副業したいと思っていても、本業と並行しながら、さらに毎日長時間働くのはなかなか困難。『「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法』(滝川 徹 著、日本実業出版社)の著者もかつてはそう感じていたといいますが、現在は自分の時間を犠牲にすることなく副業に取り組めているのだそうです。

私は現在大手金融機関で会社員をやりながら、副業としてセミナー講師業をやっています。ありがたいことに、月4時間ほど働くスタイルで、4年間で500万円以上の収入を得ることができました。セミナーのメインテーマはタスク管理・仕事術。私は長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理の手法を身につけ、本業で残業ゼロの働き方を達成しました。そのノウハウを教えています。(「はじめに」より)

月4時間しか働かないのは、「本業に加えて、毎日数時間も働くなんてつらすぎる」と考えたから。お金を稼ぐためだけならいくらでも手段はあるでしょうが、副業として効率的に稼げる仕事として講師の仕事を選んだというのです。

私が心がけてきたことはシンプルです。自分が楽しいと思うこと、好きなことをやる。がんばってムリしなくても成果が出るように効率的に取り組む。そしてこれが一番大切なのですが「時間を味方につける」ことです。セミナー講師は、このすべてが実現できる副業です。(「はじめに」より)

でも、なぜセミナー講師なのでしょうか? この点を明らかにするために、第1章「がんばらずに副業講師として成功する方法」に注目してみたいと思います。

時間を味方につければだれでもセミナー講師になれる

著者がいちばん伝えたいのは、「時間を味方につけて、ムリのないペースで楽しみながらセミナー講師をやりましょう」ということなのだそう。

「本業が忙しいのに副業なんかできない」という方もいらっしゃるでしょうが、やり方さえ間違わなければ副業、とくに講師業は大変ではないというのです。

ただし、毎日血のにじむような努力を続けることは避けるべきだといいます。当然ながら、それではつらいだけだから。そうではなく、長い期間をかけて少しずつムリなく取り組んでいくことが大切なのです。

たとえば毎日腕立て伏せと腹筋を20回ずつやると決めたとしましょう。1日、2日と続けても身体には何も変化は起きません。

しかし1年、5年、10年、20年と長い期間で考えたらどうでしょう。何もやらない人と、毎日20回続けた人とでは、身体・筋肉に大きな差が生まれます。人間は先のことを想像するのが得意ではないのでイメージしづらいかもしれません。

しかしこの差は10年、20年と期間が長くなればなるほど、皆さんが想像する以上に大きなものになります。(14〜15ページよりより)

つまりはこれが、著者の提案する「時間を味方につける戦略」のイメージ。毎日少しの時間しか副業に取り組んでいなかったとしても、期間が長くなれば、それが想像以上に大きな成果につながるということです。(12ページより)

短期間で成果を出そうとしないほうが副業はうまくいく

毎日取り組んだ場合、最大のメリットは「短期間で成果が出せる可能性がある」ということになるのかもしれません。ただし、がんばって取り組んでいるその期間は、純粋に人生を楽しく感じることが難しくもあるのではないでしょうか。

毎日本業をこなしつつ副業もがんばらなければならないのですから、睡眠時間や家族との時間、人生を楽しむ時間を犠牲にする必要があるのです。しかも、がんばったから成果が出ると保証されているわけではありません。それどころか、短期間のつもりであったとしても、予想以上の時間がかかってしまうことも考えられます。

では、毎日ムリなく楽しみながら取り組むとしたら?

著者いわく、この戦略のいちばんいいところは、万が一結果が出なかったとしても楽しい人生を送れること。自分が楽しいと思うことを、ムリなく毎日コツコツと楽しめるわけです。

そうすると、まず毎日が充実します。

自分がやりたいと思うことを毎日できているわけですから、達成感・充実した気持ちを味わうことができる。毎日が楽しくなるのです。この時点で人生がハッピーになります。(18ページより)

もちろん、なんらかの成果が出たならそれに越したことはないでしょう。しかし成果が出ても出なくても、幸せな毎日・人生を送ることはできるということです。(16ページより)

セミナー講師は誰でもできる

著者がセミナー講師を副業として勧める理由はおもに2つあるそうです。誰でも楽しくできるということと、お金をかけずにできるということ。

「セミナー」というと、会社で勉強会の講師をやるように、きっちりとスライドを作って、少しも言い間違いをしないように、緊張しながら話す。そんなイメージをもっている人も多いと思います。

しかし私が考えるセミナーは、それとは全く違います。ただ好きなことについて自由に楽しく話す。実際私はそうして楽しみながらセミナーをやっています。(19ページより)

だから、誰にでもできるのだというシンプルな考え方。しかも、どんなテーマであっても、工夫次第でセミナーにつなげることはできる。だから、セミナー講師は誰でもできるというのです。

もう一点、セミナー講師が副業に最適なのは、お金が全然かからないという点です。極端に言えば、しゃべるだけだからです(笑)。つまり、ほぼノーリスクではじめられる。(23ページより)

たとえば不動産投資をしようという場合は、不動産を買う必要があります。つまり、ハイリターンであってもハイリスクだということ。しかしセミナーの場合、負担する必要があるのは会場代くらい。それどころか最近はオンラインでセミナーをできるようにもなったので、会議室をとる必要すらないわけです。

こうした理由から、本書では副業としてのセミナー講師を勧めているのです。(19ページより)


著者は本書に、かつての自分が知りたかった「答え」をすべて記したのだそうです。つまり、これを参考にすれば、セミナー講師としてのキャリアをすぐにスタートできるわけです。興味のある方は、参考にしてみるべきかもしれません。

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Source: 日本実業出版社