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【質問】 安全で効果的なサプリを選ぶにはどうすればいいですか?

 



こんなご質問いただきました。

 

鈴木さんはいろいろなサプリを試していると思いますが、 どのサプリを続けるかどうかの判断はどうやって行っていますか? 他のサイトを見ていると、すべてのサプリを試してみたくなって困ります。

 

ということで、 日常的に使うべきサプリを選ぶには、 どうやって判断すればいいのかというご質問です。確かに、世の中にはいろいろなサ プリがあるので、効果があるものだけを選んでいきたいですもんね。

 

まぁ、これについては、定期的に私のブログを観測してもらうか、年に1回のペースでやっている「スタメンサプリ」を 参照してもらうのが楽だと思いますが、それ以外の方法もいくつか考えてみましょう。

 

 

効果のあるサプリメントを選ぶための5つのランク

第一に、私の中では、サプリメントの選択基準を5つのランクに分けて考えています。

 

  • ランク1=そのサプリメントの効果を裏づける強力な証拠がある。
  • ランク2=そのサプリメント効果を裏づける証拠はあるが、全体のデータが少ない、効果が小さい、効果の信頼性が低い、またはレベル1よりも用途が 限られている。
  • ランク3=そのサプリメント効果があると結論づける証拠が十分にない。
  • ランク4=そのサプリメントには効果がないと結論づけた十分な証拠がある。
  • ランク5=そのサプリメントが健康やパフォーマンスに害を及ぼすと結論づけた十分な証拠がある。

 

こうやって考えたときに、 大体レベル1か2に該当するサプリを選ぶようにしています。

 

といっても、この判断も難しくて、 研究の進み方によってレベルがコロコロ変わったりするんですよね。 いくつか、具体的な例を挙げると、

 

  • かつては「筋肉が増えるサプリはHMBとクレアチンだけだ!」と言われたため、私のなかでも「これはランク2か?」ぐらいに思っていた(R)。ところが、2017年ごろから「なんの効果もなかった!」というデータが相次いだため、現在では、「HMBはランク4だ!」ってとこまで下がった。

 

  • かつては「BCAAで筋肉が増える!」と言われた時代があり、自分でも試していたことがあったが、2018年あたりから「BCAAの効果は誇張されすぎている」というメタ分析が増え、やっぱりランク4に急落してしまった 。

 

  • 逆に、かつては「効果がよくわからん」と言われてきたベータアラニンは、2020年あたりからどんどん良いデータが出てきたため、いまはランク3からランク2に上がっている 。似たように、ジャンプアップを果たしたサプリメントには、シトルリンがある。

 

って感じになります。ざっくりした経験則で言うと、ほとんどのサプリはランク3ぐらいからスタートして、 しばらくしたらランク4に転落するイメージですね。 逆にランク3から2に上がるサプリメントはほとんどないっすな(ちなみに、今話題のNMNは、 このランク付けだとランク3に当たる)。

 

こう考えると、 今ランク1にいるサプリは、クレアチン、 プロテイン、 カフェインぐらいのものでして、 トップに位置できるものはほとんどないのが現状ですね。 そう考えると、「サプリなんて大体ムダなんだから買わなくてもいい!」と割り切ってしまうのも手じゃないでしょうか。 まぁ、このやり方だと、結局は査読論文をチェックしなければいけないので、 だいぶ敷居は高いんですが、 他に手がないのも事実なんですよね。

 

 

安全なサプリメントを選ぶための2つの方法

 サプリメントを選ぶ際に、 もう一つ大事なポイントが「その商品は品質が高いのか?」ってところでしょう。 サプリメントは薬品ほど厳しい基準がないので、ラベルに表示された通りの成分が入ってなかったり、重金属のような体に悪い物質が混入しているケースも意外と多かったりしますからね。値段が安いからといって粗悪なサプリメントに手を出すと、 逆に体を壊す可能性もあるので注意したいところです。

 

で、このリスクを減らすためには、大きく2つのポイントを参考にしておくと良いでしょう。

 

  1. 第三者試験を受けている:米国薬局方(USP)認定、USADA認定などのように、 サプリのメーカーとは独立した第三者機関によって 成分がチェックされた商品を選ぶ方法。 これで完全な安全性が担保できるとは言えないものの、リスクを減らすという意味ではかなり強力。 この手の検査をしている機関としては、Consumer Labs(consumerlab.com)、National Sanitation Foundation(NSF.org)、Banned Substances Control Group(bscg.org)、Informed-Choice/Informed-Sport(Informed-Sport.com) などがある。

    検査をパスした商品には、 その機関の名前が入った認証シールが貼られているので、 これを参考にすれば見分けるのは簡単。iHerbの ようなサイトでサプリメントを買うときは、認証シールがないかどうかを チェックしてみると良いでしょう。


  2. ライセンスされた成分を探す: 1部のサプリメントには、BtoB 企業が特許を取った成分が使われております。 これらの企業は、製品の効能と純度を社内および第三者機関で チェックし、サプリメント会社にライセンス供与して製品を販売しているんですな。 有名なところでは、、KSM-66(アシュワガンダ)、 クレアピュア(クレアチン)や カルノシン(CarnoSyn®) などがあります。 ライセンスされた成分は、商品ページに「®」が付いているので、 こちらも見分けるのは簡単です。

    もちろん、こちらも商品の安全性が完全に保証されるわけではないものの、 何も考えずにサプリを選ぶよりは格段に安全なのは間違いないでしょう。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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