敏腕クリエイターやビジネスパーソンに仕事術を学ぶ「HOW I WORK」シリーズ。今回お話を伺ったのは、Notion公式アンバサダーであり、「暮らしとNotion。」運営者のReiさんです。
Rei(片山 怜)
Notion公式アンバサダー / コンテンツクリエイター。YouTubeチャンネルとWebメディア「暮らしとNotion。」を運営。IT企業でPMを経てこの春フリーランスに。Notionの活用術やオリジナルテンプレート、暮らしに役立つモノなどを紹介している。YouTubeの登録者数は1万9千人を突破(2024年3月現在)。著書「Notionライフハック 暮らしに役立つ36のアイデアとテンプレート」(翔泳社)
IT企業でのプロデュース・ディレクション業、Notionを兼業する時間をどのように生み出しているのでしょうか?
「意思の力ではなく、環境作りこそ大事」というReiさんに、Notionの活用法からSNSを制限する時間の作り方までお話しを伺いました。
Reiさんの一問一答
職業:コンテンツプロデューサー、プロジェクトマネージャー、YouTubeクリエイター、Notion公式アンバサダー
居住地:東京
現在のコンピュータ:Macbook Pro 14 M1 Max 32GB
現在のモバイル:Google Pixel7(スマホ), Nothing CMF Watch Pro(時計)
現在のノートとペン:iPad mini 6, ApplePencil
イチオシの愛用アプリ:Notion, Arc
仕事スタイルを一言でいうと:なんでも屋
広く浅くを繰り返すと、できることが積み上がっていく
――今どんな仕事をしていますか?
少し前まではエンタメ系IT企業で、プロデューサーやディレクターの仕事をしていました。最近独立して、今はフリーランスです。
Notionのアンバサダーとしての活動をしながら、YouTubeチャンネル「暮らしとNotion。」の運営も手掛けています。兼業をはじめて、3年ほどが経ちました。
――複数の仕事をするおもしろさは?
昔からの性格なのですが、僕はやれることを全部やりたいタイプ。両立していく中で、ジャンルを超えたスキルが自分に積み上がり、1人でできる幅が広がる感覚が好きなんです。
個人でYouTubeを運営していると、撮影・編集、チャンネルのマーケティングの話と広がっていきます。
以前の会社での役割も、プロデューサーというと肩書きはありますけど、ほぼ何でも屋みたいなもの。キャラクターのデザイン、クリエイターの活動方針、あとはその会社の立ち上げもやっていたので、本当に全部何でもやるっていう。
仕事を並行することで、できることが増えていく感じが両立しておもしろいところですね。
――兼業するのは大変ではないでしょうか?
常に自分を背水の陣に置くというか、やりたいことをすべてやって、自分の時間を効率的に使うことが好き。
ただ、一歩間違えると、崖から落ちるっていうのが大変なところですね。忙しいことが自分にとってはすごく幸福ではあるのですが、危険も隣り合わせです。
――今の仕事で嬉しかったことやエピソードを教えてください。
そうですね、Notionの本「Notionライフハック 暮らしに役立つ36のアイデアとテンプレート」を出せたことが大きいです。
これまでは会社員としてプロデュースやディレクション業務を本業にしていたので、どこかで自分はまだクリエイターではないと感じていました。
クリエイターになりたい気持ちはすごく強くあったのに、NotionやYouTubeで配信をしていてもクリエイターだと自信が持てなかったんです。
しかし本を出版した後に、やっとこれならクリエイターと言ってもいいかもと思えるようになりました。
きっかけは出版記念イベントにファンの方や本を買ってくれた方々が20〜30人ほど集まってくれて直接話す機会を持てたこと。そこで一気にクリエイターとしての自信が生まれました。
複数の仕事を抱えながらの執筆はかなり大変でしたが、本を作り上げられたことが一番嬉しかったですね。
やりたいことをやるために、毎朝実践する日記の書き方
――実践している良い習慣について教えてください。
欠かさずにやっている習慣は、毎朝Notionで日記を書くことです。
「ずっとやりたかったことを、やりなさい」という本に書かれていたワークを実践しています。この本はアーティストになるための本と言われていて、「本来やりたいと思っているけどやれていない」「稼げないけどやりたい」ことを思い出させるワークとも言われています。
そこに書かれていたのが、モーニングページという日記の手法です。
朝思っていることをすべてノートに書き出すと、自分が思っていることを深く理解でき、本来やりたかったことができるというもの。
元々、日記は手書きでしたが、今はパソコンやスマホでNotionのアプリの中に、自分が今思っていることを書くようにしています。
あとひとつ、運動不足解消に、自転車に乗りはじめました。ダホンK3という小型の折りたたみ自転車で、仕事をしている3つの拠点を自転車で移動しています。タイヤが小さいから結構運動になりますし、あとはどこにでも停められるコンパクトさが気に入っています。
職場に駐輪場がなくても、室内に持って入れたり。小さい自転車が今の自分のライフスタイルにあっていますね。
情報を制限して、時間を確保する
――日頃の情報収集、インプットの仕方について教えてください。
インプットは意外と、意識していないかもしれません。あえていうとしたら書店とFeedlyです。
むしろ、息をするように情報を入れてしまうので、SNSには制限をかけています。
――どんな制限を?
たとえば、僕はTikTokがすごく好きなんですけど、毎日10分以上は開けない設定に。XとInstagramは30分にして、毎日開ける時間を決めています。
しかし僕の場合は、制限をかけても抜け道を探してしまうんです(笑)。だから抜けさせないような方法を考えて、実践しています。そこを極めると、確かに何もできない状態になり、驚くほど時間が生まれます。
働く場所も、スマホも、パソコンも、仕事で分ける
――オンオフ切り替えのコツは?
今、会社の仕事とYouTube、Notion。この3つを並行するために、まずは仕事で場所を変えることを大事にしています。自宅には誘惑が多いので、自宅を除いた3カ所としてオフィス、カフェ、コワーキングスペースなどを活用しています。
パソコンも、Arcというブラウザで、仕事ごとにワークスペースを分けています。色でも分けていて、本業は黒色、Notionは白色と分けています。
スマホも一緒です。本業のことはダークモード、個人のことはライトモードでやるようにしています。
――ほかにもありますか?
スマホはPixelシリーズを使っていて、ログインユーザーを分けるような設定ができて、2つのアカウントを1つの端末で管理しています。
通知の管理からすべてを、本業と副業で完全に分けています。たとえば日中は本業の通知しか来ないように設定しておいて、18時以降にまるっと副業の通知が来るようにするとか。
――通知マネジメントも取り組んでいるんですね。
しないと本当にパンクしてしまいます。僕がこういうやり方をしているのは、基本的にとても下手くそで、人よりできないタイプだからです。失敗したことを、一つずつ潰して、ツールに頼っているのが正しい気がします。
――ストレス解消法は?
ありきたりなものでいうとサウナと銭湯に行くこと。
すごく好きなサウナと銭湯があり、そこに通うために最近引っ越しをしました。
たまたまいい物件が見つかったのもありますが、ストレス解消できるようになりました。あとは昔ストリートダンスをやっていて、今でも踊るとストレスが解消されますね。
クリエイターであることに自信を持てた理由
――もらったアドバイスで印象的なものは?
元メルカリの事業デザイナーのスワンさんからもらったアドバイスがすごく印象的でした。
僕が書籍を出す前から、クリエイターになりたいことを相談していたことがありまして、
「十分あなたはクリエイターだよ。自分がやっていることにもう少し自信を持ったほうがいいよ」
と言われたことがありました。
僕にとっては、大きなアドバイスです。クリエイターへのリスペクトもあるし、自分がその地位にいることを謙遜してしまっていました。
でも、書籍を出したこともあり、ようやく少しずつクリエイターであることに自信を持てるようになってきたのは、そのアドバイスがきっかけです。
自分に合った仕事の選び方を見つける
――自分の人生に影響を与えた1冊は?
「マルチポテンシャルライト」という、複数のことをやりたい、やろうとしてしまう方、に向けた本です。
世の中的には、一つに絞ることが一番正しい風潮や、成果を出すためには絞るべきという考えがありますよね。
でも、そうではないタイプもいるし、それを自分の多様性の一面だと捉えて認めましょうという内容です。
僕と同じようなタイプの人が書いた本で、そういう人たちがどう人生を生きているかを4分割して、4パターンの生き方を紹介してくれています。
代表的だったのが、たくさんの種類の職業ができる仕事を選びましょうということ。
僕は1社目は広告代理店で、2社目もプロデューサーという何でも屋。マーケティングからコンテンツまで全部やるんですけど、まさにたくさんのことができる仕事でした。今の生き方も、この本を参考にしています。
――仕事哲学について教えてください。
「頑張ったらできるは、できない」が僕の哲学です。頑張ったらできるではなく、常にできる状態にしたい。
たとえば、YouTubeやブログは、頑張ったら誰でも1本ぐらいは作れると思うんですよね。なんですけど、常にできるようにするのが一番難しい。
そのための環境を作りや、何も考えずにもできるようにする仕組み、そうした日々の環境改善がすごく好きで、自分の仕事哲学になっています。
――最後に、今後の活動について教えてください。
これまで会社員をしてきましたが、もともと僕は、立命館大学の映像学部出身で、映像に関わりたい、クリエイターとして活動したいという想いが強かったんです。
フリーランスになり、まずは映像クリエイターとして、YouTube上で映像の質の高い、コンテンツを作っていきたいと考えています。
その発信のジャンルとして、僕が得意なNotionを軸に、クリエイターとして活動していきます。また、個人・法人向けのNotionのサポートも行なう予定です。お困りの際はホームページからお問い合わせください。
Source: 暮らしとNotion。/Image: 本人提供