仕事ができる人は、どんな雑談をしているのか。元リクルート全国トップ営業の渡瀬謙さんは「大切な案件であるほど、最初の雑談は重要。『天気の話』では大した反応は望めない。それよりも、相手先に着くまで『キョロキョロ歩き』をして、話題を探しておくといい」という――。

※本稿は、渡瀬謙『一生使える「雑談」の技術』(大和出版)の一部を再編集したものです。

気象情報と雨のスマートフォン
写真=iStock.com/BlackSalmon
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「天気の話」では会話が続かない

雑談で最初に何をするかというと、まずは「話のきっかけづくり」ですよね。

お互いに黙っていても会話は始まらないので、こちらから何かしらのアクションをしていくことになります。

そして、この話のきっかけとなる話題にいつも困るのが、かつての私も含めた雑談が苦手な人の特徴でもあります。

そんなこともあって、私はたくさんの雑談本を読みました。

その中でよく書かれていたのは、「天気の話をするといい」というもの。

たしかに簡単にできますし、話題としてもお手ごろ感があります。

上司に雑談の進め方を相談したときも同じことを言われていたので、私もそのとおりにやってみました。

【私】「今日はいい天気ですね」
【相手】「そうですね」
【私】「………」

いつもここで止まってしまいました。

その後が続かなくて、すぐに沈黙になってしまうのです。

結局は何も言わないときと変わらずに、気まずい空気のままで仕事の話に入っていました。

もちろん、その後も会話が続く人もいるのでしょうが、少なくとも雑談が苦手な私には、うまく使えない話題でした。

「天気の話って、そんなにおススメなのかなあ」と疑問に思っていました。

有効なのは、異常気象の場合のみ

たしかに天気の話題は、すぐに使えるという点では便利です。

ただ、そのラクな話題に頼るクセがついてしまうのが、とても危険なのです。

まず、天気の話というのは、それほどの話題性はありません。

相手もふだんから天気に関心をもっているかというと、多くは無関心なまま日々を過ごしています。

そんな話を振っても、長く続く会話に発展しないことが多いのです。

また、相手が朝からエアコンのきいた室内にいたら、

「今日は暑いですねー」

と言っても、たいした反応は望めません。

天気の話題で有効なのは、異常気象の場合のみです。

台風やゲリラ豪雨などの突発的な天気は、それだけ関心度が高いので話題として使えます。

それ以外は使わないと決めておいたほうがいいでしょう。

繰り返しになりますが、問題なのは「とりあえず天気の話をすればいいや」と思っていたら、他の話題を探そうとはしなくなる可能性が高くなる点です。

その一方で、まわりを観察したり、きちんと準備をしていれば、もっと最初から打ち解けられるような効果的な話題を使えるかもしれません。

これが営業や大事な打ち合わせなどの場面だとしたら、最初の雑談で失敗するのは大きな損失です。

そのためにも、相手が興味をもってどんどんしゃべりたくなるような話題を見つける意識をもつようにしてください。

その場しのぎやあいさつがわりというだけなら、天気の話でもいいでしょう。

でも、コミュニケーションをよくするために雑談をしたいのなら、その後の効果までを念頭に入れて最初の話題を見つけることをおススメします。