常、行政や官僚組織の仕事を検証するのに使われますが、一般の私たちの日々の仕事にも適用できます。

たとえば、やるべきことに対する期日がわかっている場合、その期日ギリギリまでそれをやるのを先送りしたり、長引かせたりするのは、「パーキンソンの法則」に当てはまります。

また、与えられた時間をすべて使おうとしてかえって仕事や作業をややこしくするのも、この法則に当てはまります。

台所の掃除に1日取っている場合、必要な道具を探したり、複雑な計画を立てたり、古い物を取っておくか捨てるかに頭を悩ませたり、そのような些細なことに、その1日の時間をかけることになります。

1時間しかなければ、台所に行って、お皿を洗い、ゴミを捨て、カウンターを拭くはずです。もちろん、たまにはしっかりと掃除をすることも大事ですが、ただそこに行って掃除をした方がいいこともあります。

「パーキンソンの法則」の課題を克服する方法

「パーキンソンの法則」の課題を克服するには、少し怖いような気がすると思いますが、仕事や作業の時間を少なめに取る必要があります。

ヤーキーズ・ダッドソンの法則」では、生産性をもっとも高めるには、多過ぎでも少な過ぎでもなく、適度な量のストレスが必要だと言います。時間があり過ぎると、やる気が出るだけのストレスが足りないのです。

これから2週間、さまざまな仕事や作業、やるべきことの時間を削ってみてください。いきなりできないと思う人は、1日の予定を分刻みで立てるのに、カレンダーを時間の塊で分ける「タイムボクシング」の手法を使うのもいいでしょう。

朝、すべてのメールに返信するのに30分かかると思う場合は、20分を割り当てます。大きな仕事のレポートをまとめるのに1時間かかると思う場合は、45分を割り当てます。

また、仕事や作業をはじめる前に時間を取って、それがどのような影響を与えるのか俯瞰で考えてみましょう。毎朝それを書き留めることで、視覚化され、さらにやる気を後押しします(仕事の割り当て時間を削っていれば、毎朝数分は余裕があるはずなので)。

台所の掃除やレポートの作成など、目の前のやるべきことだけに集中するのではなく、もっと大きな目的に目を向けるのです。

今週末のディナーパーティーの前に家を掃除しなければならないから、台所の掃除をしているのです。四半期毎の顧客向けのプレゼンの根拠となるデータが必要だから、このレポートをまとめており、それが会社の安定した経営と資金を確保している、というようなことです。

やるべきことが何であれ、それを一定の時間で処理する単体の仕事として考えるのではなく、大きなパズルの一部としてとらえ、より大きな目的に向けて積み重ね、取り組むべきことだと考えるのです。

最後に、仕事や作業に自分独自の締切を設定します。上司には週末にレポートを提出を求められていても、自分では水曜日に締切を設定し、「ヤーキーズ・ダッドソンの法則」で言うところの絶妙なストレスとなる、プレッシャーや緊急性を生み出すのです。

仕事や作業を完了するための時間を少なめに割り当てることで、ほんの少し焦りやストレスが生まれ、「パーキンソンの法則」でいう先延ばしや、些細なことまで管理しすぎるのを防げるようになります。

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Source:Economist