老後のひとり暮らしが破綻して、自宅を「ゴミ屋敷」に変えてしまう人がいる。『老後ひとり暮らしの壁』(アスコム)を書いた山村秀炯さんは「ゴミ屋敷のような部屋を片付けていると、玄関の様子が似ていることに気づく。また、居間と寝室にも2つの共通点がある」という――。
1足だけ靴が置いてある玄関のイメージ
写真=iStock.com/Toru Kimura
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老後のひとり暮らしには「壁」がある

私は仕事がら、とにかく他人様の家や部屋を見る機会が多くあります。これまで見たお住まいは数千軒にのぼるでしょうか。そのなかで、以前、こんな方に出会いました。

ある70代の男性です。とにかく他人の世話になるのが嫌で、人付き合いをほとんどしないで暮らしていました。もともと建築関係のお仕事をされていて体力には自信があったようですが、無情にも体は衰えていきます。

私がお会いしたときは、すでに足を悪くされていて下半身の自由がきかず、這いずるようにして部屋の中を移動していました。それでもなお、人の手は借りたくないし、頼る人もいないのです。

自由なひとり暮らしを手放したくないために、施設への入居は頑なに拒んできたそうです。しかし自由でありたい気持ちとは裏腹に、自分でできることは減っていきます。買い物にも満足に出かけられないため、甥が定期的に食料や日用品を届けています。食事やお風呂などは訪問介護のヘルパーさんの助けでなんとか成り立っている状況でした。

これは、ご本人の意思を最大限に尊重してきた結果ですし、望んだとおりの状態なのかもしれません。でも、最期まで自立して生きていくには、乗り越えるべき壁があることを意識せざるを得ませんでした。

自宅をゴミ屋敷に変えてしまう人の特徴

多くのおひとりさまとお会いする中で感じるのは、「壁」を上手に越える人と、「壁」を見て見ぬ振りをする人がいること。そして、うまく「壁」を越えられる人ほど、自分の生き方に納得していて、幸せに暮らしているように思えます。