仕事を辞めるのではない、上司と縁を切るのだ」とよく言われますが、これは本当にそのとおりです。

仕事は好きだけど、上司がひどい場合、辞めるのは惜しいですが、かといって働き続けるのも地獄でしょう。

しかし幸い、上司がイヤなヤツでも、望みがないわけではありません。上司を逆に管理する方法があるのです。

ただし、イヤな上司にもさまざまなタイプがあり、そのタイプに応じて、効果的なアプローチも変わってきます。

一方で、自分自身が管理職の立場にあり、部下が辞めたくなるようなまずい点が自分にあるのでは、と気になる場合はどうしたらいいでしょうか? 心配ありません。そのような人にも改善できる望みはあります。

イヤな上司その1.「干渉しすぎる」

イヤな上司の行動としてもっとも頻繁に挙げられるものの1つが、こと細かに干渉してくるマイクロ・マネジメントです。

自主性は多くの人にとって重要なものですが、特に管理職が、「リモートやハイブリッド勤務の従業員にもっと目を光らせなければ」と考えている場合には問題になりがちです。

上司がマイクロ・マネジメントをしてくる場合に役立つ方法は、いくつかあります。

いちばん良いのは、うまくこちらからアプローチすることです。週に1度の状況報告を行なっていないなら、自分から申し出てみましょう。短期的・長期的に期待される成果は具体的にどういうものかを話し合い、互いに納得できる報告内容を決めましょう。

電話やメッセージをたくさん寄越してくる上司なら、「オープンなコミュニケーション」のための時間を設定したり、自分が対応できる枠を知らせたりしておきましょう。

このような方法は、自分が管理職である場合にも役立ちます。まずは一歩下がって、自分が本当に把握すべきことは何なのかを考えましょう。

マイクロ・マネジメントをしたくなる原因がどこにあるのかを理解することが、干渉しすぎを抑えるための第一歩になります。

イヤな上司その2.「必要な時につかまらない」

何よりイライラするのは、上司がよく「行方不明」になり、適切なフィードバックをもらえない状況です。

キャリアを積んだり、出世したりしていくうえでは、フィードバックを受けることが必要不可欠です。フィードバックを受けられなければ、何をどう改善すべきかがわかりません。

でもご安心を。以下の方法を使えば、上司を逆に管理し、フィードバックを堂々と求められるようになります。

  1. 定期的な面談を設定し、自分の改善すべき点を質問する。そうすることで、個人的なフィードバックをもらって、軌道修正することができる。
  2. 上司が常に忙しく、会う時間が限られそうな場合は、聞きたいことをグループ化して、上司と話し合うべき事柄の優先順位を決めておく
  3. フィードバックがどうしても必要な場合に、上司に連絡が取れる方法を教えてもらっておく。その際は「仕事を滞らせないために必要だ」と強調するのがポイント。

では、自分がつかまりにくい管理職である場合は、どうすればいいのでしょうか。

どれほど多忙で、あらゆる仕事を抱えているとしても、部下に対しては、年に1度の勤務評価の際だけでなく、定期的にフィードバックを提供するべきです。

そうすることが、優秀な従業員を満足させられるか、あるいは後任探しに時間をとられるかの分かれ目になるでしょう。

イヤな上司その3.「言いにくいことを言わない」

フィードバックと言えば、厳しいことをあえて口にしない管理職もいます。

ネガティブなフィードバックを伝える(そして受け取る)ことは、ときに難しいものです。しかし、管理職にできるもっとも有益な仕事の1つは、改善できるチャンスがあれば、それをいち早く部下に伝えることでしょう。

こうしたフィードバックは、自分の成長に役立つだけではありません。いかなる場合でも、フィードバックは、直属の上司から与えられるのがいちばんなのです。

そうすれば、キャリアを傷つけかねない要素を見過ごしてしまったり、自身の潜在的な弱点が、上司よりさらに上の立場の人たちに知られてしまったりすることを避けられます。

先述の「フィードバックをもらう方法」をヒントに、こちらから指摘を引き出すようにしましょう。

優れた上司なら、具体的で明確、かつ思いやりのあるフィードバックをしてくれるだけでなく、部下に成長を示すチャンスを与えてくれるものです。

イヤな上司その4.「有害で不愉快」

上司が有害で敬意を欠いた人物なら、配置換えを希望するのがいいでしょう。しかし、必ずしもそれが可能なわけではありません。

有害な言動の引き金がわかっている場合は、先回りして対策をとるのもいいでしょう。

たとえば上司が、曖昧な指示を出しておきながら、それを部下が正確に理解することを期待しているとします。その場合は、たとえばこう尋ねてみるといいかもしれません。

この件に関して、分析の不十分なレポートを提出してしまうとご迷惑になりますので、重要なポイントに間違いがないよう、いくつか確認させていただけますか。

とはいえ、上司が暴言を吐いたり、常識を逸脱した態度をとったりするような場合は、人事部や、上司の上役に苦情を申し立てるか、他部署への異動を願い出ることができます(とはいえ、そこまでの状況になれば、別の仕事を探すことになる可能性も高いでしょう)。

一方、自分が管理職で、部下に対して悪態をついたり、怒りを爆発させたりしていると気づいた場合はどうでしょう。

まずは、その認識をもつことが重要な第一歩です。また、管理職は誰しも、自身に対するフィードバックを募るべきですが、その際には注意が必要です。

Fast Companyのポッドキャスト「The New Way We Work(新しい働き方)」のエピソード「How to avoid inadvertently being a bad boss(知らないうちにイヤな上司にならないために)」において、著述家のDiana Kander氏が指摘したように、直属の部下が上司に対して、正直なフィードバックをくれる可能性は低いでしょう。

Kander氏が代替策として提案しているのが、匿名による「360度フィードバック」を定期的に実施することです(1人に対して、上司、部下、同僚など立場に関係なく、さまざまな人が多面的に評価してアドバイスする手法)。このフィードバック方式のなかで、管理職が「自分では気づかない点を改善する方法を教えてほしい」と皆に要望するわけです。

Kander氏はこのように語ります。

自分の盲点を、自分で発見することはできません。

しかし自分の盲点とは、成長や改善につながる大きなチャンスなのです。

これを探し当てるには、ほかの人からのフィードバックが必要です。

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Source: Apple Podcast

Originally published by Fast Company[原文

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