米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の専属通訳を務めていた水原一平氏の違法賭博疑惑が波紋を広げている。このうち、三菱UFJ銀行が大谷選手のウェブCMの一部を非公開としたため、「打ち切りではないか」と注目を集めている。企業のリスク管理に詳しい桜美林大学の西山守准教授は「銀行が神経質になるのは当然で、ウェブCMの公開終了を批判することは筋違いだ」という――。
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手を広告に起用した化粧品メーカーの店舗=2024年3月21日、東京都渋谷区
写真=時事通信フォト
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手を広告に起用した化粧品メーカーの店舗=2024年3月21日、東京都渋谷区

大谷翔平を起用したCMはほとんどが継続

ドジャースの大谷翔平選手は、日本時間3月26日の朝、通訳の水原一平氏の違法賭博への関与疑惑での解雇を受けて会見を行い、声明を発表した。水原氏の賭博問題について、自身の関与を否定。大谷選手の口座から行われたブックメーカーへの送金についても、関与を否定した。

産経新聞の報道によると、大谷選手を広告に起用している三菱UFJ銀行、寝具メーカーの西川、コーセー、セイコーウオッチは、継続起用することを表明しているという。

大谷選手を広告起用している企業は上記以外にもあるが、現時点で起用を打ち切るという動きは見られないし、打ち切る兆しも見られない。

しかしながら、水原氏の解雇が発表された直後の3月21日時点で、三菱UFJ銀行の「大谷選手特設サイト」にアップされているウェブCMの5本のうち、2本が非公開になっている事が判明している。三菱UFJ銀行側は、CM動画を非公開にしたのは、報道とは無関係だとしており、「1月末で契約期間満了に伴い削除していた」と説明している。

大谷選手の広告継続の判断はどのような基準でなされたのだろうか? 三菱UFJ銀行がCM動画を非公開にしたのは、本当に契約満了によるもので、このたびの事件とは無関係なのだろうか?

単純化して言えば、広告契約の継続の有無は、「リスクとリターンのバランスで決まる」ということになる。つまり、継続することで得られるリターン(利益)より、続けることのリスクの方が大きくなれば打ち切られるし、そうでなければ継続されるということだ。

しかしながら、リスクを見積もることは難しいし、起用によるリターン(利益)も正確に見積もることは難しい。